丸亀製麺が誇る究極にして至高のメニュー『山盛りあさりうどん』が2024年3月12日、待望の復活を遂げたが素直に喜ぶことはできない。

ご存じの通り『あさりうどん』はここ数年で販売店舗を大幅に減らしており、特に東京23区は壊滅的な状況にあるのだ。食べたくても食べられる店舗がほとんどないという地獄絵図。丸亀製麺は人の皮をかぶった悪魔か?

一人絶望していると、そこへ声を掛けてきたのが “丸亀製麺のプロ” を自称する当編集部のサンジュンだった。男は言う。今から『あさりうどん』を食べに行くぞと──。

・信じる男

サンジュン「桜はまだ咲いちゃいないけどよ、お先に満開のあさりでも拝みに行こうじゃねぇか。春よ来い。『あさりうどん』よ来い。さあ、春を迎えに行くぞ」


──サンジュンさん、もうやめましょうよ。何年同じことを続ける気ですか? 新宿には『あさりうどん』を売ってる店舗はないんですって。それがヤツら(丸亀製麺)のやり方なんだ。いい加減、もう諦めましょう。


そんな私(あひるねこ)の説得もむなしく、今年も編集部最寄りの丸亀店舗へと向かおうとするサンジュン。一体何がこの男を駆り立てるのか? 仕方がないので私もついていくことに。


サンジュン「大丈夫だ青年。丸亀を信じる俺を信じろ」


そう言い残すと、サンジュンは『あさりうどん』の有無を確かめるべく中に入っていった。行ったところで、どうせないに決まっている……


と思いきや!


え? 何その顔……


ま、まさか今年は『あさりうどん』が……!


サンジュン「まあ、ないよね」


ないんかーーーーーい!!!!



・知ってた

やはり今年も販売していないどころか、東京23区で『あさりうどん』を取り扱っているのはたったの6店舗。しかもそのうち4店舗が足立区という謎の事態である。いや欲張りか! 新宿区に1店舗くらい分けろやァァァァアアア!!


思わずキレかけたが、ふと見るとどうもサンジュンの様子がおかしい。いつもならここで「- 完 -」になるはずが、何を血迷ったか再び店の中に入って行ってしまったではないか。そこで注文したのは……


『あさりうどん』……ではなく、


一杯の『かけうどん』。


・なぜ?

まったくもって意味が分からないが、次の瞬間、サンジュンが取り出したものを目の当たりにした私は息を吞み、そして目を疑った。ちょ……! バ、バカな……ッ!! さすがにそれは……! そう……


まさかのあさり持参である。

・ギリギリを攻める

なんとこの男、懐にあさりを1個忍ばせていたのだ。まだ砂抜きも何もしていない正真正銘のガチ貝である。ただの潮干狩り帰りやないか。



「この状態なら飲食物の持ち込みにはならないだろう。俺にとってはアクセサリーのようなものだからな」などと意味不明な供述をしており、いよいよ正気を疑わざるを得ないが、次にサンジュンが取った行動はさらに常軌を逸していた。


あさりを見ながらスープを一口。そして……


「いい出汁でてんなぁ……」


嘘やろこのおっさん!


・イマジナリーあさりうどん

繰り返すが、『かけうどん』である。『あさりうどん』ではない。ただの『かけうどん』である。

しかし、どうやらサンジュンの口の中では『あさりうどん』の、あの唯一無二の旨みと磯の香りがいっぱいに広がっているらしい。一体どんなメカニズムなのか?


サンジュン「俺くらいのプロになると、もう舌が覚えてるのよ。『あさりうどん』の味を。だからいつでも完璧に再現できるんだよね。なんなら別に食わなくてもいいから。それくらい自由自在に脳内再生できるワケ」


サンジュン「その俺がよ? 実際にあさりを見ながら丸亀のうどんを食べてるんだから、それはもう事実上の『あさりうどん』と言っていいよね。厨房で鍋をひと煮立ちさせてる光景まで見えたわー」


ちょっと何を言っているのか分からないが、店を出たサンジュンの一点の曇りもない表情からは、『あさりうどん』を食べたぞという満足感や達成感がハッキリ見て取れた。本人が幸せならそれでいいのかもしれない。が、しかし……。

・非推奨

今回の食べ方はあまりにも上級者向けすぎる上に、隣で見ているとなぜか涙か止まらなくなってくるため注意が必要だ。もしあなたの近しい人が本気でこの方法を実践しようとしていたら、その時はお願いします。全力で止めてあげてください。お願いします。



この記事で私が皆さんにお伝えしたいことは以上です。『あさりうどん』を販売している店舗が幸運にも近所にあるという人は、ぜひサンジュンの分まで食べてやってくださいね。それではさようなら。

参考リンク:丸亀製麺
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.