かつ丼と言えば卵とじ……そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。だけど、よくよく考えると、サクッとした食感はとんかつの良いところ。味は染みていてほしいけど、サクッとした食感もほしい。これはかつ丼のジレンマと言える。

そんなかつ丼のジレンマに対する1つの答えとして、今注目されているのが「焼きカツ丼」であることは以前の記事でお伝えした通り。絨毯のように敷かれた卵の上にとんかつを置く焼きカツ丼。2023年は焼きカツ丼の年になると囁かれている……


ロケットニュース24の中で。っていうか、私(中澤)と編集長・GO羽鳥の間で。実は、私に焼きカツ丼を教えてくれたのはGO羽鳥なのだ。普段は死んでるのかと思うくらい気配を消している羽鳥だが、かつ丼の話をする時だけは生き返っている。

というわけで、まだ世間で噂されるほどではないのだが、「卵でとじない」という選択肢を選んだこのかつ丼はおにぎらず以来の発想の転換を感じさせる。ゆえに、あとはキッカケだけあれば2023年のグルメの覇権を取る器だと我々は予想しているのだ。

そのキッカケの1つが気軽さだと思う。今の焼きカツ丼の相場は1300円以上とかつ丼にしては高めだ。さらには、店も隠れ家的に点在しており、その場所に行かないと食べられない。


・気軽な焼きカツ丼を探してみた

もちろん、隠れ家的な高級感もそれはそれで良いのだが、逆に言うと、そんな状況でも長蛇の列になるほどのもの。これがもう少し安くなってチェーンとかで展開されようものならグルメ史に残ってもおかしくない。

もう少し気軽に食べられる焼きカツ丼はないのか? 我々一生懸命探しました。そしたら、気軽な焼きカツ丼、見つかりましたよ。『豚大学 とんかつ学部』で



・呼び方

ガッツリ系豚丼のチェーンとして知られる『豚大学』。そんな豚大学のとんかつ専門店であるこの店。定食、カレーなど、各種そろう とんかつメニューの1つに「たまごかつ丼」があるのだが、なんとこれが卵でとじない焼きカツ丼なのである


しかも、880円

店によって「とじないかつ丼」「後乗せ」など、呼び方が統一されていない焼きカツ丼。そういうところもブーム初期な感じがして良いことはさて置き、さっそく「たまごかつ丼」を注文してみた。たしかに、卵の上にとんかつが鎮座している。

・衣の存在感を全身で感じる

コスパ系の店ゆえ、行列になっている店ほど肉にこだわりは感じられないが、衣はこれでもかというほどサクサク……いや! もはやザクザクだ! 口に突き刺さりそうなほど揚がってるゥゥゥウウウ!!

さらには丼全体に甘めのタレが浸透しており、ふわふわの卵と合わさる味は特濃。卓上の調味料には辛子マヨネーズや激辛ホットソースが置かれており、言い訳のしようもないほどの男メシだ。私が大学生時代にこれが近所にあったら週7で通っていたに違いない。


・全国区のとんかつチェーンは動くのか

しっかり大学の面目を躍如している『豚大学 とんかつ学部』。まさに気軽に食べられる焼きカツ丼と言えるだろう。すでにコスパ系も登場し始めていた焼きカツ丼ムーブメント。2023年、全国区のとんかつチェーンはどう動くのか。動向を見守りたい。

・今回紹介した店舗の情報

店名 豚大学とんかつ学部
住所 東京都千代田区神田神保町1-8
営業時間 月~金11:00~22:00、土曜・日曜・祝日11:00~15:00
定休日 年末年始

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.