フラっと入った店で看板メニューを注文、すると見知らぬ常連客に「あのね、この店は○○もイケるんだよ」と語られたことはないだろうか。地元に愛されている店には看板メニューのほか、控えめではあるが隠れた名物がある。
記者(私)も羽根つきたいやきの有名店でたいやきを購入しようとしたところ、ふと言われたのである「たいやきだけを買う奴は素人、甘あげ饅頭買っとけ」と。確かに、たいやきが焼かれている手前で、さりげなく饅頭がちょこんと並んでいるではないか。地元民が勧めにしたがい、看板メニューのたいやきにひけを取らないほどめちゃめちゃ美味しかったのである。
千代田区小川町にある「神田達磨」本店だ。名物の羽根つきたいやきを求め、いつも行列が出来ている。記者もたいやきを買うつもりで並んでいたところ、地元在住で常連だという人に「たいやきもいいが、甘あげ饅頭もおすすめ」とのアドバイスを受けたのだ。
店頭に並ぶ小ぶりで丸っこい饅頭は羽根つきたいやきほど華やかさはない。だが、せっかくなので買って食べてみると……サクッ、ジュワ~……これは!
黒蜜が練りこまれているという皮はサクサクのかりんとう風。揚げてあるだけあり見た目よりジューシー。あんのしっとり&ほんのりした甘さにマッチしている。「おいひぃぃぃぃ!!」とあっという間に食べ終わってしまった。
地元民によると「やっぱりグルメ本に載ってたりするから皆たいやきを買うんだよね。もちろんたいやきもおいしいけど、甘あげ饅頭はワンコインで買えるし、たいやきみたいに出来上がるのを待たなくてもいい。それに食べ歩きにもちょうどいい」とのこと。「たいやきだけを買うのは素人」とも言っていた。
むむ、記者は何度も買いにきているのに甘あげ饅頭に見向きもしなかったのは恥ずかしい限りである。付近の学生などは甘あげ饅頭を食べながら神保町やちょっと足をのばして秋葉原まで散歩したりするそうだ。
そしてその地元民はたいやきが焼きあがるのを待ちながら甘あげ饅頭を食べるという最強コンボを展開していった。さすが常連客である。名店には看板メニュー以外にも隠れた名物があるのである。その良さがわかってこそ常連を名乗るにふさわしいのだろう。
参照元: 神田達磨
▼甘あげ饅頭
▼サクッ、じゅわッ、うまッ
▼たいやきも絶品なりよ
▼小川町の本店、ほかにも都内に3店舗、大阪に1店舗あるぞ