2018年も残すところあとわずか。クリスマスを目前に控えた12月22日の深夜から23日にかけて、こぐま座からささやかな流星群のプレゼントだ。ヒュー、こぐまのヤツ、なかなか粋なことをしてくれるぜ!

この時期は、ほとんどの方がメチャクチャ忙しく過ごしていることだろう。そんな時期に嬉しい3連休&流星群。ここは気を抜いて、のんびり夜空を眺めてみてはいかがだろう。

・北極星

アストロアーツによると、ピークは23日の午前6時頃。観測としては23日未明から明け方がベスト。さすがに徹夜はキツイという場合は、22日深夜からの観測がお勧めだ。

こぐま座流星群の放射点は、その名のとおりこぐま座のそば。こぐま座で一番明るい星はポラリスといい、現在の北極星。日本全国どこにいてもとりあえず真北に見えるはず。

ただ一番明るいといっても、ポラリスはおおいぬ座のシリウスや、分かりやすいオリオン座ほど明るくない。有名な「北斗七星のひしゃくの先端を5倍くらい伸ばした先」という方法がベストだろう。

・こぐま座トリビア

ここで一つ、こぐま座について結構「マジで?」と言われる情報をお伝えしよう。先ほど「ポラリスは現在の北極星」と書いたが……そう、北極星は時代とともに変わってきているのである。

北極星には地球の自転軸を伸ばした先あたりにある星が選ばれる。そして地球の自転軸は、実は揺れ動いている……ッ! そのため数千年の間隔で北極星も変わるのだ。

ちなみに先代の北極星は、同じこぐま座のコカブという星。こぐま座も北斗七星を小さくしたようなひしゃく型をしているが、ちょうどその先端にあたる。また、こぐま座流星群の放射点も、このコカブのそばだ。

ひたすら空を眺めるだけというのも退屈だろう。折角だからクリスマスを前に家族や恋人などと「ごらん、あれがコカブ……3000年ほどまえの北極星さ」などど、暗闇でささやきあってみるとイイだろう。

・観測のコツ

今回のこぐま座流星群は、先週のふたご座流星群のように大量の流れ星が頻発するようなものではなく、やや控えめな落ち着いたもの。観測するには準備とコツがいる。

とはいってもそう難しいことではない。目を暗闇に慣らすのだ。人によって多少の差はあると思うが、暗闇に目が慣れるまでには思っているより結構時間がかかるもの。

国立天文台によると、目が慣れるまでは15分ほど待つのがいいそうだ。もちろんスマホなどもってのほか。街灯もできれば視界に入らないよう手で隠すなどするのがいいと思う。また月明かりも流星観測的には天敵。22日の夜はちょうど満月なため、月が出ていない方角を眺めるのが吉だ。

ということで、2018年最後のささやかな流星群。ちょうど3連休でしかもクリスマス直前ということなので、天候に恵まれた地域にお住まいの方は、暖かくして夜空を見上げてみよう。

参照元:アストロアーツ国立天文台
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.