フレームを逆さまにすると砂のアートショーが始まる……そんな神秘的かつ幻想的な「サンドアート」をAmazonで購入した。評価は5段階中1と最も低いものの、商品写真をひと目見て購入を決意。我が家にきっとナチュラルな癒しをもたらす存在となるだろう。

ちなみに商品ページには「リビング、寝室、オフィス、書店、カフェなどのインテリアに最適」と書いてある。さらに「ダイナミックな砂のフレームを見ると、砂の粒がゆっくりと落ちていき、世界全体が静かになり、呼吸が遅くなり、圧力から解放される」のだとか。

実物はどうだったかというと……

タイトルは「流砂の絵」。中国産で価格は2695円だ。なんでもダイナミックで創造的な装飾品らしい。というか、年季の入ったパッケージに中国語の商品名が書いてあるだけで、なんとなくハズレを引いた気持ちになる。

もちろん中国にも優れた商品はたくさんあるのかもしれないが、古びた中国の雑貨はハズレ確定と言っていいだろう。と、期待値を大幅に下方修正してからアートを取り出すと……

やや黄ばんでいるものの、思ったほど悪くなかった。バブル期に流行したようなオーラが漂っていて、なんなら価格よりも価値がありそうである。冒頭で説明したとおり、上下逆さまにしたら砂時計のようにゆっくりと砂が動き出し “一期一会のアート” ができるという。


スタンドに設置してみると……


雪のようにゆっくりと降り積もる白い砂。しかし、焦げたザラメのような塊が砂の流れを邪魔してしまっている。さすがとしか言いようがない……思ったほど悪くないと思わせておきながら、実際にはちゃんと古びた中国の雑貨だった。

とはいえ、そんな欠点を含めても砂が流れ落ちていく様子は飽きずに見ていられる。もともとこういったサンドアートはオーストリアの作家が生み出した作品らしく、ヨーロッパでは会話のキッカケをつくる作品として人の集まる場所に飾られているそうだ。

仕組みをざっくり説明すると、2枚のガラス板の間に砂・水・空気が入っていて、比重の異なる砂は混ざることなく地層のような縞模様を生むという。んで、より高価な商品になると、内部の空気量を調整して砂の落ちるスピードを自由に変えられるらしい。

ザラメがこびりついて空気量は変えられず……全体的に残念な作品ではあるが、飾っていたらザラメが「日の出」のようになっていた。これも一期一会のアートだろうか。

というわけで、有名作家の高価な作品が買えなくても、ザラメ付き3000円の作品でサンドアートの雰囲気は味わえた。むしろ、いい味が出ているかも。気に入った方はチェックしてみてはどうだろうか。それではまた!


参考リンク:Amazon「サンドピクチャー 置物 M 置き型 動く砂のアート」
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.