かつて中華街のオヤツと言えば甘栗、そして少し前はタピオカであったが、ここ最近、注目されているのが「フルーツ飴」である。中国語で「タンフールー(糖葫芦)」や「ビンタンフールー(冰糖葫芦)」と呼ぶものだ。

1本の長い串に5個、6個と飴がけされた小さなフルーツがささっている様子は見た目も可愛く、サクサクパリッと脳に響くあの音がメッチャASMR! ただ街中で売られているのはイチゴやキウイなどなんだよなぁ。どうせなら本場ならではの「サンザシ」で食べたいじゃない? サクサクパリッ&シャクシャクッというあの音を楽しみたい。

・サンザシ のタンフールー

中国原産のフルーツであるサンザシ(山査子)。500円玉大ほどの大きさの赤い実で、小さなリンゴのような形をしている。その味は甘酸っぱく……いやむしろローズヒップ級に酸っぱい。

そのまま食べるのは結構ハードなのだが、フルーツ飴になるともう絶品。甘いパリパリッとした飴とシャキシャキ瑞々しいサンザシの組み合わせは究極のASMR体験であり、一度食べたらヤミツキになる美味しさなのだ。

早速つくってみよう!

【材料】25cmの串5本分

・サンザシ:25個
・氷砂糖:100g
・水:150cc

【作り方】

(下処理)
1. サンザシの実をよく洗い、キッチンペーパーで水気を拭き取る。
2. サンザシのヘタをとり、種を取る。この際、横にして輪切りするように真ん中に包丁を入れると種はキレイにとれる。

(飴がけ)

1. サンザシを串にさす。家庭で作るなら25cmの串で5個ぐらいが作りやすい大きさだろう。

2. フライパンに水150ccを入れ、沸騰したら中火にして氷砂糖100gを入れる。この際、絶対に混ぜてはいけない。自然に溶けるのを待とう。

3. 砂糖が溶け、トロミがついたら火をとめて、1のサンザシに2を絡める。飴が冷めたら完成。

と、作り方はいたって簡単なのだが、サンザシのタンフールー作りには大きなハードルがあった。生のサンザシがどこにも売っていない! その証拠に中華街でもイチゴやキウイをよく見かけるでしょう? いやいや、サンザシの飴がけが食べたいんだよォォォォ!

・鍵は長野県にあった!

ということで、どこかで生のサンザシが売られていないか探しまくっていると、長野県天龍村のふるさと納税の返礼品に「サンザシのジャム」があることが判明した。使われているサンザシの産地は長野県高森町だという。高森町ではサンザシを作っている!?

そこで高森町役場に問い合わせたところ、確かに高森町ではサンザシが生産されていることが判明。そして同町の瑠璃寺を拠点に活動しているサンザシプロジェクト「ボタニック薬草LAB」に携わる国際中医師の青山洋子さんを紹介してもらい、私は国産サンザシとの出会いを果たしたのだった。

その国産サンザシで作ったタンフールーは絶品! 高森町のサンザシは中国の屋台でみかけるものより心なしか大振りだ。実の香りも良く、パリシャクッとかじったときの音、そして果汁と飴の甘酸っぱさがたまらない!

・ビッグウェーブの予感

さて青山さんによると、3月というとサンザシの旬は過ぎてはいるものの2019年収穫分の在庫が若干あるとのこと、また2020年分については10月以降の収穫を予定しているという。そして2020年はネット通販も視野に入れて高森産サンザシの全国への流通も計画されているとのことだった。

フルーツ飴ブーム、そして秋には国産サンザシの本格流通……役者はそろった、2020年にはタンフールーのビッグウェーブが来るかもしれない。

参考リンク:ボタニック薬草LAB、楽天ふるさと納税「長野県天龍村
Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

▼タンフールーの作り方

▼高森町のサンザシ

▼まるで赤い宝石やー! 飾ってもキレイ

▼飴がけすると絶品タンフールーになる

▼発泡スチロールがあれなタンフールー屋ごっこもはかどる

▼これはタンフールー違い(でも元ネタは糖葫芦)