日本でも話題のハリウッド映画が続々と公開されているが、今までの作品はメインキャストのほとんどを白人俳優が占めることが多かった。

しかし最近では大きな変化が起こりつつあり、なんとメインキャストがアジア系俳優で構成された映画『クレイジー・リッチ!』が製作され、全米でブっち切りのナンバーワンになっているというのだ! 日本でも2018年9月に公開される予定で、かなりのヒットになりそうな勢いなので紹介することにしたい。

・『クレイジー・リッチ!』ってどんな映画!?

本作は、ケヴィン・クアンの小説『クレイジー・リッチ・アジアンズ』の映画化で、著者であるクアンの実体験がもとになっている作品だ。

一般人の主人公レイチェル・チューが、恋人ニックの家族に会いにシンガポールへ行くことになるのだが、なんと彼は “神よりもリッチ” だと言われるほどの名家の御曹司だったのである!

慣れない贅を尽くしたライフスタイルにアタフタするレイチェルは、イケメンで大金持ちのニックを巡る恋のバトルに巻き込まれ、そのうえニックの母エレノアにイビられまくってしまう。果たしてレイチェルは格差を乗り越え、ハッピーエンドを迎えることが出来るのか……というロマンチック・コメディだ。

・第2の『ブラックパンサー』に!?

米サイトVARIETYによると、本作は全米で2018年8月7日に公開され、オープニング5日間の興行成績で3500万ドル(約380億円)を叩き出し、ブっち切りのナンバーワンを独走!

これは、メインキャストがアジア系俳優で占められた映画としては異例のこと。驚くべきことにカンフー以外の現代を舞台にした作品で、アジア系俳優で構成された映画が全米で興行的に成功を収めたのは、なんと1993年に公開された『ジョイ・ラック・クラブ』以来、実に25年ぶりになるというのだ。

『クレイジー・リッチ!』が、ほぼアフリカ系俳優の出演で製作され、大大大ヒットを放ったアメコミ・アクション映画『ブラックパンサー』と比較されるのもうなずける。

・ハリウッドに吹き荒れる「ダイバーシティ」の風

とにかく、今までハリウッドにおけるアジア系俳優の立場は本当に低かった。カンフー映画や侍が登場する作品では必要とされても、現代を舞台にした作品ではお供え物的な扱いが多く、すぐに殺されるのはアジア人俳優が演じる役……という感じであった。

だが最近ハリウッドでは、登場人物に多様性をもたせようという “ダイバーシティ” の風が吹き荒れ、革命が起こっているといっても過言ではない。その背景には、今まで白人男性が多く占めていた監督&プロデューサーに、アフリカ系をはじめとする有色人種のクリエイターや、女性が増えてきたことも関係あるのではないかと思う。

・映画スタジオは白人女優を起用したがっていた!

もちろんアジア系も例外ではなく、『クレイジー・リッチ!』でメガホンを取っているのはアジア系のジョン・M・チュウ監督だ。

ちなみに、当初製作スタジオのワーナー・ブラザーズは、本作の主人公にアジア系ではなく白人女優を起用したがっていたがチュウ監督が反対の意を示し、アジア系のコンスタンス・ウーが抜擢されたとの話もある。

そして、『クレイジー・リッチ!』は作品としての評価も高く、最高に楽しめるロマコメ映画としてイチオシされていることも付け加えておきたい。女子同士で行ってもよいし、デートにもピッタリな映画ではないだろうか。日本では、2018年9月28日(金)より公開となるので要チェックだ!

参照元:YouTubeVARIETYIMDb(英語)
執筆:Nekolas
Photo:(c) 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT

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