【実録】私はこうして突撃ハゲアタックされました(その3)
羽鳥「すでに弁護士にも相談しているんですが、どうしますか?」
「無断転載」「弁護士」……その2つのワードだけで、私は今置かれている状況を悟った。おそらく、やってはいけないことをやってしまったんだろう。身内の家にも突撃されていることから、完全に “逃げられない状況” であることを認識した。
耕平「とにかく話をしましょう。羽鳥さんはお一人ですか?」
羽鳥「いや、私の同僚で Yoshio という者も一緒です。もし話を聞かせてもらえるなら、このまま船橋でお待ちしていますので、何時頃にお帰りになりますか?」
自分はともかく、これ以上、身内に迷惑はかけられない……。とにかく場所を移そう。そう考えた私は羽鳥氏に交渉を持ちかける。
耕平「いや、羽鳥さんは都内にお勤めですか? 私は都内に勤めてますので、会社の近くまで伺わせていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか?」
羽鳥「それなら私のオフィスが新宿二丁目と三丁目の間なので、新宿三丁目駅のC8出口で20時に待ち合わせしましょう!」
──ん? 新宿二丁目……
耕平「かしこまりました……そ、それでは……20時に伺います……」
二丁目というキーワードに必要以上に反応してしまった私は動揺を隠しきれないまま、会話は一旦、ここで終了した。
・強大な媒体を敵に回してしまった
その後、まだ知らぬロケットニュース24について調べようと、会社のトイレの中で妹から送られたURLと「ロケットニュース 羽鳥」というキーワードで検索した結果……衝撃の事実が突きつけられる。
「こ、これは……」
さっき話した一連のことが、すでに記事になっているではないか! しかも「前編」 、「中編」 、そして、それぞれの記事の予告編のような、本格的な動画まで公開されている。
なんなんだこれは……。何なんだこれは。何なんだこれは! 私の全く知らないところで、すでに全国的な人気企画として稼働している!!
私はとんでもない人間を相手にしてしまった……。これから先、どうなるんだろう……。示談金? 書類送検? 前科? 一家離散? そんなネガティブワードの数々が頭の中から離れず、当然、その日は仕事も手につかず、そこから待ち合わせまでの記憶もほとんどない。
・そして運命の初対面
待ち合わせ時間の20分前に新宿三丁目駅に到着。ジッとしていられず、出口近くのコンビニの中から、ネットで見た羽鳥氏の様子を伺う。しかし羽鳥氏と思われる人物は5分前になっても、一向に現れない。
「おかしい……騙されたのか?」と疑問を抱きつつ、外をウロウロしていると、もう一つの大きめな駅の出口を発見! どうやら私はC8出口ではなく、隣のC7出口に降りてしまっていたらしい。そのくらい動揺していた。
そしてC8出口に到着し、運命の初対面。そこにはあからさまに、私が無断使用してしまった “ハゲメガネの男” の画像を拡大してプレートにしたGO羽鳥氏とYoshio氏が立ちはだかっていた。
耕平「羽鳥さんですか?」
羽鳥「もしかして耕平さんですか?」
耕平「この度は本当に申し訳ありませんでした!」
今、自分にできることは頭を下げることしかない! そんな思いで開口一番、謝罪しようと思っていた私は、とにかく必死に頭を下げまくった。
ところが意外にも羽鳥氏、Yoshio氏ともに表情は柔らかく、「なんか、すみませんね。わざわざご足労いただいて……」と明るい表情で私を迎えてくれた。
・これは罠だ……
私は疑念を払拭することができなかった。連行された場所は新宿三丁目と二丁目の間にあるオフィス。そこにたどり着くまでは、二丁目特有のあの文化がところどころに見受けられ、オフィスが入っているビルのちょっぴりレトロで怪しげな雰囲気の入り口が、私の疑念に一層の不安をもたらした。
この後、地獄の尋問が待っている……。私は『ロケットニュース24』という日本でもトップクラスのネット媒体で、全国的に公開処刑されるのだろう。しかし、もうここまで来たらなるようになるしかない。洗いざらい正直に話そう! さらば妻子よ! 友人よ! そして会社よ! そんな覚悟や思いがオフィスに向かうエレベーターの中で錯綜した。感動のラストは次ページ(その4)へGO!
Report:耕平
Photo:RocketNews24.