「狙いを定めて、一歩前へ」といえば、男性用トイレの小便器でよく見かけるフレーズである。コンビニの「いつもきれいに使って頂き、ありがとうございます」や、居酒屋の「急ぐとも、心静かに手を添えて、外にもらすな、松茸の露」も同じ意味。つまり……

トイレの汚れや悪臭の原因である “尿ハネ” を防ぐために、あらゆる言葉を使って男性を小便器に近づけたいのだ。便器内に「的シール」を貼って、狙ってもらう方法も悪くはない。しかし、今回ご紹介する方法はもっとイイ。ってか、最強……かもしれない。

・画期的な飛散防止策

画期的なトイレと出会ったのは、山陽自動車道の「八幡パーキングエリア(下り線)」。広島県三原市にある比較的小さなPAだ。まったくもって平凡なPA内に、常識を覆す天才的トイレが待ち構えていたのである。

とはいえ、男性用トイレに足を踏み入れた瞬間は、その仕掛けに全く気が付かなかった。パッと見た感じは普通……なのだが、いざ小便器の前に立つと、その天才的な仕掛けに驚くことになる。

・床がナナメ

もったいぶっても仕方ないので、ズバリ答えを言ってしまうと……小便器の前の床が前傾していたのだ。つまり、用を足すときに自然と「小便器に覆いかぶさる姿勢」になるということ。

いわゆる “定位置” に立つだけで、意識せずとも「一歩前へ」の効果があり、万が一、フロアにこぼれても壁側に流れていく仕組みとなっている。これは小便の飛び散り問題を解消するナイスアイデアと言えるだろう。マジでけっこう衝撃なんですけど。

用を足しながら「画期的ィィイイイ!」と声が出そうになるほど感動したので、すぐに設備を管理している高速道路事務所に話を聞いてみた。すると「試験的に床を斜めにしましたが、お年寄りがビックリしてしまうこともあるため、数年後には改修工事で元通りにするかも」とのこと。

なるほど。たしかに油断をしたら、便器に突っ込んでしまう危険な角度なのかもしれない。とても良いアイデアなのは間違いないが、結局「誰かにとっての便利」は「誰かにとっての不便」にもなり得る……ということか。

もちろん家庭の洋式便器であれば座ればいいだろう。問題なのは公衆トイレだ。おそらく手間がかからず効果的なのが「いつもきれいに使って頂き~」の文言なのだろう。

うーむ、ゴールが見えそうで見えない「トイレの飛び散り問題」。床を斜めにする今回のアイデアは、個人的にけっこう好きなんだけどな~。

参考リンク:八幡パーキングエリア(下り線)
Report・イラスト:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.