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もう完全に夏は終わったが、夏といえば海である。海といえば海水浴であり、浮かれた気分になりがちだが、海をナメたらあかんぜよということは世界共通の常識だ。おぼれないように気をつけるのは無論のこと、海で注意すべき点は山ほどある。

だがしかし。いくら本人が気をつけていても、どうしても危険物に遭遇してしまう時もたまにある。電気クラゲに人食いザメ、海底に沈んでいる “割れたビン” などにも要注意だが、もっとも恐ろしいのは「海面にプカプカ浮いているウンコ」であろう。

・人間のオーラを感じる海糞(かいふん)

どんな事情があったのかは謎であるが、たまにウンコが浮いている。魚や動物のウンコではなく、どう見ても人糞なのだ。証拠はないが、あっても困るが、太さや形、そしてウンコそのものから漂う “ただならぬオーラ” から、人間産のソレだと推測できる。

あまりウンコウンコと連呼するのも品がないので、本記事では上品に、以後「海糞(かいふん)」と称したい。野にある糞が野糞なら、海に浮く糞は海糞であろう。読み方は「かいふん」ではなく、「うみぐそ」でも良いかもしれないが、正直どっちでもいい。

・波に乗りつつドンブラコッコ

それはさておき、なぜ海ウンコが恐ろしいのかを説明しよう。ずばり、尋常ではない動きで “接近してくる” のだ。さっきまで遠くにいたくせに、気づいたら近くにいる。波に乗りつつ、ドンブラコッコ……と、なぜか私(筆者)の方向にばく進してくるのだ。

しかも最初は何だか分からない。流木か何かだろうと油断させておきながら、目を凝らしたら海ウンコ。「!?」と思った時にはもう遅い。たとえ3〜5メートルくらいは離れていても、あっという間に射程距離まで接近してくる。だが、本当の恐怖はここからだ。

・逃げれば逃げるほど追ってくる

さすがに2メートルくらいの距離になったら、こっちも逃げる。しかし海ウンコは……追ってくるのだ。逃げても逃げても追ってくる。いや、逃げれば逃げるほど追ってくる。カーブを描きながら逃げてみると、ウンコもカーブして追ってくる!

おそらく、自分が逃げた時に生じる「巻き込むような水の流れ」のようなものが原因で近づいてくる仕組みになっていると思うのだが、ウンコに意思を感じるほどのホーミング性能だ。仮に自分のウンコならまだ許せるが、見知らぬ人のウンコなんて勘弁だ。

・海糞マトリックス

ちなみに私は10年ほど前、カンボジアの某ビーチで「顔面スレスレ5センチくらいの距離で海ウンコをかわす」といった、ちょっとしたマトリックス体験をしたことがある。

向かってきたのは弾丸ではなくウンコだが、あの時のギリギリ回避っぷりは、私の人生のベスト10に入る九死に一生スペシャルであった。みなさんも海に行った際は、くれぐれも海ウンコには注意してほしい。いいや違った、「海糞(かいふん)」だった。

執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

▼カンボジアの某ビーチ
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