また虚しい春がやって来てしまった──。桜のつぼみも膨らみ、木々たちが冬の眠りから寝覚める美しき季節。心なしか小鳥たちがいつもより愉快にさえずっているというのに、私(サンジュン)の心はダークネス。なぜなら今年も「あさりうどん」が東京23区からほぼ消滅しているからだ。

貴様ッ、丸亀製麵め……! ここまで来ると前世で私が丸亀に放火でもしたとしか思えないが、それはまあいい。なぜなら私にはこの渇きを癒してくれるリンガーハットの『あさりとアスパラの鶏白湯ちゃんぽん』があるからだ。

・最強ピンチヒッター、あさりちゃんぽん

丸亀製麺が最強メニュー「あさりうどん」をごく一部を除いた東京23区から消滅させてはや数年。あの味を思い出すだけで体の震えが止まらないが、それでも私は強く生き抜いてきた。それが出来たのはリンガーハットの「あさりちゃんぽん」の存在が非常に大きい。

あさりエキスはあさりうどんに及ばぬものの、特に2021年から2年連続で発売された「ほたてとあさりのちゃんぽん」は総合的な貝エキスで満ち溢れていた。前々世がラッコだった私には貝エキスが必要不可欠。ここ数年はリンガーハットのあさりちゃんぽんで私は生き長らえてきたのだ。

そのリンガーハットが2023年3月14日から発売開始したのが新作『あさりとアスパラの鶏白湯ちゃんぽん』である。ほたてから鶏白湯にスープが変更したことで貝エキスの減少が危惧されるが、そこはリンガーハット。過去4年にわたり受け継がれてきた “あさり魂” を見せつけてくれるハズだ。

というわけで、発売初日のリンガーハットで『あさりとアスパラの鶏白湯ちゃんぽん』をオーダー。価格は940円であった(地域によっては890円)。またプラス200円で「あさり増量」も可能なこともあさり大好きっ子としてはポイントが高い。

あさりで負った傷はあさりで癒す──。今年もピンチヒッター頼むぜ、リンガーハット! まずはスープから飲んでみると……


え、あさりどこ行った?


昨年まではガツンと効いていた貝エキスはどこへやら。ちゃんぽんとしては文句なしのクオリティではあるものの、あさりの気配はそれこそ具のあさりだけ。ちょちょちょ、き、聞いてないっスよぉぉおおおお……。

とろみのあるスープと麺はよく絡み合い、鶏白湯スープももちろんウマい。……が、細胞に染みわたるような貝エキスはほぼ感じられなかった。商品名としては『鶏白湯ちゃんぽん あさり添え』くらいが正確なのではないだろうか?

・翼をもがれた

まさか “最後の砦” であったリンガーハットで絶望を突きつけられるとは、なんと残酷な世界であろう。あさりうどんに続き、あさりちゃんぽんまで奪われた私に生きる術はあるのか? こうなったら生のあさりを飴玉のようにしゃぶるしかあるまい。

桜のつぼみも膨らみ、木々たちが冬の眠りから寝覚める美しき季節。心なしか小鳥たちがいつもより愉快にさえずっているというのに、私の心は漆黒のダークネス。なぜなら今年は「あさりうどん」と「あさりちゃんぽん」の両翼を失ってしまったからだ。

参考リンク:リンガーハット公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.