美容クリニックの情報をググっても宣伝ばっかりで実態が見えない……。

というわけで、自腹でいろんな美容法を試し人柱になる、それが「自腹レボリューション」である。

前回までは美容医療の入門編、切らないたるみ取り「医療ハイフ」などのレポートをしたが……、今回は以前から気になっていた2万9800円の日帰り二重手術である。

いわゆるプチ整形ってやつ。実際やるかやらないかは別として、私は片目だけ一重なのでずっと気になっていたのだ。

・一重から二重に

美容整形の中でも最も変化がわかりやすいのが一重まぶたから二重まぶたへの手術だと思う。顔の印象が一気に変わるのでニーズも多いと思う。

自分の話で恐縮だが、私は左目だけが二重で右目は一重である。


左目は加齢とともに二重になったので、右目もほっとけば二重になるだろ……と思ったものの、一向に二重になる気配がないまま40才。両目を揃えるためにアイプチしている。まさか40才になってもアイプチしてるとは。


毎日のアイプチが面倒なので、大手美容外科・ロケット美容クリニック(仮名)のCMを見て「2万9800円で日帰り手術か〜、その値段でやれるなら右目も二重にしよっかな」とぼんやり思っていた。

「両目で2万9800円てことは、片目だけならもっと安いやろ」そんな気持ちで無料カウンセリングを予約した。

私のスタンスとしては「2万9800円で二重術を受けられるならやってみたいけど、それ以上ならやりたくない」という心づもり。

ちなみに、 二重のカウンセリングを受けたのは医療ハイフをやったのとは別の美容クリニックである。


・3月、予約取れない

どうも時期的に3月は新生活に向けて二重整形を受ける人が多い模様……。学生向けにガンガンCMも打ってるしなあ。

まず、無料カウンセリングの予約が取れない。

平日に3つ希望時間を出してもカウンセリングの予約が取れず、何度かチャレンジすることになり、カウンセリングの予約が取れたのは平日朝10時台だった。

カウンセリングの時間を短縮するためか、事前にwebで問診票の提出を勧められる。


・希望する二重の手術
・希望の二重の形
・予算
・ダウンタイムのために休みは何日取れるか
・二重整形にあたって気になるのは何か(痛み、跡、バレにくさ、もちの良さなど)


後述するが、このアンケートはカウンセリングと見積もりの要になってくるので要注意である。



・優しそうなカウンセラーに安心するも…

そして当日……。受付をして、カウンセラーと個別の部屋で施術についてカウンセリングを受ける。

私の担当をしてくれたのは元モー娘。の安倍なつみさんを柔らかくしたみたいな、親しみやすい雰囲気の女性(以下、なっち)

なっち「二重術など、こういった手術は初めてということで、分からないことなどあったら遠慮なく聞いてくださいね」

優しそうな人でよかった……と思いつつ、ふと名札を見ると「チーフ」と書いてある。なっち、意外とやり手かもしれない。

なっちは私が事前に書いた問診票を元に、カウンセリングを進めていく。なぜ今回、最初に、二重術を希望したきっかけを聞かれた。

 「片目だけ一重なので、そろえたくて手術を考えてます。昔は二重整形って高いイメージがあったんですけど、今は手頃にできるんだな〜と思って、CMを見て来ました」

なっちも元はアイプチではなかなか二重にできないほど重い一重まぶただったが、手術で二重にしたそうな。カウンセリング担当者自体が二重手術経験者で警戒心をとくってわけか。なるほどね。



・二重手術はピンキリ

しばし雑談で和んだところで、ついに二重術の説明が始まった。

「実は御花畑さんが希望されているロケット二重術は、昔ながらの手術方法なんですね。当クリニックでは他にも二重手術にはいろいろな種類がありまして……」

と二重手術の一覧表を見せられる。私が希望するロケット二重術は最安値の2万9800円だが、5万、10万、15万、20万、25万、30万……と、どんどん高額になっていく。高い。普通に高い。

「この表の右側に行けばいくほど、より技術力が高く、安全で持ちもよい手術方法になっていきます」

と、高額な手術の説明が始まった。そりゃ高いほうがいい手術に決まってるだろうよ……。なっちはさらに説明を続ける。


「御花畑様はカウンセリングシートに跡が残らないほうがいいと書かれていますよね。ロケット二重術ですと、埋没2点止めという方法になりまして、まれに糸の跡が表に見えてしまうことがあるんです」


そして手元の資料でバッチリ糸の跡が残ってしまった症例写真を見せてくるではないか。めっちゃ不安煽ってくるやん。


「ちなみに、手術後のお休みって何日くらい取れそうですか? ロケット二重術はだいたいダウンタイムが1週間ほど続いて、腫れがひいて二重が定着するまで1ヶ月くらいかかります」

と、ダウンタイムの長さについても説明があった。さらに

「まぶたが厚い方はロケット二重術では二重になりづらいので、他の施術をオススメする場合もございます」

と、暗に私のまぶたの厚みだと無理かもしれない……と、どんどんロケット二重術のデメリットばかりを挙げてくるのだ。

一見、親切に見えるが、自社の製品をここまでけちょんけちょんに言うことある?



・結局ワンランク上の手術を勧められる

つまり、なっちの説明によればロケット二重術は2万9800円と最安で日帰りの切らない二重手術ができるが、ダウンタイムが長く、跡も残りやすく、さらに二重にをキープする力も強くないのでオススメできないということである。

その話を聞いて、私はこう思った。


\そんなにオススメできん手術に社名を冠して、CMバンバン流すなや……!/


こうやって高い二重術を勧めたトークのあとで「どの手術をご希望されますか?」と、あらためて確認される。


あまりにもデメリットばっかり説明されてるので「それでもロケット二重術がやりたいです」とは、とても言えない空気である。若者ならまだしも、私は40才の大人だし。


そんなこんなで結局ダウンタイムが比較的短いという、5万9千円の「ウイークエンド二重術(仮)」で見積もりを取ってもらうことにしたのだった……。


この時点で当初予定していた2万9800円の約2倍の額になっている。


このあとは医師から希望の手術で二重ができそうかのチェックを兼ねた問診のあと、手術の見積もりを出すというのだが……

美容整形外科の医師の診察と、驚愕の見積もりについては次回!


執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.