2014年頃だろうか、中国人の「爆買い」が日本で大ブーム! 根こそぎ買われるものと言えば、炊飯器、魔法瓶、そして便座であった。日本のウォシュレットは神と崇められるレベルで、お金持ちから大人気。空港でも、ウォシュレットつきの便座がズラリと売られていたものである。

そして、爆買いが下火になった2017年……今度は、欧米で中国の便座が爆売れしているらしい。

・中国の便座カバーが個性的

そんな欧米で大人気という便座は、中国内陸部の貴州省の企業「TOP SEAT(思特)」の商品だ。中国サイト「捜狐」によると、TOP SEATの本社は貴州にあるものの、中国国内向けには生産していないそう。外国向けのみで、販売は米国の子会社が一手に引き受けているという。

そんな背景を持つ便座の画像を見てみると……確かにこれは他にはない!

便座というと真っ白なものを想像するが、TOP SEATの便座はその概念を思いっきりひっくり返している。まず色! 「どうしたの!?」と聞きたくなるくらい、カラフル。そして色とりどりの背景には、繊細で美しい絵が描かれいるのだ。

さらに竹など、貴州ならではの素材で作られているのも人気の秘密であるそう。

・Amazonで高評価の嵐

そんなTopseatの便座は、Amazonで40ドル前後(約4500円)で販売されている。評価を見てみると、軒並み星4つ! レビューも高評価の嵐だ。

「すばらしい商品だよ!」
「漆黒の便座なんて初めてだ。うちのバスルームが、ナイスでラグジュアリーな空間になったよ」
「芸術性もデザイン性も高くて気に入った。使った感じもなかなかいいよ」
「取り付けも簡単で良かった!」

などなど! 中国報道によると、毎年200万台輸出されており、特にドイツとスイスで売れているそうだ。

・アニメーション機能もあった

いやいや、オリエンタル素材の便座に、オリエンタルな絵を描いただけでしょ? 

中国でも「ウォシュレットの技術と比べるのはどうか」という声もあったが、この便座にも現代的な技術が使われているらしい。なんとアニメーション機能つきの商品もあるというのだ。

そのコンセプト映像といわれる動画「Magic Motion Toilet Seat, Good Morning」を見てみると……

──お母さん、便座が宇宙で、宇宙が便座……太陽まで昇ってたわ。

想像してみよう。誰かの家でトイレを借りたとき、突然、便座の上で動画が上映されたときのことを。これはビックリするぞ!

・尻の汚れは取れないが

ハッキリ言って、便座に絵が描かれていたところで、動画が流れたところで、何の得もない。イイ香りもしなければ、尻の汚れも落ちないだろう。

だが、よく考えてみたい。人とつながることを余儀なくされる現代において、トイレは、唯一、外界から隔離される場所だ。己を見つめなおせる場所とも言える。トイレとは、誰にも邪魔されず、清潔で、ホッとできる場所でなければならないのだ。

清潔なトイレが当たり前となり、ウォシュレットも珍しくない今、TOP SEAT プレゼンツの驚きは新時代の「ホッとできるトイレ空間」のヒントなのかも。だからこそ爆売れしているの……かもしれない。

参照元:捜狐新浪新聞香港01ET Today(中国語)、TOP SEATAmazonMail Online(英語)
執筆:沢井メグ

▼TOP SEATの紹介動画

▼あらオシャレ

▼こんな風にアニメーションが流れるシリーズもあるそうだ

▼マジかよ

▼誰得だよ

▼でもちょっとイイかも……