客でにぎわう花見や縁日の道ばた、静かに闘志が燃えている場所がある。簡素なベニヤ板に向かい、一心不乱に手元を見つめる男女……「型抜き」である。
筆者も子ども時代には必ず参戦した。けれど1度たりとも勝利したことがない。
成功すると賞金が出るが、あの異様な熱気の中、だれひとりとして賞金が目当ての人はいなかったと確信している。みな自分との闘いだったのだ。そしてその闘いに勝てなかった筆者は「自分に負けた」といえるだろう。
しかしリベンジのチャンスが巡ってきた。なんと昨今では、型抜き素材をネット通販で買えるというじゃないか!