
カレーのイメージがほぼない中国。そもそも中華料理って伝統が積み上げられすぎて、他の文化からインスパイアを受けにくそうではある。だが、先日、中国の大衆食堂で「咖喱」がつくメニューを発見した。なんだ、カレーあるやん。
そう思って注文したところ、圧倒的にオリジナリティーが高いものが出てきたためお伝えしたい。欧風でもインド風でも日本風でもない! そもそもこれはカレーライスで良いんだろうか?
・強いて言うなら……
その一瞬の疑問は、カレーソースの少なさに起因する。欧風もインド風も日本風もカレーに共通するのは量的なメインがソースであるということ。「カレーは飲み物」と言われる所以だと思うけど、それで言うと、今回、中国大衆食堂で出会った咖喱は飲み物ではない。
強いて言うなら、炒め物。
カレーソースはタレくらいのノリで、小さくサイコロ状に切られた人参、じゃがいも、鶏肉、カリフラワーと強火で「ジャッ!」と炒めたニュアンス。で、この具がモリモリでメインを張っている。
・汁なしカレー
炒飯の具みたいな炒め物感に中華みを感じずにはいられない。そこで炒飯を食べるみたいにスプーンですくって食べてみると、野菜はカリッとした食感を残しつつ強くカレー味が染みついているし、鶏肉はジューシーさが閉じ込められていて、ますます炒め物っぽい。
カレーソースに油と醤(ジャン)系のコクが強く出ているところもまた、中華鍋を振る光景が見えるような味だ。その味の濃さゆえにご飯とのバランスはむしろソース少なめがちょうど良い。
汁なしカレーとでも言うべき白ご飯の旨みも感じられるバランスは、明らかに解釈が欧風ともインド風とも日本風とも違う。もはやこれはチャイニーズカレーだ。
・2000年代以降のガチ中華
改めてメニュー看板に記載の名称を見ると、正式名称は「咖喱鶏丁盖飯(クァーリー・ジーディン・ガイファン)」というらしい。ちなみに、価格は18元(2026年9月14日現在約412円)であった。
なお、中国にカレーが伝来したこと自体は19世紀なのだが、ワンプレートで食べるぶっかけ飯スタイルのカレーライスが一般に普及したのは2000年代に入ってからのようだ。
しかも、このスタイルを広めたのはハウス食品なのだとか。咖喱鶏丁盖飯は日本カレーの影響が現代中国のファストフード文化とマッチした結果だったのである。長い年月をかけ現地の食文化と融合して独自性を感じる領域まで到達しているところは、まさしくガラパゴス進化の醍醐味だ。
・カレーの歴史の最前線
そのカレーに出会った大衆食堂の名前は『梧桐面食』。夜市の屋台みたいな屋外席といい、給食のおばちゃんみたいな調理スタッフといい、あふれ出る大衆みはマジで現地民が趣味でやってるような雰囲気なんだけど、調べてみたら山西省大同市でローカル展開されているチェーン店であった。
いつだって、食の最先端は街の中から生まれる。屋台と食堂が合体したみたいな『梧桐面食』の現地みも合わさり、今の中国を感じられた気がしたのであった。
・今回紹介した店舗の情報
店名 梧桐面食 方特店
住所 中国山西省大同市平城区重熙街670号
営業時間 24時間
定休日 無休
参考リンク:ハウス食品
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼ソースの少なさとそれでバランスの良い強い味からは炒め物オーラが漂う
▼ちなみに、この店、麺も大分ウマイ
▼店の前の様子にアジア感があって良かった
中澤星児













































