激しい雨音で目が覚めた今朝。2026年6月3日は台風6号の影響で渋谷も大雨だった。各地で大雨を降らせている台風のため注意が必要だ。ただ、私(中澤)は職場まで地下鉄であまり影響を受けない。そこで出勤したところ外はやはり土砂降り。道玄坂にも水が流れてる。

風が弱いだけまだマシかもしれないけど、当然、渋谷の街は店もストリートも駅前もガラガラ。だが、そんな台風6号ピークの渋谷において行列になっている場所が2つだけあった。

・1つ目

1つ目の行列は道玄坂の中腹にある商店街「しぶや百軒店(しぶやひゃっけんだな)」で見かけた。百軒店の入口を通りかかっただけで、大雨の中の傘の群れが目に留まり、気になったので近づいてどの店か確認してみたところ……

『道頓堀劇場』であった。昭和から続くショー劇場で、その時代のチャラさを感じさせる外観にはもはや歴史の風格がにじみ出ている。

怪しいオーラも漂う百軒店の顔だけど、かつては幕間コントにも注力していた時期があって、コント赤信号やダチョウ倶楽部、爆笑問題なども立ったステージだ。私が目撃したのはその『道頓堀劇場』のオープン前行列であった。



・2つ目

2つ目の行列を目撃したのは駅前でのこと。スクランブル交差点を渡り切ってふと右を見たらハチ公の姿が見えた。なんだかハチ公を久しぶりに見た気がする。なぜなら、普段通る時は人いっぱいで見えないことが多いからだ。さすがに台風の中ハチ公に並ぶ人はいないか……

と思いきや、近づいてみたらスクランブル交差点と逆方向に外国人の行列ができていた。台風の中でも記念撮影が粛々と行われていた。マジかよ。

この大雨の中、満面の笑顔でハチ公と記念撮影する勢力に衝撃を受けたのだが、一方で、外国人にとってのハチ公のありがたみも感じた。この人達はひょっとしたら一生に一回レベルの日本観光かもしれないし、渋谷にいられるのが1日だけの可能性もある。そう仮定すると、並ぶ気持ちも理解できた。



・2つの場所で感じた共通点

最初は微妙に引いてた私がそう考えなおした理由は、行列のオーラにあった。行列って、一部に入るくらいの距離に行くと並んでる人のテンションがダイレクトに伝わってくる。台風の中のハチ公行列はこう言っているように感じた。「我が人生に悔いなし」と。

感じたのは熱。天気にキレるとかそういった不純物のない純粋なる熱がダイレクトに伝わってきたのである。そして、それは『道頓堀劇場』の行列も同じ。時の流れと共に熱い時代は過ぎ去ったとはいえ、それだけに台風の中並ぶ人々からは熱のようなものが感じられた。

その熱は1つの愛の形にも感じられる。ハチ公と道頓堀劇場。世界に知られる観光名所と、長年愛され続けた劇場。どちらも「好き」が人を動かしていた。全く異なる2つの場所で共通点を垣間見た台風の日の出来事だった。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼台風6号ピーク時の渋谷