【本人降臨】俳優ビル・マーレイがネット上で「何でも聞いてね」と質問を受け付け! Q&A 32選がこれだ!! 「日本での変な体験談は?」など

Q21:私の彼氏は、あなたのタトゥーを足に入れるくらいの熱烈なファンです。いつかあなたに会ってみたいです! どうやったらあなたに会うことが出来ますか?
A21:僕の顔が、君の彼氏の足に刻まれているんだよね? なら、そのタトゥーに挨拶すれば僕に会えるよね。でも僕にソックリなタトゥーにするには、よく彫られていなくちゃいけない。彼があまり痛い思いをしなかったならいいけど。

Q22:これまでの出演作の中で、お気に入りはありますか?
A22:どの “子ども” も、平等に扱わなくちゃいけないんだけどな。人々が細かいことを気にしなかったから、初期作品は楽しかったな。映画『おつむて・ん・て・ん・クリニック(What About Bob?)』はとっても楽しかった。

バージニア州のスミス・マウンテンの湖に行ったんだけど、休みの日には大騒ぎしたよ。MC ハマーのコンサートがたまたま開かれていたから、バスをチャーターして55人を引き連れていったら「何人連れてきたんだよ」ってビックリしていたな。

あと『ブロークン・フラワーズ』は最高の作品だった。あの作品を撮り終えたとき、自分の役者人生は一度終わったんだ。今では第二の役者人生として、ウェス・アンダーソンやソフィア・コッポラなどの監督と仕事をするようになった。一度役者を辞めた後、何か他のことができると思ったんだけど、特に何も起こらなかったな。

▼『ブロークン・フラワーズ』の予告編

Q23:これまで会った人の中で、一番の話し上手は誰でしたか?
A23:まずジム・ダウニーだ。彼のマシンガンのようなおしゃべりを聞いているのが大好きなんだ。もうずーっと話しっぱなしだよ。延々と続く。面白いやつだしね。彼は留守電にすら11分ものメッセージを残すんだよ。

あとジャーナリストで作家のハンター・S・トンプソンも、“その時” を生きている男だった。まあ自分が執筆している面白い話はあまりしてくれなかったけどね。それを本に書いて生計を立てていたんだから、当たり前のことだ。

Q24:これまでで最高だったパーティってありますか?
A24:70年代に製作された映画『トミー』の上演初日に行われたパーティに忍び込んだことがあるよ。地下鉄の駅を貸し切って行われたそのパーティに、僕はギルダ・ラドナー、ジョン・ベルーシ、ハロルド・ライミス、ジョー・フラハティ、ブライアン・ドイル=マーレイ、とそれぞれの恋人と参加したんだ。

当時は、ニューヨークシティで行われた中でも、最大規模のパーティだった。でも限られた人しか参加することが出来なかったんだ。大盛り上がりだったよ。もう参加者が豪華すぎて、自分たちとレベルが違うと痛感したものさ。素晴らしすぎて、人から嫌なことを言われても、慈悲の心で受けとめられたよ。アンディ・ウォーホルに「あなたのスープ缶が大好きです」って声をかけたら、「お前の来るような所じゃない」って感じで見られたっけ。

Q25:「世界三大喜劇王」のバスター・キートンとチャーリー・チャップリン。どっち派ですか?
A25:僕はバスター・キートン派だ。彼は体を張った、身体的なコメディなんだ。チャップリンだって、とても美しく、素晴らしい。でもキートンの表現方法はとてつもなく危険だった。チャップリンがロマンチックで、いたずらな世界を表現したのに対して、キートンの目は情熱で燃え上がっていたね。

だからと言ってチャップリンが身体的でないという訳では全然ない。彼は神だ。映画『黄金狂時代(The Gold Rush)』のロールパンにフォークを刺してダンスを披露するシーンは素晴らしいよね? でもバスターだって同じくらい評価されるべきなんだ。

▼映画『黄金狂時代』。チャップリンが、ロールパンにフォークを刺してダンスを披露するシーン

僕がパリで暮らしていたとき、映画図書館に行ったんだ。そして1919年に作られたサイレンス映画、『幸福の谷(A Romance Of Happy Valley)』を見た。65年間ロシアで埋もれていた作品なんだけど、コレまで見た最高の映画だったよ。他の観客も度肝を抜かれていた。

見終わった後、あんな美しいものが存在しているのに、今の人々はなんてくだらないものを作るんだろうと思ったものだ。でもほとんどの人が、あの作品を見る機会はないんだよね。

▼これが映画『幸福の谷』だ!

Q26:不思議な力が手に入るとしたら、どんな能力がいいですか?
A26:透明人間!

Q27:あなたの一家の中で、最も面白いのは誰ですか?
A27:兄のブライアンだね。彼は常に色々なことを考えているから、頭から煙が立ち上っているのが見えるはずさ。兄はずっと考えていて、思いつくと突然バッと表現して、その場を爆笑させるんだ。僕から見ると、ワオ、彼の脳みその中で何が起こっているんだろう? って感じだよ。他の兄弟もみんな愉快な奴らばかりだよ。でもブライアンが最も才能があるね。

Q28:今日は僕の誕生日です! ウェス・アンダーソン監督とよく仕事をされますね。なぜですか?
A28:(「ハッピーバースデートゥーユー」を歌う)ウェスの脚本も、撮影の仕方も、彼自身も好きなんだ。彼の、自分の作品を自分の人生にした、そのやり方が大好きなんだ。いいかい。これは、僕たち全員に必要なレッスンなんだ。自分の好きなもので人生を切り開いていくための、そして世界に愛を運んでくるためのね。

Q29:映画『ボールズボールズ(Caddyshack)』でロドニー・デンジャーフィールドと共演しましたね。どんな感じでしたか?
A29:ロドニーとパーティをした人間のほとんどは、もうあの世に行っちゃってるね。彼はとてつもなく面白くて、ペースも早いから一緒にパーティするのは大変だったな。彼は底抜けに愉快な人物だったよ。

あの映画の特筆すべき点は、素晴らしいコメディアンが何人も出ていたことだ。それぞれが違って素晴らしかった。その上、1934年に公開された映画『クレオパトラ』のヘンリー・ウィルコクスンも司祭役として出演していたんだ。休憩中には一緒に過ごしたものさ。ずば抜けた皮肉さと経験を持ったヘンリーと、話したかったんだ。最高にクールな人だったな。

Q30:あなたの秘密を教えてもらえますか?
A30:君に打ち明けてしまったら、それはもう秘密じゃないじゃないか。自分が何を言っているか、ちゃんと考えて。あと僕は秘密を抱えていられるようなタイプじゃないんだ。もう少しで君の仕掛けたトリックに、引っかかるところだったな。まあ、お酒を何杯か飲めば話しちゃうかもしれないけどね。

Q31:リアリティ番組に出演しなければならないとしたら、どの番組を選びますか?
A31:『アメージング・レース』だね。あるエピソードでは、シンガポールのホテルのテッペンまで競い合って辿り着いて、超難問に答えたり。仲たがいをする出演者見たさに、あの番組を視聴していたよ。

すごく楽しそうだよね。色々な場所に行けるし。自分の実力が試される。僕はよく、「もしも誰かと結婚したいなら、世界中を旅しろ」って言うんだ。だって人間のことをよく知ることができるからね。

Q32:もしもあなたの自伝映画が作られたら、誰に若き日のビル・マーレイを演じさせますか?
A32:僕が生きている間に作られるのかな? それとも死んだ後? ジョン・ベルーシの伝記映画でベルーシ役を演じた俳優は、殺したいと思ったけどね。誰にも演じてほしくないし……特にいないよ。でも映画『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』に登場していた、双子の男の子の1人が好きだな。

参照元:Reddit[1][2](英語)
執筆:小千谷サチ
イラスト:稲葉翔子

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