天才とは僅かに我々と一歩を隔てたもののことである──。と言ったのは芥川龍之介だが、「芥川も十分天才だろ」と思うのは私(中澤)だけではあるまい。だが、芥川でもそんな名言を残すほど、芸術に関して才能は大きな壁であるとも考えられる。

そして、たまに神に愛されたとしか思えない才能を持つ人がいるのも事実。2019年6月25日に放送されたアメリカのオーディション番組『America’s Got Talent』でそんな天才が登場したためお伝えしたい。10歳少女が歌声だけで会場を総立ちにさせる様子は鳥肌必至

・チャーミングな10歳の少女

ぬいぐるみを抱きしめてからステージに駆け出してくる少女。小さな体いっぱいで笑うような満面の笑みが印象的で、赤いワンピースがよく似合っている。

「おいくつ?」という審査員のジュリアンの質問に「10歳!」とハツラツと答える様子はとてもチャーミングだ。ジュリアンもそのチャーミングさにすでにやられ気味。笑顔でパフォーマンスをうながす。

・歌い出した瞬間

緊張した表情を見せる少女。思わず応援したくなってしまう。頑張れー! だが、歌い始めた瞬間……

響き渡ったのは透き通る高音。天使のように美しい声に、さっきまで応援気分だった会場が息をのむのが伝わってくる。少女が歌い始めたのはオペラ「トゥーラントッド」の『Nessun Dorma(誰も寝てはならぬ)』。

あの小さな体のどこから、会場中を包むような声が発されているというのだろうか? 大人顔負けの「歌力」は、さっきまでのチャーミングな少女とはとても思えない。

それだけでも衝撃なのだが、曲が進むにつれ、声はさらにパワフルなハイトーンへ。包まれるような声から、圧倒されるような迫力を帯び始める。それに呼応するように会場が総立ちに! SUGEEEEEEE!!

派手なパフォーマンスなどなく、純粋な歌の力だけで会場を総立ちにさせた少女の名前は「Emanne Beasha(イマン・ビーシャ)」。オーディションの結果は満場一致で合格となった。

10歳と思えない歌力を持つイマン。神に愛されたとしか思えない才能は、ぜひご自身の耳で確認してみてくれ。

参照元:YouTube
執筆:中澤星児

▼歌声だけで会場が総立ちになる瞬間に鳥肌……!