Netflixと書いて「時間泥棒」と読む。本当に、次から次へと新作のオリジナルコンテンツを繰り出してくるので、マジで時間が足りない。HuluとAmazonPrimeとDisneyDELUXEとAppleTV+も契約している私も大概なのだが。
ともかく、今回は最近視聴したNetflix作品で面白かった『Locke & Key(ロック& キー)』をネタバレなしで紹介したい。もしあなたが『ハリー・ポッター』や『ナルニア国物語』あるいはスティーブン・キングが好きなら きっと “刺さる” であろうファンタジー作品だ。
・”第2のストレンジャー・シングス”『Locke & Key』のあらすじ
さて、まずは『Locke & Key』のあらすじを簡単にご紹介しよう。
「あることから殺された1人の男、レンデル・ロック。彼の妻と3人の子どもたちは心に深い傷を負ったまま、ロック家の先祖から代々伝わる屋敷「キーハウス」へと引っ越す。すると、3人兄弟の末っ子ボード・ロックは謎の声に導かれて “ある鍵” を発見。その鍵は、特殊な能力が秘められた「魔法の鍵」だったのだ! その後も「キーハウス」内からは次々と魔法の鍵が見つかる中、それを奪い取ろうとする者が現れ……」
アメリカの人気コミックを映像化した本作は2020年2月7日からシーズン1が配信され、各話50分弱程度で全10話。配信が開始される前からシーズン2の制作が決定したほどNetflix肝入り(?)の作品らしく、”第2のストレンジャー・シングス” という呼び声もあるほどだ。
ジャンル的には「ダークファンタジー」らしいが、実際に視聴した印象ではそこまでダークではない。むしろ青春真っただ中のティーンエイジャーたちの甘酸っぱい恋愛模様や友情、そして家族愛も描かれているので、爽やかで微笑ましい印象を抱いたぐらいだ。
ファンタジーといえば、1話目から「ホグワーツ」や「ナルニア」というセリフや単語が飛び出すほど “魔法の世界” 感をアピールしてくるので、その手の作品──あるいは『ドラえもん』が好きな方はツボかもしれない。次々と「鍵」を手に入れていく主人公たちが、SF(少し・不思議)な魔法で人生を再スタートさせていく様は夢があって楽しい!
そして個人的にもう1つ強く意識させられたのが 巨匠スティーブン・キング。数多くの小説が映画化されているが、それらの作品へのオマージュが随所で見られたのだ。たとえば……
・そこはかとなく漂う「キングの世界感」
1話目で末っ子のボードがローラーシューズで家の中を滑走するシーンは どう考えても映画『シャイニング』のオマージュだし、キンジーが映画撮影で血だらけになるシーンは『キャリー』を彷彿とさせる。原作者、もしくはこのドラマの監督は絶対スティーブン・キング好きだな……
──と思ったら、原作者のジョー・ヒルは、スティーブン・キングの息子らしい! おそらく監督の粋な計らいで、父の映画化作品をオマージュしたのだろう。憎い演出!
原作に忠実と思われるシーンでも父・キングの影響を感じられた。主人公の兄妹が己の恐怖やトラウマを克服して成長する姿は『IT / イット “それ” が見えたら、終わり。』に通じる。
一方、「頭の鍵」で×××をするシーンが登場するが、昨年公開された父・キング原作の映画『ドクタースリープ』でも似たような描写があったのは興味深い。
そして2人の作品に共通しているのが「本当に怖い存在は、実は身近にいる」──ということ。日常の恐怖を描き続けてきたスティーブン・キングから息子への系譜を感じずにいられない。まあ一歩間違えれば息子をこじらせるような系譜なのだが、結果オーライだったようだ。
・シーズン2にも期待
さて、全話を見た感想を述べると正直、シーズン前半までは「ふむふむ」と可もなく不可もなくな印象。(それでも個人的には『ハリポタ』や『ナルニア国物語』より全然楽しかったが)
ところが後半あたりに入ってくるとミステリーやサスペンス要素が色濃くなり、「ど、どど、どうなっちゃうんだよう!!」とグイグイ引き込まれてゆく。テンションがMAXのまま突入する最終話では一応スッキリとさせてくれる一方、「なん……だと……?」という展開もあり、シーズン2への期待感たっぷりでシーズンが終了する。ま〜た見なきゃいけない作品がリストに増えた。
「魔法のおとぎ話」系の作品やスティーブン・キングが好きな方はもちろんだが、そうでない方でも大いに楽しめると思うのでNetflixで面白い作品を探している方は どうぞ1度ごらんあれ。
参考リンク:Instagram @lockeandkeynetflix、Netflix
Report:ショーン
Photo:RocketNews24.
Screenshot:Netflix
▼『Locke & Key』の予告編はこちら。