寒くなってくると、美味しく感じるもののひとつに「たい焼き」がある。震えるような木枯らしの吹く夕暮れに、アツアツのたい焼きを頬張れば、心も身体もほっこりと温かくなる。そんなたい焼きを驚異的な分厚さで作っているのが、以前紹介した「けんぞう」だ。さらにその上を行く分厚さのたい焼きのお店も、東京・銀座に存在する。

では、逆に日本一薄いたい焼きはどこにあるのか? その答えは東京・阿佐ヶ谷にある。たいやきの店「ともえ庵」には、『たい焼きの開き』が存在する……って、え!? たい焼き開いちゃうの? 実物を見てみると、これが驚くほど薄い! ペラペラだ。こんなたい焼き見たことね~~ッ!!

・店頭のメニューに

お店は阿佐ヶ谷のパールセンター商店街にある。元々は中野にお店を構えていたのだが、2014年に現在の場所にお店を移し、夏はかき氷の販売にも力を入れている。そのお店の店頭に、驚きのメニュー看板が立っているのだ。

「『たい焼きの開き』ができました」

何だって? たい焼きを開く? アジの開きみたいに、やっぱり「開いた」ってことだよな……。

写真を見ると、たい焼きがキレイに半身になっている。魚なら骨を挟んで身が左右に切り分けられるんだけど、たい焼きだったら……どうなるんだ?

・極薄たい焼きだった!

実際に注文してみると、現在はお試し期間とのことで通常価格350円のところ、200円で販売していた。待つこと約5分、袋に入った商品を手渡された。袋には、まるで干物のようなたい焼きのイラストが。


そして、中のモノを袋から取り出してみると……。


なんじゃこりゃーーッ! 想像以上にぺったんこじゃないか。たしかに、たい焼きの開きだ。それも、思っていた以上に極薄。間違いなく日本一の薄さだろコレ!! ちなみに裏返してみると……

ほう。裏にも生地を流して焼いているらしい。その証に、断面には極薄状態の餡子が詰まっている。それはまるで薄いクリームが入っているゴーフルのような、ペラペラ餡子が詰まっていた。


・構想7年

お店のブログを見ると、この商品の構想は7年前からあったそうだ。店主は新しいお菓子を開発することを目指し、研究と試作を繰り返した末、「たい焼きの開き」にたどり着いたらしい。

作り方は、まずは本物のたい焼きを半割りに。次に、焼き機に薄く生地を流してから、半割りたい焼きの「つぶあん面」を下にして生地に乗せる。そしてギュゥ〜ッと上下からプレスすることによって、この薄さを実現しているとのことである。なるほど〜。

間に挟まれた餡子はカリカリとした食感で、これが甘くて香ばしい。ありそうでなかった独特のお菓子に仕上がっている。

・通常たい焼きは尻尾まで餡子ぎっしり

ちなみに普通のたい焼きは1尾150円で販売している。

尻尾までしっかりと餡子の詰まったたい焼きは、表面はカリッと、中はしっとりとしていて、アツアツを食べれば寒さも吹き飛ぶ。

・唯一無二のお菓子

なお、たい焼きの開きは、現在店頭販売のみ。今後改良を加えて日持ちするようにして、持ち帰りにも対応する予定のようだ。日本一薄いたい焼き、これを超えるものが登場することはないだろう。唯一無二の新しいお菓子、たい焼きの開き。1度食べてその食感に驚いて欲しい。

・今回訪問した店舗の情報

店名 たいやき ともえ庵
住所 杉並区阿佐ヶ谷南1-35-20
営業時間 11:00~20:00
定休日 月曜日

参照元:たいやき ともえ庵ブログ
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24