関西ではお馴染み、海苔の佃煮の『アラ!』。関西のスーパーでは往々にして、某大手の海苔の佃煮よりも格段に広いスペースを有している。
この『アラ!』に「しいアラ!(椎茸入)」など、ほかの種類があることは知っていた。しかしまさか「プレミアム版」があっただなんて……。
・60周年記念商品
関西で育った人は、関東に行って『アラ!』がないことに驚くらしい。九州出身関西在住の記者は、こちらに来るまで全くその存在を知らなかった。
身近な関西人に教えてもらいようやく認知したわけだが、その際にそんなことを言っていたのだ。『磯じまん』も人気だが、個人的な体感としては『アラ!』の方がより身近。関西のどこで暮らしているかにもよるのだろう。
そんな訳で一度食べたらすっかり『アラ!』派な、きょうこの頃。関西で暮らしている限りは、記者も今後スーパーでは『アラ!』を手に取り続けることだろう。
さて、その『アラ!』にバリエーションがあることは知っていた。上記の通り「しいアラ!」や、しその実入の「しそアラ!」などがそうだ。
ラインアップを見るに、『アラ!』にプラスアルファで何か入れるスタイルで展開していくのだろうと、なんとなく思っていた。それがどうしたことか、従来の『アラ!』をより進化させた商品が出ているとは。
なんでもプレミアム版は『アラ!』の発売60周年を記念して、2021年に発売されたものであるという。この事実をなぜ今の今まで、知らずに生きてきたのかと悔やまれてならない。
ロスタイムをどうにかこうにか埋めるべく、急ぎ『プレミアム アラ!』を通常版と比較しつつ食べてみることにする。
・緑色なプレミアム
しかし既に完成された『アラ!』をどのようにプレミアムにしようというのか。海苔の量を増やすのか、増やしたからといってより美味しくなるとは限らないよなあ、などと考えながらプレミアムの瓶を手に取る。
パッケージには “のり1.2倍” とあり、やはりそうなるか……とうなりつつ、開封。すると想像していた色とは違う、緑色の『アラ!』が登場した。あらまあ。
通常版の『アラ!』を横に並べて見ると、色の違いは歴然だ。通常版は黒いのだが、プレミアムはどうしたことだろう。サイトに上がっている商品説明を読むと、新製法により海苔本来の色を引き出している、とある。
量だけでなく、技術的な面も進化しているようだ。気になる味はというと、なんだか懐かしい感じがした。記者の実家は海に近いのだが、そのへんの道の駅で買う海苔の佃煮の味がしたのだ。
手作り感が増し、また海苔が惜しげもなく使われていることの表れではないだろうか。調味料によってしっかり味が調えられているので、海苔の味は濃いがしつこくはない。
濃厚というよりは深みがある佃煮、といった感じだ。なんともはや。プレミアム、めちゃめちゃやるではないか。これは美味しい。
記者の最寄のスーパーでは、税込み538円と通常版の322円より216円高かったが、それくらいであれば出す。むしろ積極的にプレミアム版を買う。
むしろもういっそ、全ての『アラ!』をプレミアム仕様にしてほしいくらいだ。一度知れば手放せなくなる『アラ!』の魅力に、より一層はまってしまった気がしている。