あなたは近い将来、目が見えなくなります。もしもそんなことを言われたら、あなたはどれほどのショックを受けるだろうか?

想像しても、ピンとくる人は少ないかもしれない。そこで今回は、海外サイト Reddit に寄せられた「僕は25才です。病気のため、もうすぐ目が見えなくなります。何でも聞いて下さい」という投稿で行われた質疑応答42選をご紹介しよう。

14才で緑内障と黄斑変性だと診断され、徐々に視力が低下してきたというこの男性。特に光に弱い左目はパッチで保護しているというが、視力の99%は既に無くなっており、右目も徐々に見えなくなっているそうだ。

Q1:目が見えなくなって、何が一番ツライですか?

A1:本が読めなくなることが、一番ツラかった。1日1冊は本を読む、活字中毒だったからね。今ではオーディオブックを聞いているよ。この先、もっと視力が低下して、何も見えなくなったときには、家族や友達の顔が見えなくなることをツラく感じるだろう。

Q2:「左目は99%見えない」ということですが、どんな状態なのでしょうか?
A2:ほんの少しだけ光を感じられるけど、ほぼ真っ暗って感じかな。僕の左目の瞳孔は、光を捉えたり、何かを見ようとしているため、右目よりもずっと大きい状態なんだ。眼精疲労を緩和させるためにも、左目にパッチを被せている。

Q3:完全に見えなくなったときのために、どのようなトレーニングをしていますか?
A3:高校生のときに「点字」や、白杖を使った道の歩き方を習ったよ。それらの特別授業を受けるために、普通の授業を休まなくてはならなかった。あのころはまだ普通に本が読めていたのに、他の生徒よりも勉強が遅れてしまったんだ。でも、点字が読めると、とっても便利だし楽しい。昔の建物とかで、誤字・脱字を見つけたり、いろいろと面白いんだ。

Q4:どうやって生計を立てているんですか?
A4:今は、ポッドキャスト番組のホストをやったり、小説を書いたりしているよ。目を使わないような仕事ばかりだね。映画の学校にも通ったけど、必ず目を使わなければならないから、上手くいかなかった。目が完全に見えなくなったら、自分の状態に合わせて仕事を作るつもりなんだ。

Q5:僕の弟も、目の病気で、視力を失いかけています。今は大学を休学して、自分の人生を探そうと頑張っています。目が見えない人は、どうやって仕事を見つければいいと思いますか?
A5:目が見えなくても、話せるし、聞けるし、書けるよね。視力があろうがなかろうが、周囲の “声” を聞き、自分の “声” が合う場所を見つけることが大切だよ。作家でもジャーナリストでも、ラジオの DJ でも、グルメ評論家だって道はある。

他にも、目が見えない人向けのパソコンソフトも多数存在しているし、それらを使えば仕事ができるはずだ。確かに、色々なことに慣れなければいけないし、僕だってそんなこと嫌だと思うよ。でも、他に選択肢がないから、やるんだ。簡単に言うなら、パソコンを使って仕事をすると良いと思うよ!

Q6:痛みなどはありますか?
A6:痛みは常にあるよ。痛みに対処するために、1日2回、目薬を3滴ずつ両目にさしたり、医療用マリファナも使っているんだ。もう慣れてしまったけどね。痛みは、背景のようなものなんだ。ストレスを感じたり、寝不足だったりすると、眼圧が上がってしまい、とても痛むけど。

そんなときに、一番の味方になってくれるのがユーモアのセンスだ。それがなければ、僕は泣いてばかりだろう。涙ばかり流していたら、もっと僕の人生は大変になっていただろうね。

Q7:完全に目が見えなくなる……。こう考えただけで、私は怖くなってしまいます。あなたは怖くなったりしないんですか?
A7:うん。とってもとっても怖いよ。でも、次々と頭に浮かんでくる恐ろしい考えに、たくさんのダークユーモアを持って立ち向かっていくんだ。恐怖を感じているだけでは、状況を悪くするだけだよ。

なぜならストレスを感じると、眼圧が上がって視力が低下するし、僕の周りの人を心配させるだけだからね。そうすると、だれも夜中の3時にタコベルに連れて行ってくれなくなっちゃうよ!

Q8:最も恐れていることは、何ですか?
A8:最も恐れていることは、目が完全に見えなくなって、全てのことに対して興味を失うことだ。僕はゲームとかテレビのような目で見るメディアが大好きだから、今後の人生をずっと落ち込んで過ごすことになるかもしれない。

Q9:暇なときは何をしているんですか?
A9:特別なソフトを使ってネットサーフィンをしているか、テレビに顔をギリギリまで近づけてゲームをしているよ。マリオが大好きなんだ。

Q10:目が完全に見えなくなることに備えて、どこかの風景を見に出かけたことはありますか?
A10:最近、旅行によく出かけるよ。ニューヨークやロサンゼルスに行ったな。でも飛行機の高度で眼圧が上がってしまうのが、問題なんだ。

Q11:日常生活はどうしているんですか?
A11:自分ができることは、全て自分でする。時間がかかっても、自分でやるんだ。僕はなかなか頑固な性格だからね。料理だってうまいし、掃除だってする。支払いに遅れることもないし、買い物だって自分で行くんだ。パッケージや箱は全て写真に撮って、拡大して文字を読んでいるよ。

Q12:自分の病気を知ったとき、どんなリアクションを取りましたか?
A12:大声で笑っちゃったよ。とっても激しくね。バカバカしく感じられたんだ。その日は父の4回目の命日で、高校の入学式の前日だった。なんでこんなことが起こるんだって。看護婦さんたちは泣いていたよ。

Q13:最後に何が見たいですか?
A13:彼女の美しい顔。

Q14:どうやって目に問題があると気がついたんですか?
A14:僕は活字中毒で、たくさんの本を読んでいたんだ。『老人と海』という本を読んでいたとき、文章が読めないことに気がついたんだ。僕はビックリして、「本が読めないよ!」って母の元に飛んで行ったよ。そしたら母は、「そうよね、その本って退屈なのよね」って初めはトンチンカンな答えを返してきたっけ。

その後すぐに病院に行ったけど、緑内障だと分かるまで何人もの専門家に会わなければならなかったんだ。

……さらなる質疑応答は、次ページ(その2)へ!

参照元:RedditInstagram(英語)
執筆:小千谷サチ