新旧含めて膨大な食料品が並ぶカルディ。珍しい商品ばかりが並ぶので「何か欲しいけど、いったい何を買えばいいのか分からない」状態になることもしばしば……。

というわけで、片っ端からカルディの製品を試してみよう……というのが本企画「気になるカルディ」である。目指せカルディマスター!

第5回で取り上げるのは香港グルメの「煲仔飯(ボウジャイファン)の素」(税込198円)である。カルディにはいろんな国の食材が売ってるけど、たまにマジで食べたことないマニアックな料理の素とか売ってるよね。

美味しそうだけど味が全く分からない……そんなものこそ、この検証記事で取り上げるべき物のはず。全く知らない料理だけど作ってみるぜ。

・煲仔飯(ボウジャイファン)って何?

そもそも、煲仔飯(ボウジャイファン)ってなんじゃらホイ? って話である。中国とか台湾料理は漢字でなんとなく「こういう食べ物だろうな」と想像できることもあるが、まじで「煲仔飯」は漢字を見ても何も分からないし、手がかりが一切つかめない。都内にはガチ中華の波が押し寄せているが、今のところ見たこともない。

説明書きによると、香港の屋台で親しまれているB級グルメの土鍋ごはんらしい。うーん、それだけ言われてもな。世界を旅しまくる亀沢記者に聞いてみたところ「香港で見たことがあるから名物なのは間違いないけど、食べたことはない」とのこと……。トホホ。

鶏肉入ってるし、香港風のカオマンガイみたいなもんかな。わざわざカルディで素を作って売るくらいだから美味しいはず……ってことで、裏の説明書きの通りに作ってみたぞ。


・材料&作り方

「煲仔飯の素」に入っているのは、炊き込み用だれ、仕上げだれの2種類のタレのみ。

それ以外で準備するのは以下の通り。


・鶏もも肉 250g
・乾燥きくらげ 4g(水で戻す)
・チンゲン菜 3〜4枚
・お米 2合

乾燥きくらげ とか初めて買ったなー。記事化のためにわざわざ用意したけど、乾燥シイタケでもいいとのこと。

鶏もも肉を1.5〜2センチ幅に切って、油で炒めてから……

「煲仔飯の素」に入っている炊き込み用ダレを入れてひと煮立ちさせる。

タレを舐めてみたけど、ちょっとごま油っぽい風味と甘辛い味がした。

研いで水をいれた2合の米から、大さじ1杯分の水を捨てて、

タレで炒めた鶏肉と水に戻したきくらげを入れて炊飯する……のだが


この余ったタレを入れていいのかどうかよくわからない。


このタレ、さっき捨てた大さじ1杯分の水以上の量がある気がする。カルディの説明書はこのあたりがざっくりしててよく分からないので半分くらいの量を入れてから、炊飯のスイッチを押した。

で、炊いてる間にチンゲン菜をお湯で茹でておいて……。

しばらく経ったら、ごま油とかオイスターソースのような、なんともいえない旨味たっぷりの香りがしてきた!



炊きあがりがこちら!

チンゲン菜を添えて、仕上げダレをかけたら……


\ジャジャーン!/


見た目はカオマンガイと釜飯の中間っぽい感じだ。

なんとなくいま流行りの魯肉飯(ルーローハン)っぽさもあって、エスニックな感じで美味しそう。雑な感想だけどそうとしか言いようがない。味を知らないからね……。


・さて、味は……

出来上がったものをさっそくいただきます!

キクラゲとチンゲンサイのおかげか、自宅で作ったとは思えないほど、本格的に見えるではないか。

ひとくち食べると……鶏の旨味と、オイスターソース、ネギ油、ごま油の香りがフワワ〜っと漂ってきて美味しい! 付属のタレも変な甘みがなくて食べやすい。

アジア料理にありがちな独特の香辛料のクセや辛味もないので、思いのほか食べやすくてビックリした。日本にも馴染みのあるオイスターソースやごま油の旨味がメインなので、誰でも食べやすいのではなかろうか。煮込みのタレも全量入れてもよかったかもしれない。

一点、反省があるとしたら、鶏は炊飯器で炊くときに火が通るから事前にあんまり焼きすぎないほうが良かったなあ。火を通しすぎたのか、鶏がちょっとパサついてしまった。



・忖度ゼロでジャッジ

感覚としては、「煲仔飯」は深川めしの香港風って感じだろうか。美味しくて思わずおかわりしてしまった。


ただ、率直に結論を言うと……買っても損はないって感じかもしれない。


たしかにすごく美味しいのだが、変な癖がなく万人受けする分、「絶対これじゃないとダメ」みたいなクセになるほどの美味しさもないという感じか……。

たとえば初めて「トムヤムクン」を食べたとき、辛くてしょっぱくて酸っぱいのに甘くて驚かなかっただろうか? 「魯肉飯」の五香粉の香りに異国情緒を感じなかったろうか? エスニックにはそんな驚きがあるけど、「煲仔飯」はあまりにもすんなり馴染みすぎて、そこまでの驚きはなかったのだ。

ひょっとしたら日本向けにカルディが味を調整している可能性もあるかもしれないが。「癖がある」のと「クセになる」のは表裏一体なんだなという気づきを得た気がする。とはいえ、クセがありすぎると日本人の味覚には合わないわけで、そのさじ加減がすごく難しいんだと思うけど。

カオマンガイが好きな人は多分、「煲仔飯」も好きだと思うので試してみるのは悪くないと思う!

【忖度ゼロ評価】
珍しい度 ★★★★★
買い指数 ★★★☆☆


参考リンク:カルディ
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.