
普通に日本で生活していて、どこかの国の大使館に行く機会というのは滅多に無いだろう。日本大使館ですら、海外旅行中のトラブルでもない限り行かないと思う。
特に外務省から退去勧告が出ているような国ならなおのこと。そんな国の一つ、アフガニスタンの在日大使館に入れる機会が到来! なんとなく行って来たところ、予想以上に楽しかったので紹介するぞ!!
・港区主催のスタンプラリー
今回アフガニスタン大使館に入ることができたのは、実は筆者が日本に潜入中の諜報員で、機密情報の受け渡しに……というわけではない。単に、港区が主催で開催中の『港区ワールドフェスティバル』の一環で催されている『港区大使館等周遊スタンプラリー』に参加したのである。
1月16日から3月24日までの期間、本イベントに参加している各国の大使館などで、専用の台紙にスタンプを貰うというイベントだ。国によっては入り口でスタンプを押してもらうだけで中には入れなかったり、大使館と言っても普通のビル内の1室でなんだかレア感がイマイチだったりする場合もある。詳しくは公式HPを見ていただきたい。
・専用のスタンプ台帳
今回行くアフガニスタン大使館は麻布台にある。近い駅は神谷町、赤羽橋、そして麻布十番だ。今回は麻布十番駅をチョイスした。なぜなら、本イベントに参加するためには専用のスタンプ台帳(パスポート)を持っていないといけないのだが、この台帳が麻布十番商店街の一部店舗にて配布されているからだ。
筆者は大使館に行く道すがらに入手したので麻布十番を利用したが、港区の様々な施設でも配布されている。また、イベントとはいえ大使館に行くので、もちろん写真つきの身分証明書も必須。この辺もやはり公式HPを見ていただくのが早いだろう。
ただ、HPにある台帳(パスポート)の入手方法の項目は、施設名と住所が書かれているだけで、正直全くイメージがわかない。こういうのは運営がGoogleマップに各施設をピン止めしてまとめてくれると嬉しい。
筆者も住所だけでは全く分からなかったので、興味のある大使館に予約する際、途中で立ち寄って台帳をゲットできる場所を聞いた。興味があっても港区に土地勘が無い方は、筆者同様に予約の電話で、ついでに大使館から近い台帳配布場所を聞くといいだろう。
・オサレなターコイズブルー
いざ大使館に到着してみると……
思っていたより「何かすげぇ所に来ちまった」感がする。ゲートの向こうは日本の管轄外……適用される法はアフガニスタンのもの。これは実質アフガニスタンに入国するようなものでは? 今後はアフガン入りしたライターを名乗っていこう。
そして、建物のターコイズブルーがなんだかオサレ。今更だがなんでターコイズブルーなのだろう? トルコ石が採れるからかな? まあいいや、どうやって入るのだろう。
よく分からなかったので、こっちをいぶかしげに見ていた、中のアフガニスタン人っぽい兄ちゃんに声をかけると開けてくれた。そこでやってきた日本人のスタッフに、スタンプ台帳と身分証明書を提示。
そのまま正面玄関から中に入ると、大使館職員たちがなにやら準備をしている。そして奥の方には既にそこそこ来訪者が。どうやらアフガニスタン大使館は、結構人気がある様子。
入ってすぐのホールと、右手にある展示室のようなエリアには、アフガニスタンっぽいものが色々とおいてある。
特産品のラピスラズリだろうか? なにやら青い瓶や……
アフガン絨毯というやつだろうか? なにやら敷物っぽいもの……
そしてなんなのかよく分からない、動物の皮
イイ! 詳細はぜんっぜんわからないが、アフガニスタンっぽくてナイスな雰囲気だ。他にも民族衣装っぽいものなど色々展示されている。写真を撮りまくっていると、青いスーツをキメた明らかにアフガニスタン人な大使館職員が登場。
\アノ、ハジマリマスヨ~/
めっちゃ日本語で声をかけられた。他の職員は、アフガニスタンの言葉と思われる外国語を喋っているのに、この人物はカタコト気味ではあれど、日本語が堪能。きっとエラい人なのだろう。
これは終了後に撮った写真だが、玄関から入って左手のホールにはナッツとお茶が用意されていたのだ。これから何が始まるのだろうか?
・プレゼンが面白い
実は筆者が予約したのは前日の夕方。ろくに調べずにやってきたので、何があるのか全くわかっていない。椅子に座ってナッツを食べていると国についてのプレゼンが始まった。なお、司会と進行は先ほど声をかけてきた、日本語を喋るアフガニスタン人のアシュラフ・バブリ氏。これが中々面白く、また同時に興味深かった!
例えば、平均年齢が18.1歳とめちゃくちゃ若いことや、アフガニスタンの言葉は主にダリ語とパシュトー語ということ。てっきりアラビア語だと思ってたよ! また、何かと過激なイメージを連想させる「タリバン」という言葉が、単に「学生」という意味だというのも初耳だった。
それと、日本がメインだと思っていたこたつ。実はアフガニスタンでもほぼ同じものが昔から存在するそうだ。どこが起源というものではないのだろう。寒さに対処する方法としての、文化的な収斂(しゅうれん)進化みたいなものか。本当に興味深い。
このような話が始終キレッキレのジョーク交じりで続くので、聞き手を飽きさせない。最後の質問コーナーでも「子供たちはどんな遊びをしているのか」と聞かれた際に
バブリ氏「バブリハ、銃ヲブッパナシテイマシタ~」
と攻めまくったジョークをにこやかにキメるなど、堅苦しい感じが全く無いのもクールだ。ちなみに筆者も「この近くで本物のアフガニスタン料理を食べられるレストランを教えて」と聞いたところ……
バブリ氏「ナイデスネ~」
筆者「無いんですか!」
バブリ氏「ドコモ、チョットチガウ」
筆者「Oh……」
バブリ氏「デモ、東中野ニアル『パオ』トイウレストランハ、ガンバッテイマスネ~オススメデスヨ~」
とのことだった。食べるべきメニューなど教えてもらったので、そのうち行こうと思う。
・意外と普通だった初東京タワー
プレゼンが終わると、なんと屋上に行っていいという。東京タワーとかが見られるそうだ。ということで屋上に行くと、こんな感じのエリアが。いいなぁーこういうの。筆者も屋上にこういうのがある家に住みたいでござる。
そしていざ屋根の外に出ると、皆して左に向かってカメラを構えている。どうやらその方角に東京タワーがあるようだ。しかし、麻布十番からここまで歩いてくる間、そんなもの見えなかった気がするが……?
あっ、あの電波塔……あれ東京タワーやったんかい! なんか、とても申し訳ないのだが……思ってたより普通。生まれてからこれまで東京タワーを生で見たことがなかった。スカイツリーにはたまに行くのだが、東京タワーには縁がなかったのだ。
しかし昭和生まれ的には、東京タワーこそが日本で一番高い建物と脳にすり込まれてきた。もちろん、現在ではスカイツリーの方が高いと知っている。それでもすり込み効果で、はてしなく巨大な塔をイメージしていたのだ。それこそ伝説の中のバベルの塔みたいな。そうか、東京タワーってこれかー。
という感じで、最後は東京タワーを眺めて終了したアフガニスタン大使館の見学。先述の通り、門の外でスタンプを押すだけの大使館もそこそこあるだけに、こういった対応をしてくれるのは素晴らしい。何より、普通なら仕事や留学でビザを発行してもらう以外では中々入る機会など無いというもの。
というか、アフガニスタンに仕事や留学でビザ申請なんて……現状の治安的にまず無いのでは? それをかなりフリーダムに見て回ったり、好きに色々と質問できるというのはこの手のイベントならではだろう。期間中は毎週水曜日と金曜日に中に入ることができる。ちょっと変った体験をしてみたい方や、アフガニスタンに興味がある方は予約して是非参加してみて欲しい!
参照リンク:港区ワールドフェスティバル
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.
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▼出されたお茶が、変った味でめちゃくちゃウマくて、作り方も教えてもらった。
▼東京タワーの反対側の景色はこんな感じ。
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▼情報量の多いアフガンカレンダー。ペルシャ数字でイラン暦とヒジュラ暦が、更にローマ数字で西暦が一緒に書かれている。ちなみに西暦で3月20日か21日が元旦とのこと。
▼「ありがとう」は、パシュトー語で「マナナ」 ダリ語で「タシャクル」だそうだ。
▼関係ないけど、隣の空き地にこんなものが。
江川資具




















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