日本ポップカルチャーの代表格ともいえるアニメ。そんなアニメはお隣・中国でも大人気! コスプレ、「萌え」や「腐女子」などの用語なども現地に輸入され、サブカル文化として定着している。若い世代と、驚くほどアニメの話が盛り上がるのを経験した人も多いのではないだろうか。

そんな中国で、看過できない商品が発見されたので報告したい。その名は『nijigen二次元』。コーヒー牛乳の商品名なのだが、我々の想像をはるかに超える痛々しさ! 愛さえ感じる出来なのである。

・中国で痛コーヒー牛乳を発見

『二次元』を発見したのは、中国上海のコンビニだ。『二次元』と書いて「nijigen(にじげん)」と読む。中国語読みの「アルツーユエン」ではなく日本語で「にじげん」である。

手にとってみると……何ぞこれ!? 日本風のアニメ絵なのだ。桜の花をバックに、2次元な女子と2次元な男子が、「……キュン」的な表情をしてたたずんでいる。こう見えて、中身はコーヒー牛乳。

わりと新商品で店頭にズラリと並んでおり、店員のオッサン(推定50)もナチュラルにガブ飲みしていたが、言うまでもなく異彩を放っていた。

・いろいろと痛々しい

パッケージによると、『二次元』では女子高生の醇(ジュン)と、憧れの先輩・哥伦(コロン)の純愛物語が展開されるという。勘のいい方はお察しのことだろう。この2人はコーヒーと牛乳の擬人化だ。

2人が結ばれてコーヒー牛乳になるまでが描かれるようなのだが、実際に瓶に書かれたストーリーを見てみると……

「ー出会いー

桜が少しずつ花開き、春の温かな潮風を受ける頃。

ジュンは街を歩きながら、自分があの薄ピンクの花びらになったような気分にひたっていた。

「あ、あれはコロン先輩? クールでカッコいい!」
「私は、2次元部の部長よ、何とか先輩に入ってもらえないかしら」
「先輩は私に気づいてくれるかな?」

それが牛乳とコーヒーの出会いだった……続く」

──ドッキーンッ!!!! 何やこれ!? 2次元部って何!? 痛さを通り越し、甘酸っぱさを飛び越え、ムズがゆささえ感じるぞ!

おそらくジュンが牛乳。中国語の「醇」には「混じりけがない」という意味があり、たまに成分無調整乳の商品名で見られる漢字だ。コロンはコーヒーで有名な「コロンビア(哥伦比亚)」と漢字が同じ。きっと彼がコーヒーに違いない。

そんな2人のストーリーを描いたCM動画も発見したが、こちらもすごかった。「あなたに会いたい。二次元」「二次元。あんなにも遠く、そしてこんなにも近い」……ああよくわかってらっしゃるなぁという出来である。

・中国社会に2次元があふれだす

見た目と設定のパンチ力に圧倒されてしまったが、肝心の味はどうなのだろう。ピンク床屋から中華ガジェットまで、政治以外のありとあらゆる中国を眺める「中国 “赤ふん” 保存協会会長」のショーロンポー・アツイ氏によると

「普通のコーヒー牛乳でした。コーヒーの香ばしさ薫るカフェオレではなく、銭湯とかにある “日本のコーヒー牛乳”。そういう意味では、外側だけでなく中身も日本風だと言えますね」

……とのことだった。

こちらの商品を開発したのは中国の老舗乳製品メーカーの『光明』だ。日本のアニメに親しんで育った2000年代生まれの若者をターゲットにした商品であるそう。

SNSでの反応を見ると、「光明やるな~!」「続きが気になる!!」「コロン先輩イケメンすぎィ!!」「『秒速5センチメートル』みたい! 好き!!」などという感想のほか、さっそく二次創作に取り組んでいるユーザーもいた。若者のハートに、直球ストライクをかましたようである。

なかなかの勢いで、中国社会にあふれだす2次元。なんだか日本と別ベクトルに進もうとしている予感さえする。ジュンとコロンの物語の続きと同様、気になるところだ。

参考リンク:Sina Weibo @一刻talks中国食品報(中国語)
Report:沢井メグ
協力:ショーロンポー・アツイ
Photo:Rocketnews24.

▼中国の痛コーヒー牛乳『nijigen二次元』

▼女子高生のジュンと

▼憧れの先輩・コロンの純愛物語らしい

▼なんでも、わざわざ日本人イラストレーターにキャラクターデザインを依頼したのだとか! ここも売りポイントであるもよう

▼こちらが動画バージョン。カックンカックン動くところに、中国らしさを感じる