まだ幼かった少年少女時代、誰もが一度は人形遊びに夢中になったことがあるのではないだろうか。手に持った人形がどんなにぎこちなく動いていても、脳内補完すればOK☆……と満足していたあの頃だが、大人が、しかもプロが本気になって遊ぶと、人形は感動的なほどダイナミックに動くようだぞ!

・「プロ」がフィギュアをコマ撮り

今回、紹介するのはTwitterで「フィギュア コマ撮り」を公開している篠𠩤健太さん(@shinohara_kenta)の動画。「フィギュアコマ撮り」とはその名の通り、フィギュア(人形)をアニメーションの要領でコマ撮りをしたものだ。

実はこの篠𠩤さん、とあるコマ撮りアニメーション制作会社に勤めている人で、つまりその道のプロ! 見せてもらいましょうか、プロの技を……。


・リンク vs 文房具

まずは、大人気ゲーム「ゼルダの伝説」の主人公・リンクから。画面中央へ走りながらフレームインしてきたリンク。すると、なんと消しゴムが飛んできたではないか! しかし、持っていた盾でなんなく防御! ……と思っていたのもつかの間! 今度は鉛筆が飛んできたぁ! 

が、この攻撃にも動じることなく、クルクルと舞いながら剣で一閃、鉛筆を真っ二つに切り裂く。かっくいいーー!!


・リュウ vs レッドブル

続いては、これまた大人気ゲームシリーズ「ストリートファイター」のリュウとレッドブル缶がバトル。画面上に「FIGHT!」と開始の合図が出るとリュウは瞬時に間合いを詰め、一発、二発とパンチをお見舞い! レッドブル缶の胴体部分もベッコベコにへこんでいく。

最後にリュウが昇竜拳をキメると、レッドブル缶は宙を舞い、完全K.O。これ、バトルというかボーナスステージ状態(笑)


・繊細な表現

こうした華麗な動きをするキャラクターたちのアクションだけに目が行きがちだが、その細部にも職人の技が光っていることを見逃してはならない。動きに合わせて髪が、帽子が、服がわずかに動く。攻撃がヒットする瞬間は火花が散る。

攻撃が炸裂する瞬間にカメラもブレさせることで、その衝撃がこちらにも伝わってくる。非常に繊細な表現かつ、迫力たっぷりの演出だ。

・なぜプロがTwitterに「フィギュアコマ撮り」?

しかし、本業でコマ撮りアニメーターをしている人が、なんで「フィギュアコマ撮り」を始めたのか? 篠𠩤さんいわく「好きなアニメーションを通してたくさんの人と繋がり、好きをシェアしたい」からだそうだ。さらに、「会社は大きな仕事を与えてくれて、僕はチャンスをいただいてます。しかし、それだけでは与えてもらえるのを待っているだけです」としている。

・好きなモノを好きで居続けるために

筆者も以前、会社勤めをした経験があるが、確かに「会社」という組織に属すると次から次へと仕事を与えられ、それをこなすだけの毎日になりがちだ。機械的に作業をし続けると次第に、仕事への情熱も失われかねない。それが自分の選んだ職業だと、なおさらツライ状況だ。

篠𠩤さんは好きなものを好きなように作り、その感動を共有することで、アニメーションへの愛をさらに深めているのかもしれない。だって篠𠩤さんの動画からは純真な少年心が溢れているから!

・他のキャラや撮影風景の動画も!

篠𠩤さんは、今回紹介した動画の他にもスパイダーマンやガンダム、ドナルドダックなど様々なキャラクターを使ったコマ撮り動画をTwitterにアップしているぞ! さらには、その撮影風景なども公開している。興味を持った人はチェックしてみてはいかがだろうか。筆者も子どもの頃に大好きだったアレとかアレとか、もう一度本気でやってみようかな〜。

参照元:Twitter @shinohara_kenta
動画:篠𠩤 健太, used with permission.
執筆:ショーン

▼「ゼルダの伝説」リンクが消しゴム&鉛筆と格闘

▼「ストリートファイター」リュウがレッドブルをフルボッコ

▼機関銃でコーヒー缶を蜂の巣に!

▼プロトタイプ・ガンダムが重量感たっぷりに闊歩
https://twitter.com/shinohara_kenta/status/1107061655756693504

▼スパイダーマン、参上!!