「女の友情はサランラップより薄い」とは昔からよく言われることだが、女性なら1度や2度ぐらい、その言われに当てはまる経験をしたことがあるのではないかと思う。それは筆者も例外に漏れずで、今回は「今までに女友達にされた1番ヒドいこと」について語ってみたい。

・ギリシャ旅行中に女友達が男と消える……

その “事件” が起きたのは、筆者の大学時代。筆者と筆者の妹と女友達Aちゃんで、2カ月間ギリシャを旅した時のことだ。1カ月ほどギリシャの島を転々と巡っていた筆者達は、カナダ出身で1人旅をしていたマイケル(仮名)という男性と出会い、一緒に食事やビーチに行くようになった。

そして、ある日妹と筆者は博物館に、マイケルとAちゃんはビーチへ行きたいと言うので私たち4人は2グループに分かれて別行動をすることに。マイケルはいかにも人が良さそうだったし、1週間ほど行動を共にして彼が無害だと感じていたから心配していなかった。しかし……

ホテルへ戻るとAちゃんがいない。置き手紙を残して、Aちゃんはマイケルと消えたのだ。その置き手紙に書かれていたのは……


「しばらく彼と一緒に旅行することにしたから、〇日にパロス島の港の風車の下で待っておいて」


これを読んだ筆者と妹は大慌て。当時はスマホもSNSもLINEも存在していない時代で、Aちゃんの安否を確認する方法はない。どうしたものかと思案した結果、とりあえず自分の親に国際電話をかけて事情を説明し、Aちゃんの両親に連絡を取ってもらった

すると、娘を心配したAちゃんの親が日本大使館に問い合わせ、Aちゃんの居場所と安全を確認するために日本大使館が手を尽くす事態にまで発展。だが、そうまでしても彼女がどこで何をしているのか分からず……。

・待ち合わせ場所にも現れず

Aちゃんの安否は不明。その状態で、筆者と妹が出来ることはAちゃんに指定された日時&場所で待つことだけ。ところが……1日中待てど暮らせど、Aちゃんは自分で置き手紙に書いた待ち合わせ場所に現れなかったのである。

こうなると、“最悪の事態” も頭をよぎり始める。気が気ではなくなった我々は、Aちゃんと遭遇する可能性を考えて旅程を変更。日本に帰国するまで、パロス島に滞在することにした。その間、宿泊施設の呼び込みの人に「Aちゃんらしき日本人女子が泊まっていないか?」と聞き込みをしたが、成果はゼロ……。

・帰国の日

そうこうしている間に、帰国の日が迫ってきた。残された可能性は、帰りの空港のみ。もしそこで再会できなければ覚悟を決めなければならないと腹をくくって、筆者と妹は帰国の日にアテネ国際空港へ向かったのだ。そして空港のチェックイン行列に並んでいると……


悪びれた様子ゼロのAちゃんが現れたではないか!


「生きてて良かったー!!」と胸を撫で下ろした筆者と妹。しかし、信じられないことに彼女は一言も謝りもせず、マイケルとのラブラブ旅行をベラベラと自慢気に喋り出したのである。

このAちゃんの態度に、筆者と妹は「どんだけ心配したと思ってんだ!」とブっチ切れ!! 帰りの飛行機で一言も口をきかなかったのはもちろんのこと、帰国後の友達関係もジ・エンドに。

・事件の後

その後にAちゃんの両親から謝罪の電話があり、海外で友達をほっぽり出し、出会ったばかりの男と2人で旅行に出た娘を死ぬほど叱り飛ばしたと言っていた。勘当同然だったらしいが、それは当然の裁きだったと言えよう。

なにかと女の友情は面倒くさいと感じることはあるが、Aちゃんの事件以上に「女の友情はサランラップよりも薄い」という言葉を実感した出来ごとを筆者は他に知らない。

執筆:Nekolas
Photo:Rocketnews24.