中国で毎日のように放送される「抗日ドラマ」。戦時下に、中国共産党や軍が旧日本軍に抵抗し民衆を守るというものだ。共産党の正当性をアピールするため……というが最近ではほぼネタ化。ときに史実や物理法則さえも無視する演出に「抗日ファンタジー」と揶揄(やゆ)されることもある。

そんな抗日ファンタジー史に、またひとつ強烈な1ページが加わってしまった。なんと劇中でスパイのリストが登場するシーンがあるのだが、それがみーんな日本のセクシー女優! 現代日本のセクシー女優が抗日ドラマに “出演” してしまったというのだ。

・抗日ドラマに日本のセクシー女優

セクシー女優の名が “出演” してしまったのは、2016年に公開された抗日映画『百家拳之津門八卦挙』だ。台湾メディア『中時電子報』によると、

「劇中で主人公サイドが日本人通信員を殺害、その際にある冊子を入手する。そこには、なんとスパイの名前が書かれていた」

というシーンだという。表紙に「パスワードの本」とデカデカと書かれた冊子。いやいやいや! 戦中に「パスワード」というカタカナも違和感だし、そもそも「パスワード」の「ー」の文字がそこはかとなくおかしい。

さて気を取り直してスパイのリストを見ると……

・西野翔
・小川あさ美
・かすみ里穂
・かすみりさ
・プルカワ

これは!? まず上の4人! 4人は日本のセクシー女優だ。そして謎の「プルカワ」という文字列。長らく謎とされてきたが、調査によりこれもセクシー女優・瑠川リナさんのことだろうという結論に達した。彼女はあるバラエティ番組で “プルカワ” というキャラを演じていたのだ。アイヤー、なんとレベルが高い!

・5人には共通点があった

このトンデモ演出は話題となり、各方面からツッコミが入りまくっている。なぜこんなことになったのか。有力視されているのが「日本語を読めない人が、用意しちゃったのではないか」という説だ。可能性はある。

──しかし、それにしてはあまりにも出来過ぎた話ではないだろうか。

見識の広いあなたならお気づきだろう。全員、セクシー女優グループ『恵比寿マスカッツ』の歴代メンバー! さらに5人共「潜入捜査官モノ」に出演しているのだ。

スパイと言えば潜入 → 潜入といえば捜査官 → 捜査官……捜査官モノ……なるほど、そういうことなのか!?

・諸葛亮孔明の謎

偶然にしてはできすぎている。何らかの意図が介在してはいないか。中国でも、彼女らの名前は見る人が見ればわかるものだ。誰かからのメッセージ性さえ感じはしないだろうか。

なお、同じメモに「しょかつりょう」という文字もチラっと写っている。これは「三国志の諸葛亮孔明のことだろう」とほとんど話題に上っていないが、ここにひとつ可能性を示しておきたい。

もし、もしだ。お色気アニメ『一騎当千』の諸葛亮孔明だとしたら……このメモを作ったのは、日本語を知らないどころか、日本の映像文化に対し大変深い造詣を持っている人物だと言えるだろう。

参照元:中時電子報新浪新聞(中国語)、Twitter @ebisu_muscats_2
執筆:沢井メグ
illustration:Rocketnews24.

▼コチラが問題のシーン。台湾の漫画家・韋宗成さんも思わず反応だ