同志よ。よくぞ記事を開いてくれた。この記事を読んでいるということは、君も薄毛、またはハゲに悩んでいるということだろう。大丈夫、私(羽鳥)もだ。

「全然ハゲてないじゃないですかぁ」なんてよく言われるが、ざまあみろだ。日々、涙ぐましい努力をしつつ、カネもかけつつ、さらにハゲに見えないような工夫もしているからこそ、そう見えないのである。よって内心「しめしめ」と思っている。

しかしそれと同時に、この戦い、いつまで続くのか……とも思っている。だが先日、ひとつ大きな希望が見えてきた。ゆえに、同士の諸君たちにご報告しておきたい。

・飲む治療薬でフサフサになる!?

単刀直入に言おう。「飲む薬でハゲが治るかもしれない」と耳にしたので、ちょっくらアキバにあるクリニックを見学しに行ってみた。そしたらマジでヤバかった……。こんな技術があるのなら、いつ本格的にハゲても……いつだって復活できる!! そう思ったのである。

見学に同行したのは、我が心の友にしてかつての宿敵、頭頂部の薄毛に悩む「耕平(こうへい)」である。待ち合わせ場所に現れた耕平もまた、パッと見だとハゲに見えない。さすが耕平、工夫しているのだ。しかし写真を撮ると思い切りハゲている。

・ちょっとヒルズでビジネスしてきます感

秋葉原のど真ん中にたたずむ「ちゃんとした商業ビル」の9階に、噂のフサフサ製造施設『AGAヘアクリニック』はあった。フロントからして超オシャレで、キレイなお姉さんが出迎えてくれた。なんというか……ヒルズ感。ちょっとヒルズでビジネスしてきます……と見せかけておいて「実はハゲの治療」なんて表現がふさわしい。

ズンズンと廊下を進み、診察室……というか、カウセリング室に通される。この間、受付嬢にしか顔を見られていない。なんでも完全個室制で、43部屋も用意されているのだとか。デカい……デカいぞ……ここは想像以上にデカい「ハゲ復活施設」なのだ。

しばらくすると、カウンセラーが「おしぼり」を持ってやってくる。耕平はゴシゴシと汗びっしょりの顔を拭いたが、汗ばんだ頭頂部を拭くことはしなかった。

それはどうでもいいとして、ここからはパソコン画面を使ってのカウンセリング。そもそも「なぜハゲるのか?」についての説明や、聞きなれない「AGA治療」の説明、ほぼ無いに等しいが一応「副作用」の説明などした後、画面に表示されたのは──

実際に、このクリニックに通っているチャレンジャー(挑戦者)たちの……

段階ごとの「ビフォー・アフター写真」という名の……

サクセス・ストーリーだった……!!

その写真は、我々にとって、あまりにも衝撃的だった。もちろん人によって効果が変わってくることは知っている。だが、あまりにも「ウソだろ!!」ってくらいにフサフサになっていたのだ! 「飲むハゲ治療薬」ってのは、ここまで進んでいたのか……!!

・最安だと月々5500円で現状キープ可能

使った治療薬と、かかった金額も書いてある。たとえば月々5500円の「フィナステリド内服薬」は「維持」が目的。ハゲ軍の進行をストップさせようとする薬である。今の状態をキープさせるための薬、いわば「守(まもり)」の薬というわけだ。

対して月々1万円の「ミノキシジル内服薬」は、攻守で言うなら「攻(せめ)」となる「増毛」が目的。それにあわせて、頭皮につけるパターンの「外用液」を使えばダブルの攻めとなり、先述のビフォー・アフター写真のようになるのだという。

数々のビフォー・アフター写真を見せてもらったが、だいたい皆さんは8000円の内服薬(守)+1万円の内服薬(攻)+1万3000円の外用液(攻)、攻めても3万1000円で成果を出していた。思ったよりも安い。現状キープなら、月々5500円で済んでしまうことにもなる。どのように攻撃を組み立てるのかは、自軍の監督であるあなた次第だ。

で、薬を決めたら、カウンセラーに代わって先生の登場となる。このまま個室内で頭皮のチェック、血液検査……など医学的な工程が終わると、もうお薬処方の段取りとなる。んで、んで、この処方されるオクスリがまた、オシャレでビックラこいたのだ!

なにこれ? 高級デパートで売ってる化粧品かしら……ってくらいにオシャレなパッケージ&外袋。まさか中身がハゲ薬だとは、おそらく誰も思うまい。特にビックリしたのが、内服液のパッケージ。これは……まるで……「ちょっと口臭用のアレをパックンチョしまーす」的なオシャレ感。これならカバンに忍ばせておいても全然OKだ!

すべての診察が終わり、さっそうとクリニックをあとにする耕平。その後ろ姿は、どう見てもヒルズに勤めるビジネスマンだった。しかし、後頭部はハゲている。

エレベーターの中で耕平を見ると、明らかに「AGA治療をやりたい顔」をしていた。そんな気持ちを察した私は、辛いけど「耕平さん……AGA治療、やっちゃダメだよ」と釘をさした。彼は無言でコクリと頷き、「……わかってますよ」と微笑んだ。

ハゲが縁で知り合えた薄毛の我々、そんな裏切りは許されない。もしも彼がAGA治療を実践したら、フサフサになっちまうかもしれない。そしたらもう……こうして一緒に「薄毛の取材」ができなくなるからだ。耕平の薄毛と、彼との友情は、永遠であってほしい。

参考リンク:AGAヘアクリニック
Report:GO羽鳥耕平
Photo:RocketNews24.

※効果には個人差があります