ちょっと前まで信じられないくらい暖かかったのに、ここへ来て急激に寒くなったのはなぜか? 答えは丸亀製麺の『鴨ねぎうどん』が発売されるからだ。寒い冬に食べる『鴨ねぎうどん』は最高&至高! きっと地球も空気を読んだのだろう。

“ひと手間かけた冬のうまい!” シリーズ第1弾として、2023年12月5日より全国の丸亀製麺にて販売開始の予定だが、今回は特別に一足早く食べさせてもらえるということで某店舗にお邪魔した。まさに鴨がねぎを背負って来たような話である。

・エースの復活

全国の丸亀製麺のロードサイド(主に幹線道路沿いにある独立店舗)を中心とした店舗にて、2024年1月下旬までの期間限定で販売される『鴨ねぎうどん』。

価格は並が税込820円、大が税込960円、得が税込1100円となっており、私(あひるねこ)が注文したのは並だ。


おっと! どうやら完成したようだぞ。


おいしそうに作ってくれて感謝……ん?


なんだか見覚えがあるような……


うわーーーー! 上司おるーーーーー!!

・想定外のシフト

なんと厨房の中にいたのは、当サイトの編集長・GO羽鳥だった。マジかよ、最近見ないと思ったらこんなところに……!

なんでも『鴨ねぎうどん』が好きすぎてガマンできなくなり、一念発起して提供側に回ることにしたんだとか。いや管理職が昼のバイト始めんな! 一体何を考えているのか?


──とりあえず見なかったことにした私は、器を受け取るとそのまま席についた。久しぶりの『鴨ねぎうどん』だ。妙な輩に邪魔されたくはない。それではいただきま~す……


_人人人人人人_
> うっま!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

・いきなり限界突破

そう、重々承知しているつもりではいたがウマすぎる。鴨肉と白ねぎ、そして特製だしが織りなす豊かで温かなハーモニーは、シンプルであるが故に超無敵! そこに三つ葉とゆずの爽やかな香りが絶妙なアクセントを加えてくれている。

これまでと変わらぬ……いや、むしろ例年よりもおいしくなっているように感じられるのは気のせいだろうか?


まず一目で分かる大きな変化として、鴨肉のブラッシュアップが挙げられる。ここ最近はごろっとした鴨もも肉が使われていたのに対し、本作はうどんと一緒に食べるのに最適な厚みの鴨ロース肉がどっさり使用されているのだ。


個人的にこの変更は大正解で、とにかく一口食べた瞬間、あまりにもしっとり柔らかすぎて思わず「柔らかッ!」と叫んでしまった。ちょっと待て、こんなに香り高かったか? なんだか自分の記憶を上回っているような……。


白ねぎなんてもっと違うぞ。以前と比べ、明らかにねぎの風味が強くなっている。おそらくねぎ単体で食べても十分イケるだろう。


それだけじゃない。特製だしもだ。なぜだか分からないけど、鴨肉の風味と脂の甘味がマシマシになってる気がするゥゥゥゥウウウ! しかし、次の瞬間だった。


え!?

・謎のテーブル訪問

いやいやいや、店員出てきとるがな。そう、厨房にいるはずのバイト羽鳥が、何を思ったか私の席までやって来たのである。ダ、ダメですよ羽鳥さん! 自分の判断で休憩に入っちゃ!! そういうのは店長が決めるんですって! すると……


羽鳥「かかってんだよなぁ……」

・意味不明

え、何が? ……何に? ちょっと意味が分からないが、羽鳥によると今回の『鴨ねぎうどん』は、とんでもなく手間ひまをかけた一杯になっているらしい。いや、手間ひまは以前からかかっているのでは?


羽鳥「違うんだよ! 今回は事前の仕込み工程からすっごく手間暇がかかってるのよ!! 例えば鴨肉。これ見て。火入れの前にしっかり割り下で下味をつけてるでしょ? このひと手間によって、肉に味がのってくるワケ」


羽鳥「カットした白ねぎはサラダ油、塩少々、そして鶏油(チーユ)を入れて焼き目をつけておくんだけど、ねぇどう思う? もう一度言うけど、ここまでが仕込みだからね!? マジあり得ないでしょ……! 手間ひまかけすぎでしょ……!! ふぐぅ……びひぃん……!」


まさかの号泣である。と、思いきや……


羽鳥「火入れのタイミング? そんなのご注文をいただいてからに決まってるだろうが。お前、俺の話をちゃんと聞いてたのか? 編集長だぞ」


どれが本当の羽鳥さんなんだ……?


羽鳥「手鍋に特製だしと白ねぎを入れ、沸騰したら一度火を止める。そこに下味をつけた鴨肉を投入して、もう一度沸騰させます。鴨肉の火入れはとても繊細だから気を付けて! 手早くね!!」


羽鳥「再度沸騰したら、茹でたてのうどんに盛り付けて完成。鶏油のおかげで白ねぎの香りや甘み、味の広がり方が段違いだったでしょ? 素材の仕込みと下地のひと手間によって、鴨の味わいにより一層磨きがかかるのよ」


羽鳥「ひと手間がかかっているのは、鴨肉や白ねぎだけじゃない。この特製だしも、店舗で数時間おきにひく白だしに、特製のかえしを入れて作ってるの。そこに鴨のコクと脂が加わって旨みが増し、味わいが膨らんでいくんだね」

・ウマいのも納得

なるほどぉ。以前よりおいしく感じられたのは、そういう理由があったんですね。まさかそんな手間ひまがかかっているとは……勉強になりました! それでは!!


羽鳥「え? もう帰るの?」

はい、お目当ての『鴨ねぎうどん』はたっぷり堪能できましたから。ところが……


羽鳥「まだ『肉がさね玉子あんかけうどん』が残ってるでしょうが!」


おい何とかしてくれこの店員!


・2回戦突入

もう無視して逃げてしまおうかとも思ったが、ちょいちょい上司としての顔を出してくるため大人しく付き合うことに。『肉がさね玉子あんかけうどん』は、同じく2023年12月5日より発売される手間ひまかけた冬の一杯だ(並:税込790円、大:税込930円、得:税込1070円)。


その最大の特徴は、牛・豚・鶏からなる3種のお肉オールスターズ。少し甘めの味付けで炊き上げた牛肉と、豚&鶏の合わせそぼろがたっぷり入っているため、どこを食べても肉! 肉!! 肉!!! なハイパー肉食系メニューである。


店内製麺した打ち立て・茹でたての麺を、釜からそのまま器に盛り付けたら……


これまた店舗仕込みの香り豊かな白だしに、かえしを入れて使った “ふわとろ玉子あん” を丁寧に入れていく。とろみをつけてから、こだわりの玉子を数回に分けて入れるこのひと手間が、ふわふわっとした玉子あん作りの決め手になるんだとか。こりゃウマそうだぞ!


羽鳥「ハハ! ハハハハハハ!!」


羽鳥「アーーッハッハッハッハッハッハ!!」

・退勤へ

何がそんなに面白いのかは分からんが、満足した様子の羽鳥は「お先に失礼しまーす!」と幸せそうな笑みを浮かべながら帰っていった。

エレベーターの中から、羽鳥は私に向かってこう叫ぶ。


羽鳥「フツーじゃない! 丸亀製麺のひと手間はフツーじゃない!! M(丸亀製麺の)・T(手間は)・フツーじゃない! M・T・フツーじゃない!!」


はい、M(丸亀製麺の)!


はい、T(手間は)!


フツーじゃなーーーーーーい!!!!


なぁぁぁぁ……




ぃぃぃぃ……


たしかに普通ではなかった。


・感じてほしい

羽鳥との一連の時間は、手間ひまというよりは純粋に手間であったが、丸亀製麺のひと手間がちょっとフツーじゃないことは先述した通りだ。『鴨ねぎうどん』、そして『肉がさね玉子あんかけうどん』を食べて、丸亀製麺のおいしさへのひと手間をぜひ感じていただきたい。

参考リンク:丸亀製麺
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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