私(耕平)の地元、千葉県船橋市には “幻のご当地ラーメン” とメディアに取り上げられているラーメンがある。それが『船橋ソースラーメン』だ。

もしかしたら聞いたことがある人もいるかもしれないが、実は地元に数十年住んでいながらこのラーメンを食べたことがなかった。

なぜなら「ソースラーメン」って聞いただけで、なんとなく美味しくないイメージしか湧かなかったから。

ただ、食わず嫌いはよろしくない……というわけで、地元民である私が初めて『船橋ソースラーメン』を食べてみた。その結果、感動と後悔が同時に込み上げるという異常事態に陥ってしまった……。

・『船橋ソースラーメン』のパイオニア

『船橋ソースラーメン』は船橋市内のラーメン店のうち、数店舗がメニューとして提供している。その中でもパイオニア的な存在と言われている「中華料理 大輦 御殿通店 (だいれん ごてんどおりてん)」に足を運んだ。


いかにも “THE 町中華” 的な雰囲気が食欲を刺激する。店頭には『船橋ソースラーメン』の紹介記事が複数貼られていた。


入店すると、人気店だけあって当然のように満席。壁には、かなりの数の芸能人のサインが飾られていた。そしてメニューにはデカデカと『名物 ソースらーめん』と書かれている。


事前調査によると、このメニューを頼んだらトッピングの「ハムカツ」は必須とのことで、迷わず注文。合計で980円だ。


・実食!

待つこと約10分。いよいよ『船橋ソースラーメン』とご対面!

ハムカツが立ってる!


見た目のインパクトもさることながら衝撃だったのが香りだ。まさしく「ソース焼きそば」の香りそのもの。まさに「ソース焼きそばのスープ版」といった感じだ。ものすごく食欲がそそられた。


まずはスープを口に運んでみる。

なんだこれ、激ウマじゃん。


確実にソース味であるが、濃すぎなくラーメンのスープとして成立している。いや、これは初めての感覚だ。良い意味で期待を裏切りすぎて、思わずニヤッとしてしまった。


そしていよいよ、麺を口に運ぶ。

はい、ハマった〜!


中太麺のコシと焼きそばの具材が、ソース味のスープに絡んで絶妙なハーモニーを醸し出している。そして焼きそばとは違い、キャベツがシャキシャキではなく、柔らかめなのがラーメンの具として、メチャメチャいい仕事をしている。

紅しょうがと、ひき肉のアクセントもバッチリ! 一口で完全に気持ちを持ってかれてしまった。


で、トッピングの「ハムカツ」の実力は……

なるほど。


このトッピングが、必須だと言われている理由がわかった。このソースラーメンに使用する肉の具はチャーシューではない。確実にハムカツの方が相性がいいと、食べた瞬間に感じた。


もう、勢いは止まらない。どんどん食べ進めていく。


このラーメンを食べるにあたってもう一つの楽しみは、あと半分のハムカツ。先ほどはサクサクの食感で味わったが、今度はソース味のスープに柔らかくなるまで浸す。


口に運んでみると……

最初の半分と全然違う!


ハムカツの衣にスープが染み込んで、同じハムカツなのに全くの別物。これでご飯食べたら、どんな感覚なんだろう……まぁ、この楽しみは次に取っておこう。で、気がついたらあっという間に麺を食べ終え、残り数口。


スープに残った具をレンゲで食べる。この一口がまた美味かった! 本当に最後まで楽しめるメニューだ。


・感動と後悔

このご当地ラーメンを食べ終えた率直な感想。それは「久しぶりにラーメンに感動した」ということだ。これは地元のご当地ラーメンだからといった忖度はなく、本音で思ったことだ。

と同時に、今までなんで食べなかったんだ……という後悔も出てきてきたくらいだ。ラーメンの種類は、しょう油、みそ、とんこつなどがあるが、その一角に入っていいのではないか? と思うほどのインパクトだった。


ちなみに『船橋ソースラーメン』は約11年前から「船橋ソースラーメンプロジェクト」というものがあり、船橋市内の数々のラーメン店が参加している。そしてお店ごとに個性があるらしく今回初めて食べてハマったことで、他のお店の『船橋ソースラーメン』も制覇してみたくなった。

──というわけで、もしあなたが船橋市に来る用事があるようなら、ぜひ一度このご当地ラーメンを食べてみていただきたい!


・今回ご紹介した店舗の詳細データ

店名 中華料理 大輦 御殿通店 (だいれん ごてんどおりてん) 
住所 千葉県船橋市本町4-20-17
時間 水・木・金・土曜日:11:30~14:00、17:00~21:00、日・火曜日:11:30~14:00
定休日 月曜日

参考リンク:船橋ソースラーメンプロジェクト Facebookページ 
執筆:耕平 
Photo:RocketNews24.
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