2020年11月23日、一平ちゃんでお馴染みの明星が『乳酸菌が40,000,000,000個入ったキムチラーメン』の発売を開始した。コンビニの店頭で同商品を発見した私(P.K.サンジュン)が「いち、じゅう、ひゃく、せん……」と数えた結果、なんとその数字は400億──。あの “35億” をもはるかに凌ぐ「400億」である。

小耳にはさんだ噂話だと、数年前に発売を開始したロッテの「乳酸菌チョコレート」は予想に反してバカ売れしたというから『乳酸菌が40,000,000,000個入ったキムチラーメン』もワンチャンあるのではあるまいか? これは確かめてみるしかあるまい……。

・乳酸菌400億個入り

ヨーグルトやチーズ、漬物などに多く含まれているという乳酸菌。一般的には便通に効くイメージがあるが、実際のところはどうなのだろうか? 厚生労働省の「e-ヘルスネット」には以下のように記されている。一部を抜粋してご覧いただこう。


「乳酸菌は腸内で大腸菌など悪玉菌の繁殖を抑え、腸内菌のバランスをとる役割を果たしています。そして便通の改善だけではなく、コレステロールの低下や免疫力を高めがんを予防するなど、さまざまな働きがあると言われています。最近ではピロリ菌を排除するなど、特徴のある機能を持つ乳酸菌も研究されています」


……とまあ、体にはとても良さそうな感じはする。『乳酸菌が400億個入ったキムチラーメン』のパッケージには「1食でヨーグルト40個分の乳酸菌」と記されているから、1度の食事でエゲツない量の乳酸菌が摂れることだけは間違いなさそうだ。

・普通のラーメン……?

ただし、中身を見てみても『乳酸菌が400億個入ったキムチラーメン』は、一般的なインスタントラーメンとほぼ変わらない。麺の他には「かやく・粉末スープ・液体スープ」しか入っていないから、商品名を知らなければ誰も乳酸菌が400億個も入っているとは思わないハズだ。

マジでこれに乳酸菌が400億個も入っているのか……? 半信半疑で『乳酸菌が400億個入ったキムチラーメン』に熱湯を注ぎ、待つこと5分。後入れのスープを投入すれば『乳酸菌が400億個入ったキムチラーメン』の完成だ。


……が、ここでも乳酸菌感はゼロ──。


確かに乳酸菌は目に見えるものではないが、何というか「クリーミーな感じ」というか「発酵食品っぽさ」は皆無。強いて言うならキムチだけは乳酸菌を感じるが、それでも量的にはそれほどでもなく、キムチだけで400億の乳酸菌をまかなうことは不可能であろう。

気になるお味はというと、うむ……普通にウマいキムチラーメン……いや、キムチ味のインスタントラーメンである。中太麺にはスープがよく絡まり、そのスープは辛いというよりはピリ辛程度。ビックリするほどウマいかと言われればそうとは言えないが、インスタントのキムチラーメンとしてはなかなかのクオリティではなかろうか?

・驚きの行動に

さて、とりあえず麺を食べ切ってみたが、この段階でも乳酸菌はほぼ感じない。「なんだコレ……」と思いきや、自分でも驚きの行動に出ていた。気付けば、普段は飲まないスープを飲み干していたのである。

ケチをつけるワケではないが、どこまで行っても味自体は感動するレベルには到達していない。……が「これ1杯に10億クラスの乳酸菌が入っている」と思うと、スプーンを持つ手は止まらなかった。罪悪感がないどころか、むしろ「体にイイことをしている」と思えてくるから不思議だ。

当然、『乳酸菌が400億個入ったキムチラーメン』を食べてれば健康的に問題なし、という話ではないが、いつものカップラーメンとは違う気分で食べられたことは事実である。まあ「ヤクルト400を1本飲めば済むんだけどね」という話はさておき、意外とロングセラーになる可能性を秘めた商品だと感じた次第だ。

というわけで、味的に「最高!」とは言わないが「乳酸菌が400億個も入っているという事実」だけで、一般的なカップラーメンにはない価値を提供してきたこの商品。「乳酸菌が40,000,000,000個入ったキムチラーメン」 はメーカー希望小売価格税別230円で発売中だ。

参照元:明星公式サイト厚生労働省「e-ヘルスネット」
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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