あたり前の話であるが、ピン札だろうとクシャクシャだろうと紙幣の価値は変わらない。1万円札には1万円の価値があり、5千円札には5000円の価値がある。……が、かろうじて紙幣の形を留めている「朽ち果てた1万円札」ならばどうなのだろう?

一般的には「銀行で交換してもらえる」なんて聞くが、土にかえる寸前の1万円札でさえも銀行で交換してもらえるものだろうか? 今回は偶然にもボロボロの1万円札が手に入ったため、勇んで銀行で持ち込んでみた次第だ。

・1年ぶりの帰還

当サイトの姉妹サイト「Pouch」のあんすずが財布を紛失したのは、およそ1年前のこと。当時「友達といて財布を失くしちゃいました……」なんて言ってた記憶が辛うじてあるが、財布は発見されず1年が過ぎようとしていた。

そしてつい先日、あんすずから「財布が見つかったんですよ!」との報告が。聞けば一部のクレジットカードが無くなっていたものの、現金1万円が無事だったらしい。……が、その姿はあまりにも変わり果てていた。


諭吉ィィイイイイイイッッッ!!!!


全体の1 / 3は切断され、今にも土に返っていきそうな諭吉先輩。財布の中に入っていたにもかかわらず、1年でここまでの変化を遂げるとは自然の力は恐ろしい。一応は「誰が見ても1万円札であると識別できること」が救いと言えば救いだ。



・とりあえず銀行へ

とはいえ、さすがに店で使えるコンディションとは言えず、受け付けてくれる自動販売機もあるまい。あんすずが「警察の人から銀行で交換してもらえるって聞きました」と言っていたため、私(サンジュン)も銀行へ同行することにした。

「とりあえず行ってきます~」と銀行へ入っていたあんすずから連絡があったのは、わずか数分後のこと。「なんか20~30分かかるらしいです」と言うが、実際にあんすずが銀行から出てきたのはおよそ1時間が過ぎてからであった。

聞けば「破れた紙幣の復元」から始まり、ちょっとした鑑定が行われていたらしい。結果「縦幅が縮小している」との理由で、紙幣は日本銀行へ送られたようだ。つまり、その日のうちにボロボロの1万円札が綺麗な1万円札に変わることはなかった。

ここからは「紙幣がどれくらい残っているか?」や「ニセ札かどうか?」の判断がされるとのことで、目安はおよそ2週間。そして1週間後……


1万円が振り込まれていた。


1年の時を経て、あんすずの元に戻ってきた1万円! ボロボロでも銀行へ持ち込めばキレイな紙幣に交換してもらえる!! ……と言いたいところだが、実際のところはそう簡単ではないようだ。



・交換してもらえないケースも

あんすずが銀行で聞いて来た話によれば「紙幣の状態によってはその状態で返されるケースもある」とのことなので、あくまで今回の1万円札は “まだいいコンディション” だったのだろう。結論を申し上げるならば「紙幣の状態次第で交換してもらえるかどうか決まる」となる。

ただフワッとした噂の通り、銀行は「ボロボロになった紙幣を交換してくれる機能もある」ことは判明したので、万が一紙幣がボロボロになってしまった場合は銀行に相談するのがベストなハズ。まあ、本当のベストは紙幣をボロボロにしないことであるが。

とにもかくにも、今回は無事に生還した1万円札。わざと紙幣をボロボロにする人はいないと思うが、万が一そんな事態に陥ったら銀行へGO、銀行へGOである。ただし「場合によっては交換してもらえないこともある」と頭の片隅に入れておくといいだろう。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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