「かつや」が発表した「幸楽苑」とのコラボ新商品『ラーメンコロッケ』。冷静に考えてラーメンをコロッケにするなど正気の沙汰ではない。俺たちの「かつや」は一体どうしちまったんだ? 心配になったファンも多いのではないか。

かく言う私(あひるねこ)もその一人である。しかし訓練された “かつや者” ならば、結末までしっかり見届ける必要があるのも事実。そこでコロッケが発売される本日2019年12月9日にさっそく「かつや」まで行ってきたのだが……そこで目の当たりにした光景は予想に大きく反するものだった!

・話題の新商品を食らう

安定の混雑ぶりを見せる「かつや」店内。にもかかわらず、周囲から聞こえてくる注文はカツ丼やロースカツ定食といった定番メニューばかり。やはり皆、恐れているのだろう。『ラーメンコロッケ』という圧倒的異物の存在を……。よござんす。ならば我が行く。

・割と普通

こうして現れた『ラーメンコロッケとロースカツ定食(税抜690円)』だったが、見た目の方は至って普通だ。思った以上に大きくゴロっとしているという点以外は、何の変哲もないコロッケと言える。

しかし油断は禁物である。キツネ色の衣の中には、胸いっぱいのカオスが詰め込まれているはず。私は意を決し、コロッケを両断すべく箸を入れていった。すると中に見えたのは……。


ネ、ネギ……! じゃがいもと共にたっぷりの青ネギが確認できるぞ。さらに細長いメンマがズルッと出てきたではないか。ラーメン感あるゥゥゥゥウウ! しかし、残念ながら麺は入っていないようだ。惜しい、もう一声!! と思ったけど、よく考えたら入ってても困るな。

・ラーメンなのか

さあ、肝心の味はどうなのか。熱々サクサクのコロッケを頬張ると……んんん!? マジかよ! 普通にウマい!! 胡椒のかなり効いた醤油味で、マッシュポテトがホックホクだ!! 味が濃いからソースなしでもガンガン食べられるぞ。こりゃビールが欲しくなるやないかーい!

ただし、ラーメンかどうか問題に関しては評価が難しいところ。ネットには「どこがラーメンなのかよく分からなかった」という声もあるが、個人的にはある程度ならラーメンの存在を感じられたように思う。しかし、それには味への深い集中、つまり “瞑想” が必要になってくる。

・深く沈んで……

ソースをかけると “気” が乱れるため、最初は かけないことをオススメしたい。コロッケを口に入れ目を閉じ、コロッケとの会話を試みるのだ。と言っても、ただ呼び掛けただけでは彼らは反応してくれない。薄暗い水の中をどこまでもどこまでも沈んでいくイメージで、その奥底にある味の本質を掴み取れ。


もっと、もっとだ……。


そこにいるのは……


ラーメン、キミなのかい?

・感じろ

そう、ただラーメンの味を待っているだけではいけない。人生には、自分から迎えに行かねばならない時もある。それを発見して初めて『ラーメンコロッケ』を食べたと胸を張って言えるのではなかろうか。大丈夫、自分を信じるんだ。きっと出来る!

・広がる視野

さらにラーメンとの邂逅を果たした後なら、隣にいるロースカツの見方もおのずと変わってくるはず。最初は『ラーメンコロッケ』がもしダメだった時の保険というか、ラーメン単体での勝負にビビった「かつや」が安パイとして用意した防波堤のようなものだと思っていたのだが……。

今ならそういったリスクヘッジとしてではなく、 あくまで『ラーメンコロッケ』のサポート役として同じ皿に待機していたことが分かる。同時にコロッケでは控えていた「ソースをたっぷりかけて食べたい」という欲求の受け皿としても機能しており、ロースカツ先輩の万能さに改めて驚かされた次第だ。

・来年もよろしく

多くの “かつや者” を困惑させた今回のラーメン事変。しかしフタを開けてみればそれは、思った以上に真っ当な試みであった。そのことに一抹の寂しさを感じないと言えば嘘になるが、予想を裏切るという点において「かつや」の目論見は成功したと言えるだろう。来年も大いに期待したい。

ちなみに『ラーメンコロッケ』は、在庫がなくなり次第終了となるため注意されたし。

参考リンク:かつや
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
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