インドに隣接するバングラデシュ。日本から見ると、中国、東南アジアの向こう側の世界のためか、位置や文化がピンと来ない人もいるのではないだろうか。

私(中澤)は、先日、バングラデシュ人に会ったのだが、正直ピンと来なかった。そこで、バングラデシュを理解するためにもオススメの料理屋を聞いてみたところ……なぜか焼き鳥屋を激推しされたでござる

・バングラデシュ人オススメの焼き鳥屋

そのバングラデシュ人というのは、日本語学校『ホツマインターナショナルスクール』に通うジョニーだ。料理人であり、将来は「カップヌードルやマクドナルドのように国境を越えたフード会社」を作るのが夢なのだとか。そのため、東京でも勉強のため外食することが多いという

そこで、前述のオススメ料理屋の話になったわけだ。すると、「最高の店がある!」とジョニー。どこどこ


ジョニー「ここめっちゃ美味しい(スマホでHPを見せる)」


「『鍛冶屋 文蔵』……って、焼き鳥屋やないかい!」


ジョニー「良いお店。バングラデシュの友達みんな大好き」


「バングラデシュ料理の店じゃないんだ」


──個人的にはバングラデシュ料理店を聞くつもりだったのだが、ジョニーいわく「日本にバングラデシュの料理店があまりない」とのこと。食べたい時は、新大久保で調味料を買って自分で作っているそうだ。

焼き鳥屋をオススメして来たのも意外だったが、数ある焼き鳥屋の中でなぜここなのか? しかも、ジョニーいわくバングラデシュ人の仲間はみんなこの店が好きだという。『鍛冶屋 文蔵』の何がバングラデシュ人を惹きつけるのか? 気になったので『鍛冶屋 文蔵』新宿西口店に行ってみた。

・むちゃくちゃ普通の焼き鳥屋

軒下に提灯が下がったデザインを見ても、店外のメニュー表を見ても、めちゃくちゃどこにでもある焼き鳥屋である。その飲み屋街への溶け込みっぷりは『攻殻機動隊』の光学迷彩かよってレベル。日本人が仕事帰りに呑んでちょっと話題にするならいざ知らず、異国でよくこの店を見つけたな。草薙素子もビックリだよ。

入店してみると、中はこれ以上ないくらい想像通りの光景が広がっていた。ドアを開けた瞬間、漂うタレと鶏が焼ける香り。調理場の前に設置されたカウンターで呑んでいるのは、荒巻所長とかトグサみたいなサラリーマンっぽい人たちだ。バングラ要素ゼロである

・ジョニーのオススメメニュー

さて置き、ジョニーのオススメは『鶏ももの文蔵焼き(税込750円)』とのこと。そこで、まずは駆けつけ1杯の気持ちで、メニューとか見ずに『鶏ももの文蔵焼き』を注文してみたところ……


なるほどね

ブツが運ばれてきた瞬間、私は一瞬で理解した。なぜ、ジョニーがこれを激推ししてきたのか。大きな銀皿に「ドーン!」と乗った肉の塊はなんか祝祭感がある。想像でしかないけど、南アジアのパーティーってこういうの出てきそうだ。

そんな肉は、茶色く焼き色のついた幕のようなもので覆われてドームを形成している。塩窯焼きみたいになっているが、これ何だろう? 食べてみたところ……


なるほどね

食べてみて再び納得。これは南アジアっぽい味だ。じゅんわりと鶏肉の旨みが沁みだした後、ピリピリと辛さが口に広がる。そして、気づいた頃には口の中がめっちゃスパイシー! だが、なぜかひと口またひと口と食べたくなってしまう。止まらねェェェエエエ!!

特に辛いのが好きなわけでもない私だが、辛さ以外に酸味とまろやかな味もするところも良い。これはマヨネーズだろうか? 試しに、つけ添えのキャベツに巻いてみたところナイスコンビネーション! ウンマっ!!

焼き鳥屋でありながら、バングラデシュ人を惹きつけて止まない『鍛冶屋 文蔵』。中でも『鶏ももの文蔵焼き』の味は、国境越えも納得のスパイシーなウマさとボリューム感に彩られていた。辛さがお酒にも合うので、『鍛冶屋 文蔵』に行った際はぜひ注文してみてくれ。

・今回紹介した店舗の情報

店名 鍛冶屋 文蔵 新宿西口店
住所 東京都新宿区西新宿1-14-17
営業時間 月~土17:00~23:30 / 日・祝17:00~22:30
定休日 無休

取材協力:ホツマインターナショナルスクール
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼普通の焼き鳥もウマかった

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