どうやら私の胃の中にはピロリ菌というヤツがいるらしい。しかもだ。ピロリ菌のせいか、胃炎にまでなっているらしい。会社の健康診断で内視鏡検査を受け、そのように言われたのだから間違いないのだろう。

ピロリ菌──。なんとなく可愛い響きではあるが、実際は胃がんの原因にもなる菌なのだとか。「これは放置したらヤバいんじゃないのか!?」と思った私は、ピロリ菌を除去することにしたのだが……予想外の結果になった。以下で報告しよう。

・ピロリ菌の除去方法

ピロリ菌を何とかするため、ひとまず私は病院へ。本サイトでも何度か登場しているお茶の水循環器内科の五十嵐健祐院長に健康診断の結果を見せ、ピロリ菌の件を相談した。そして処方してもらったのが、『一次除菌セット』と呼ばれる複数の薬。

ピロリ菌の除去は、基本的に薬を7日間飲むだけらしい。思ったよりも簡単だ。しかも、私の場合は内視鏡検査で胃炎と診断されていたので、保険適応だった。保険のルール上、内視鏡検査をしていないと保険適応とならないという決まりらしい。安く済んでラッキーだったというのは置いておいて、治療の流れとしては以下の通り。


7日間決まった時間に薬を飲む → 4週間空ける → ピロリ菌が除去できているかチェック(※私の場合は呼気検査)


なお、先生によると「一次除菌セットでの除菌成功確率は92.6%と報告されています」とのこと(※日本ヘリコバクター学会『H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版』より)。それを聞いた私は「成功確率92.6%」という数字に完全に油断していのだが……! もうすでにお察しだろう。残りの7.4%に、私は当たってしまったのだ。

・失敗した結果

では一体なぜ除菌できなかったのだろうか? 原因を思い巡らせてみると、先生や薬剤師さんから「薬は12時間おきに飲んでください」と言われたにもかかわらず、私がうっかりして、何度か服用時間が数時間ズレてしまったことが思い当たる。それとも、私の胃の中にいるピロリ菌が無駄に強かったのだろうか? 

よく分からないが、正直なところ私はそれほど落ち込んでいない。なぜなら……! 一次除菌に失敗しても二次除菌があるのだから。

そう、ピロリ菌の場合、一次でダメなら二次があるのだ。なんて素晴らしい敗者復活システム! ちなみに、二次除菌セットは一次除菌セットの薬の内容を一部変更したもので、先生によれば「こちらの場合、除菌成功確率は98%と報告されている」らしい(※日本ヘリコバクター学会『H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版』より)」。

そう聞くと、「なぜ最初から二次除菌セットを使わなかったのか?」と思う人がいるかもしれないが、二次除菌セットを服用している1週間は、お酒が一切飲めなくなるそうだ。つまり、二次除菌セットの方が生活に支障があるので、まずは一次除菌セットで除菌をする流れになっていたもよう。

・二次除菌スタート

そんなわけで、私は二次除菌セットの薬を飲み始めたばかり。この結果どうなるかはまた追って報告するとして、とにかく私が言いたいのは、ピロリ菌のチェックはマジで簡単だということ。

私の場合は呼気検査で、息をフーフーと袋に吹いたら終わりだった。冒頭で、「内視鏡検査でピロリ菌の存在が分かった」と書いたが、実はピロリ菌がいるかどうかを検査するために、必ずしも内視鏡検査を受ける必要はなかったのである。

先生によると、ピロリ菌の検査には、ピロリ菌に感染しているかどうか調べる検査(感染診断)と、除菌治療後にちゃんと除菌できたかどうかを調べる検査(除菌判定)の2種類があるという。除菌判定は呼気検査や内視鏡検査でないといけないが、感染診断に関しては呼気検査でなくてもよいとのこと。採血検査、便検査、尿検査と何でもいいそうだ。

──と、ここまで読んでピロリ菌のことが気になった人は近くの病院で相談するのがいいかと思うが、最近は検診や人間ドックでピロリ菌の追加検査をできる場合があるというから、そちらで相談してみるものいいだろう。ただし、前述の通り内視鏡検査をしていないと自費になってしまうので注意してくれ!

協力:医療法人社団 お茶会お茶の水循環器内科
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼こちらが一次除菌セット。ちなみに、これらを服用している間、私の場合は不快感などの副作用を感じることは一切なかった

▼一次除菌セットを飲み終わり、呼気検査を受けた結果。ピロリ菌はまだいるっぽい。

▼飲み始めたばかりの二次除菌セット。結果は追って報告しよう!