あの「ウィッチャー」シリーズを手掛けたCD Projektの新作として、2020年12月10日に発売されたPC(Steam)、PS4、Xbox One用ソフト『サイバーパンク2077』。

2020年に発売されたあらゆるゲームの中で、世界中のゲーマーたちからの期待が最も高かったタイトルの内の一つだろう。当初の予定であれば2020年の4月に発売されていたものだが、度重なる延期を経てやっとのリリース。はたして期待に応えられる出来になっているのか、さっそくプレイしてみたぞ!

・ネタバレ無し

本記事では魅力的な点や、イマイチに感じた点を述べていく。その過程でスクリーンショット等が少し入っているが、メインのストーリーに関するネタバレはゼロだ! 未プレイでネタバレNGな方も安心してほしい。

・RPGだけど体感はFPS

10日の午前0時にゲットしてから朝の8時ごろまでプレイした時点での感想だが、本作のプレイフィールを他の作品で例えるなら……ブレードランナーや攻殻機動隊的な雰囲気のオープンワールドでプレイする、FPS仕様のグランド・セフト・オート……と言った感じだろうか。

本作のジャンルはオープンワールドRPG。日本でRPGというと、やはりファイナルファンタジーやドラゴンクエスト的なスタイルの印象が強いように思う。

SNSでも、それらの和製RPGから受ける「RPG」の印象と、プレイデモ等で目にする『サイバーパンク2077』のゴリゴリなPFSっぽい様子の違いに混乱している人をそれなりに見かけた。

『サイバーパンク2077』では、車を運転している時を除けばほとんど常にFPSだ。キャラクター作成に滅茶苦茶こだわることもできるが、プレイ中に自分で自分の顔や体を見ることはほとんど無い。


男性的外見にしても、女性的外見にしても、あるいはどちらでもないタイプに作っても、ゲーム内で鏡を覗き込まない限り、画面に映るのは常に自分の両手と武器のみ。

では、よくあるRPGと共通するような要素はどこにあるのか? 本作では主人公にレベルの概念があり、レベルが上がると「能力値ポイント」という、いわばスキルポイント的なものが溜まっていく。

それを、「肉体」、「知力」、「反応」、「技術」、「意思」の5種類のステータスに割り振ることで、任意の方向に自分自身を強化していくのだ。筆者が7時間ほどプレイした限りでは、その辺りと、しっかりしたメインストーリーがあるという2点だけがRPGっぽい要素。


プレイして受ける印象や、プレイヤーに求められるスキルは、完全にFPSと同じものだ。FPSが苦手な人にとっては、ちょっと辛いかもしれない。

逆に、FPS的な操作に全く抵抗の無い人なら、どこまでも舞台となる街「ナイトシティ」に入り浸ることができるだろう。マップも果てしなく作り込まれており、いっそうのことVRでプレイしたいくらい出来がいい。


・お勧めはSteamかXboxで北米版

ただし、余りに作り込まれすぎているからだろうか? どうもハードの性能が足りていない感がある。筆者はノーマルのPS4版で日本版のソフトをプレイしているのだが、これは最悪の組み合わせだ。これから買おうという人は、絶対に避けた方が良いだろう。

すでにご存じの方も多いと思うが、PS4版は非常に動作が重く、画質もかなり悪い。それどころか、エラーが起きてゲームが落ちることも。Xbox版はプレイしていないのでわからないが、PS4よりはマシだと思う。


とにかくPS4版は最悪だ。このハードの性能では、広大な「ナイトシティ」を描き切れないのだと思う。アップデートで動作を軽くしてもらわないとストレスが半端ない。

ベストはSteam版。次点でXboxで北米版をプレイすることだと思う。ハード面以外での理由は、表現の規制の問題だ。一切規制の無い『サイバーパンク2077』ではキャラ作成の時点で、自らの性器までもカスタマイズできるレベルで縛りが無い。

男性の体に女性器をつけることもできるし、逆に女性の体に男性器をつけることもできる。より真に迫ったかたちで、自らの分身を作成できるということだ。詳しくは「Cyberpunk Genital Customization」等でググって頂きたい。重要だろう?

また、PS4用とXbox用の日本語版ソフトでは、ゲーム内のオブジェクトなども、卑猥な落書きやオブジェクトは変更されたり削除されているし、人体の欠損やら切断やらの表現も変更されている。世界観が非常に重要なゲームなので、これらの規制は本作の魅力をかなり損ねてしまっていると思う。

他には細かいバグも多いが、筆者が体験したものは言うほど実害は無いものが大半だった。例えば、帽子を被って鏡を覗くと、なぜかいつも帽子と髪だけが消えて、ハゲになっているとかだ。まあ、ハゲても困らんし?



ときおりクエストが進行しない等の少しクリティカルな事態も起きたりするが、この手のものは、バグなのかPS4のスペックの問題なのかよくわからない。


・それでもマストバイ

表現の規制はともかく、フリーズやバグは普通ならボロクソに酷評して、クソゲーだとして締めくくっていただろう。しかし『サイバーパンク2077』は、それでも素晴らしいゲームだと言わざるを得ない。

驚くべきことに、これらの微妙な点を差し引いた上でなお、本作はマストバイな魅力を有している。何がそんなに良いのかというと、端的に言ってエモいのだ。

まさにサイバーパンクな「ナイトシティ」のデザインや、BGM、会話の選択肢(往々にして制限時間が短い)によって生じる膨大なストーリー分岐など、細かいこだわりが無数に集まって作り出す圧倒的な世界観

特にマップの作り込みは狂気を感じるレベルで、ガチに無限に探検できそうでワクワク感が止まらない。その辺のなんでもないNPC同士の会話に出てくる単語すらも「ナイトシティ」的な演出が徹底されている。エモい。

画面の向こうから「ナイトシティ」というサイバーでパンクでブッ飛んだ街が、これまでどんなゲームでも感じたことの無いほどの存在感を持って押し寄せてくるのだ。

個人的には、今までで一番リアルなゲーム体験だった。世界観の濃さに溺れそうである。いや、フリーズに悩まされてもなお褒めるのだから、もう溺死させられたのかもしれない。FPSに抵抗が無いなら、今すぐ本作をゲットして、この狂った街に繰り出してみて欲しい。(できればPS4以外で)

参考リンク:サイバーパンク2020
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.
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