広島出身という縁からウォッチしてきた実感として、2023年はもみじ饅頭界に大きな波が起きた1年であった。

まずは4月に、平安堂梅坪が『ぷよぷよまんじゅう』を復活させた。かつて大行列を作った伝説のお土産の復活に、激震が走ったことは記憶に新しい。

そして9月。クリームパンで有名なあの『八天堂(はってんどう)』がもみじ饅頭を発売すると聞いた時は、「黒船が到来したな」と驚きを隠せなかった。発売から2ヵ月、実物をゲットできたのでご紹介しよう!

・みるくもみじ饅頭

こちらが八天堂の『みるくもみじ饅頭』。価格は5個入りが1000円、10個入りが2000円(どちらも税込)。

他社のもみじ饅頭と比較すると1.5倍ほどの価格だが、もともと八天堂には洗練されたちょっといいお菓子的なイメージがあるので 想定の範囲内かな。


味はミルクあんとこしあんの2種。


5個入りにはミルクあんが3個・こしあんが2個入っていて、10個入りには5個ずつ入っているのだそう。

八天堂の知名度は全国的に高まっているし、箱やパッケージもさすがのキレイさ。すでに広島土産としてのオーラがムンムンとする。



・まさかの薄皮系饅頭

さっそく開封してみたところ「おやっ!?」と衝撃を受けた。

確かにもみじの形はしているけど、従来のフカフカなカステラ系の生地とは違う。方向性としては『博多通りもん』や『月化粧』のような薄皮系の饅頭なのだ。


これまで筆者の中にはもみじ饅頭といえばカステラ系の生地という先入観があったし、おそらく関係者の方々も似たような感覚があったのではないだろうか。

例外はモチモチ食感が特徴のにしき堂の『生もみじ』だが……もしかすると、みるくもみじ饅頭は生もみじ以来のニューウェーブなのはないだろうか。

さすが八天堂、カステラ生地という高いハードルを軽々と飛び越える。そこにシビれる! あこがれるゥ!!


なお、ミルクあんはライン入りでこしあんはドット入りと、微妙に表面の模様が異なる。

長時間眺めていると、丸っこいフォルムが赤ちゃんの手みたいで可愛く見えてきたな。



・心地よい甘さと口溶け

さて、まずはミルクあんから食べてみよう。

ひと口食べて「うぉぉ」と声が漏れた。広島出身という贔屓(ひいき)分を差し引いても本気で美味しい。


噛んだ瞬間に、まろやかな生クリーム&バターの風味と 優しく穏やかな甘みが口の中に広がる。和菓子の枠を超えている気もするが、洋菓子ともいえない。不思議な感じだ。

記憶の中の博多通りもんと比較すると、みるくもみじ饅頭の方が質感・味ともにかなりサッパリしていて 食感も固め。あんと皮の水分量が少ないのだが、パサパサせずになめらかで心地よい口溶けだ。

さすが八天堂、次回の帰省でリピート確定である。


続いてこしあんを食べてみる。

ミルクあんほどのインパクトはないが、こちらも上品でなめらかな口溶けが美味しい。ただ甘いだけでなく小豆本来の味も感じられ、素材とバランスの良さがわかる。


クリームパンの話題に頼っているだけではない。八天堂の丁寧な仕事がふたつのもみじ饅頭から伝わってきたような気がした。



みるくもみじ饅頭は県内の八天堂店舗(八天堂本店、ekie広島駅店、広島空港店)を中心に、土産物店などで販売中。

筆者は中国自動車道の加西SAで入手した。

残念ながらオンラインショップでの販売はしていないようで、現地へ行った人だけのお楽しみとなりそうだ。

広島旅行へ行く皆さん、もみじ饅頭界に起きた革命を是非体感してみて~~っ!!

参考リンク:八天堂公式サイト
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.

▼1点だけ気になっているのがパッケージのイラスト。もみじ饅頭といえばこの形じゃけぇ仕方ないかもしれんけど、実物と違い過ぎるじゃろ~!

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