洗練された美しい線と構図……普段、私たちが読むマンガは商品として完成されているのが当たり前だ。逆に言うと、プロがどういった過程を経て、そのクオリティーの絵を作っているかというのはなかなか見る機会がない。
現在、そんな過程を赤裸々に説明したTwitterの投稿が話題となっている。下書きから「マンガができるまで」をツイートしているのは、なんと『はじめの一歩』の森川ジョージ先生! 下書きの状態ですでに臨場感が半端じゃねェェェエエエ!!
・男子を熱くするマンガ
1回でいいからジャブで風切り音を響かせてみたい。相手のパンチを見切って寸止めしてみたい! 私たち男子にそんなボクサーのカッコ良さを教えてくれるマンガが『はじめの一歩』だ。
スピード感と臨場感にあふれる試合の描写は、ボクシングという昔ながらのスポーツを描いているにもかかわらず極めて現代的。そんなシーンの数々はいかにして作られているのか? さっそく、森川ジョージ先生がTwitterに投稿した内容を見てみると……
下書きから超ウメェェェエエエ! 下書きなので線は粗々しいが、私たちも使い慣れている鉛筆での絵だけに、そのウマさがダイレクトに伝わってくる。
・ツイートを重ねるごとにプロの絵へ
「漫画上手い方ではないので『こうすればいい』というものではないです」としながらも、効果音のつけ方やペン入れを丁寧に説明する森川先生。ツイートを重ねるごとに、どんどんプロの絵へと変化していく。スゲーーーーーー!
・ネットの声
なお、これに対してネット民からも以下のような声があがっていた。
「躍動感がすごい」
「迫力が凄い…」
「感動しました」
「鳥肌がっ!!」
「今週の原稿だ……」
──さすがに、連載1000回を超える大御所作家である。ネット民たちもそのプロの技に痺れているようだ。しかも、本ツイートで例に使われているページは今週のマガジンに掲載された回。ファンにとっても嬉しい投稿だったに違いない。
参照元:Twitter @WANPOWANWAN
執筆:中澤星児
▼『はじめの一歩』ができるまで
《原稿のできるまで①》
興味のある方だけご覧下さい。
漫画上手い方ではないので「こうすればいい」というものではないです。漫画描こうとして悩んでいる方の参考に少しでもなれば幸いです。僕の場合、下書きに青い補助線がたくさん入ります。この原稿は少ない方です。 pic.twitter.com/AufwMBXzhV— 森川ジョージ (@WANPOWANWAN) July 26, 2017
《原稿のできるまで②》
描き文字は初めに音源を決めて青で放射線を引いて描きます。こうすると、どこから音が出ているかわかるし、描き文字が集中線の役割も担ってくれて見やすくなる気がします。 pic.twitter.com/3WcU8p7q9a— 森川ジョージ (@WANPOWANWAN) July 26, 2017
《原稿のできるまで③》
この喚声などもその一例です。 pic.twitter.com/uzgBnXWbQZ— 森川ジョージ (@WANPOWANWAN) July 26, 2017
《原稿のできるまで④》
ペン入れです。一歩の髪の毛は筆ペンをペタペタ置いていく感じです。人物の線はGペンで、描き文字や細い無機質の線は日本字ペンを使います。日本字ペンでかすれる線をしゃしゃしゃと引くのはしげの秀一さんからパクりました。最近丸ペンも使うようになり研究中です。 pic.twitter.com/FeApQgv1ng— 森川ジョージ (@WANPOWANWAN) July 26, 2017
《原稿のできるまで⑤》
④までが僕の仕事で写真にある実線は全て僕のものです。このあとスタッフさんに頭を下げて背景を描いていただき、仕上げをしていただきます。僕の頭の中のイメージをぶつけられるので作業としては僕より大変だと思います。で、汗のようなホワイト飛ばして完成です。 pic.twitter.com/JAXZ3bZmg6— 森川ジョージ (@WANPOWANWAN) July 26, 2017
《原稿のできるまで、番外》
下書きはこんな感じです。ぐちゃぐちゃでしょうか、すっきりしているでしょうか、自分ではよくわかりません。ただペン入れして線をまとめて、さらに消しゴムをかけると、毎回「下書きの方が迫力あったなあ」と思います。訓練が足りません。 pic.twitter.com/bRrPKcLryM— 森川ジョージ (@WANPOWANWAN) July 26, 2017