『オウムアムア』という不思議な名前の天体について、聞き覚えのある方はどれくらいいるだろうか。2017年にハワイの望遠鏡によって発見されたオウムアムアは、観測史上初となる太陽系外から飛来したと考えられている。

発見当初は、特徴的な葉巻型の形状から「宇宙人のUFOだ!」的な声で賑わったりもしたが、現在の技術だと詳しいことは分からずじまい。そんなオウムアムアについて、海外サイト『Reddit』でNASAの研究チームがネット民からの質問を受け付けていた。そこで行われた質疑応答の中から、思わずクスっとくるものなど5つを厳選したのでお伝えしたい!

Q1:どうしてオウムアムアって名前にしたの?

NASA:以前はA / 2017 U1って名前だったんだけど、呼びにくいからSF小説『宇宙のランデヴー』にならって、ラーマって呼んでたんだ。でもしっくり来ないから、発見したハワイの研究チームにちなんでハワイの言葉で「斥候」や「メッセンジャー」を意味するオウムアムアと名づけることにしたんだ。

Q2:本当にちゃんとオウムアムアって呼んでるの?

NASA:呼んでるよ! でも文字に書き起こす時は最初だけオウムアムアって読んで、あとはコードネームの1Iに略してるよ。楽だからね!

Q3:オウムアムアみたいに地球に近づいてくる天体って、核ミサイルで打ち落とせる?

NASA:NASAの惑星防衛調整局(PDCO)がFAQを公開しているから、それを見てね!


ということでPDCOを確認してみると……Oh……マジかよ。そこには以下のような記述があった。


現在のいかなる武器をもってしても、衝突の直前や、もしくは数時間前に打ち落とすことはできません。平均して約19km / 秒という接近速度に対処できないのです。


Q4:ネット上に「NASAのネット速度は92テラバイト」って都市伝説があるけどマジ?

NASA:全ての部署について知ってるわけじゃないけど、とりあえず今いる部屋のWi-Fiは50MB / sだよ。飛ばした宇宙船とやり取りする際の回線速度と比べたらかなり快適さ。

Q5:結局オウムアムアって食パン何切れ分のデカさなの!? 白い食パンと茶色い食パンで変わったりする?

NASA:オーケー。ジャーナリストから転向してNASAのメディア部門に入った私が数学を披露する時が来たみたい。光度曲線(天体のことがいろいろ分かるグラフ)によると、オウムアムアは細長い形状をしているよ。これを球体に置き換えると、大体半径104mくらいだから、体積は4711815.32立方メートルだね!

そして食パン1切れを辺が4.5インチ(11.43cm)の正方形で、厚さは0.5インチ(1.27cm)だとすると、その体積は0.000169591902立方メートル! あとはオウムアムアの体積を食パン1切れの体積で割れば……だいたい食パン280億枚分のサイズ! 食パンは白でも茶色でも関係ないかな。でも密度の問題となると……この計算は他の誰かに任せた!


ちなみにオウムアムアの食パン換算が気になって仕方なかったため、実際に測ってみたら本当にほぼほぼ4.5インチだった。ここでもNASAの凄みを感じずにはいられなかった。

参照元:Reddit、Twitter @NASAJPLNASA惑星防衛調整局(英語)
執筆:江川資具

▼本当に約4.5インチというところにNASAの凄みを感じる……


▼NASAの研究チームがネット上で質問を受け付け!