中華料理の定番メニュー、シュウマイ。一般的には豚ひき肉を小麦粉の皮で包んだものが有名だが、日本各地では様々なアレンジを加えたシュウマイも存在する。

とりわけ栃木県足利市のシュウマイはユニークだ。玉ねぎと片栗粉を練って蒸しあげれば完成、という超シンプルなものである。

今回は “肉なしシュウマイ” として有名な「足利シュウマイ」を紹介していこうと思う。


・お寺の境内にある「足利シュウマイ」の人気店

足利市の中心部に位置する国宝・鑁阿寺(ばんなじ)へやってきた。どうやらこの境内に、できたての「足利シュウマイ」を提供している人気店があるらしい。お参りしてから寄ってみよう。


水堀に囲まれた立派なお寺だ。室町幕府を開いた “足利氏” の本拠地だそうで、現在では足利市を代表する観光スポットとのこと。


参拝後、目的の売店「大日茶屋」に到着。店先の立て看板、のぼり旗には「足利シュウマイ」の文字が大きく書かれている。

境内のお茶屋さんでシュウマイをつまむ、というのもなかなかオツなものだ。さっそくお店に入ってみよう。


まずは店内のメニューボードをチェック。

「足利シュウマイ」以外にもチキンナゲットや焼きそばなどのホットスナックが揃っている。

お茶というよりはお酒に合いそうなラインナップ。実際にビールも販売しているぞ。鑁阿寺の景色を眺めながら一杯やるのもいいだろう。

シュウマイは “蒸し” と “揚げ” で注文可能。どちらも2個入りで税込170円だ。せっかくなので両方を食べ比べてみよう。


・肉なしシュウマイを食べてみた

こちらが足利名物「足利シュウマイ」である。

ふたつとも見るからにプリプリとした質感でウマそう……。

たっぷりと中濃ソースがかけられていてイイ感じだ。シュウマイには醤油をかけるものだと思っていたが、とろっとしたソースで食べるのもアリかもしれないな。


定番の “蒸し” は透明感があって実に美しい。まるで真珠のような輝きだ。みずみずしくふっくらと蒸しあがっていて食欲をそそられる。


ひと口頬張ってみると……ムニュッ、ムニュムニュ!!

うわッ、なんて弾力のある食感なんだ。なめらかな舌触りと弾むような歯触りが最高じゃないか。

シュウマイの中に肉類は全然入っていないのだが、肉汁が溢れ出てくるようなジューシーさを感じる。

練り込まれた玉ねぎの甘みと、ピリ辛ソースの相性は抜群!


お店オリジナルの “揚げ” は、パリッとした硬めの皮が特徴的だ。こんがりキツネ色に揚がっていておいしそう。


かじりついたときのサクサク感は心地いいし、咀嚼(そしゃく)中のムニュムニュ感は格別。何個でも食べたくなるほど美味である。

2種類とも “肉なし” ではあるが、食感が最高でヤミツキになりそう。個人的には、白く透き通った “蒸し” のほうがジューシーでおすすめ。

シンプルを極めた「足利シュウマイ」は、一食の価値がある逸品といっていいだろう。栃木県足利市を訪れた際は、ぜひ味わってみてほしい。


・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 大日茶屋
住所 栃木県足利市家富町2220 鑁阿寺境内
時間 10:00〜16:00
休日 月曜日

参考リンク:足利市観光協会
執筆:古沢崇道
Photo:RocketNews24.
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