野球は最後の最後まで何が起きるか分からないスポーツだ。たとえ9回裏2アウトで追い込まれていたとしても、アウトの赤いランプが3つ灯るまではどれだけ点差があろうと逆転の可能性はゼロじゃない。

見えない力が働いたかのような決着の仕方は珍しくないが、メジャーリーグでかなり珍しい幕切れがあった。サヨナラにもいろんな形がある中、まさかの「サヨナラ内野ゴロ」が生まれたので動画「Must C: Brewers prevail vs. Cubs」とあわせて紹介したい。

・9回裏での珍事

滅多に見られない珍プレーは、2018年9月4日(日本時間)に行われたミルウォーキー・ブリュワーズ vs シカゴ・カブスの試合でのことだった。3−3の同点で迎えた9回裏、ブリュワーズは1アウト満塁の絶好機を作り出した。

打席にはマーリンズでイチローの同僚だったイエリッチ。サヨナラを阻止したいカブスは内野に5人、外野に2人を配置する大胆なシフトを敷いた。そしてイエリッチの大飛球はレフトポールすれすれへのファウル。一度は救われたかに思われたカブスだったが、劇的な幕切れはそれからだった。

・まさかのサヨナラ内野ゴロ

三塁線へと打球が飛ぶと、三塁手がキャッチ。ホームへ送球から一塁に転送……というのがシナリオだが、三塁を踏んでから一塁に送球したのである。捕球した位置が少しばかり三塁ベースから離れていたこと、そしてイエリッチの快足が勝ったことで「サヨナラ内野ゴロ」が生まれてしまった。

これによって三塁ランナーが生還したブリュワーズは4−3で勝利。一気に2アウトをとりたかった三塁手の気持ちも分かるし、間一髪といえばそうだが、まずはホームをアウトにしてサヨナラの生還を阻止するのが先決だったか。

参照元:MLB.com(英語)
執筆:原田たかし