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「野球は最後まで何が起こるかわからない」というのはよく聞く話だ。9回裏の2アウトという状況でも、3アウトにならない限り試合は終わらない。そういった極限の状態からの逆転劇は野球の醍醐味でもある。

そこで今回は、今年の甲子園の県予選でドラマのような幕切れをした9回裏の様子を動画「【劇的な幕切れ】20130723 福工大城東–門司学園 高校野球福岡県大会 準々決勝」と共にご紹介したい。最後まで諦めない姿勢に注目だ!

・門司学園高校 vs 福工大城東高校

動画は2013年7月23日に行なわれた夏の甲子園への出場を懸けた福岡県大会での試合だ。ベスト4進出を目指して激突したのは門司学園高校と県内屈指の強豪・福工大城東高校だった。

・試合展開

試合は序盤から終盤まで福工大城東ペース。門司学園は相手のエース・片淵投手にわずかヒット4本に抑えられ、5点のリードを許したまま9回裏に突入した。しかし門司学園の選手は誰ひとりとして試合を諦めていなかった!

・怒濤の猛反撃

9回裏の門司学園は先頭打者から2者連続でヒットを放つと、相手のミスも重なり徐々に点を返していく。それまで抑えられていた片淵投手から安打を重ね、ついには3点をもぎ取り、2アウト二三塁と得点圏に同点のランナーまで置く猛反撃だ!

・土壇場で主砲に回ってくる

そして「一発出ればサヨナラ」という場面で打席が回ってきたのはキャプテンの片山選手。彼が強打者であるだけに外角中心の配球で攻めていた福工大城東バッテリーだが、3球目の変化球が失投でど真ん中へと入ってしまう。

これに片山選手は迷わずフルスイングすると、豪快に振り抜いた打球は美しいアーチを描いてスタンドに消えていった。5点差からの反撃、そしてお釣りなしのサヨナラホームランというドラマでもないような劇的すぎる展開で試合は終了したのだった。

・勝っても涙

また、印象的なのは勝ったチームの選手たちが泣いていることだ。サヨナラ打を放った片山選手もダイヤモンドを一周しながら号泣している。これは強豪相手に勝利したことで緊張の糸が切れ、すべてを出し尽くして勝利したからこその涙だろう。

準決勝では延長戦の末、惜しくも敗れてしまった門司学園だが、準々決勝で見せた最後まで諦めない気持ちが生んだ一打は「これぞ青春」といったものだ。そして野球の醍醐味が詰まったものでもあった。

参照元:YouTube
執筆:原田たかし