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英国の超人気オーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」。2007年に出演したポール・ポッツは、当時携帯電話販売店で務めていたのだが、この番組を通じてその才能を開花させ、世界デビューを果たした。その2年後に登場したスーザン・ボイルもまた類稀な歌唱力で、世界中を魅了し歌姫として華々しい活躍を遂げるに至る。

・また1人、逸材あらわる

今期もまたスゴイ才能を持つ逸材が、大注目を集めているようだ。26歳のカラム・スコットさんは自らの力を発揮して、辛口審査員のサイモン・コーウェルにその実力を認めさせたのだ。その歌唱力は本当にハンパではない。「胸を打つ」とは彼のような歌声のことを言うのではないだろうか。感動のあまり心が震える。

・妹の評価は惨憺たるもの

実は彼は妹のジェイドさんと共に、オーディションに出演していた。彼は4つ年下のジェイドさんと共に歌を愛して育った。互いにいずれは歌手になることを夢見ていたのかもしれない。しかしジェイドさんを迎えた審査員の評価は惨憺たるものだった。

・妹の酷評を目の当たりに

特にサイモンは音程が合っていないことを指摘して、最初の楽曲を中断させてしまう。気を取り直して再度別の曲でチャレンジする機会を与えるも、再び曲を止め、結局失格。それを兄のカラムさんは目の当たりにしてしまったのである。普通であれば胸中は穏やかではないはず。

・サイモンさえも立ち上がる

ところがである。彼はステージ上で持てる力のすべてを出し切ったのだ。最初こそいくぶんナーバスに見えたのだが、歌い始めるとまるで清らかな力を宿したかのように、澄み渡る歌声を会場を支配した。さすがのサイモンも、初めはあまり聞く気がないように見えたのだが、次第に彼の歌声に引きこまれ、最後は観客と共にスタンディングオベーションしていたのだ。

・心を射抜くような強さ

私的な意見で恐縮だが、歳を重ねると新しいものを受け入れがたくなってしまう。特に音楽に関しては、「どこにでもいるだろ」とか「アノ人の真似じゃないのか」など、穿った物の見方をしてしまいがちだ。ところがカラムさんの歌声は、そんな心の垣根を突き破って、射抜くようなエネルギーを持っているようだ。あっさりと心を打ちぬかれて、胸の震えが止まらなくなりそうである。

・まさかのゴールデンブザー

どうやら、サイモンも心を打ちぬかれてしまったらしい。サイモンは拍手喝采した挙句に、ゴールデンブザーを押したのである。ゴールデンブザーとは、誰か1人でもこのブザーを押すと予選通過が決定してしまう特権である。妹を酷評したサイモンがまさか一番に心を動かされるとは。この人は鬼なのか仏なのかまったく良くわからない。

とにかくカラムさんはこの番組を通して、大きく世界に羽ばたくのではないだろうか。この透き通るような歌声を、いつか生で聞いてみたいものである。

参照元:YouTubeMirror.co.uk(英語)
執筆:佐藤英典

▼妹ジェイドさんのパフォーマンス。サイモンによって途中で止められる

▼直後にジェイドさんの兄、カレンさん登場。驚異の歌唱力で会場を圧倒。感動が波のように会場を支配していく。サイモンに注目

▼BGTに出演後、2014年3月に公開した動画に注目が集まっている。ポップシンガーRobynの『Dancing On My Own』のカバー。素晴らしいアレンジだ

▼ちなみにこちらがBGTと共に世界的に知られることになった、ポール・ポッツ初回出演時の映像。ポールの歌唱力に審査員一同度肝を抜かれる

▼そしてこちらが2009年のスーザン・ボイル初出演時のもの