俺たちの心のとんかつチェーン「かつや」が本日2023年2月10日、期間限定の新商品『牛すき焼きとチキンカツの合い盛り』を発売した。なんと5年ぶりの登場だという。恥ずかしながら前回販売時は未食のため、私(あひるねこ)は今回が初体験である。

といっても、ネーミング的にはいつもの “合い盛りシリーズ” という感じで、内容もそこまで身構えるようなものではない気がしたのだが……結論から言うと今回の新商品は、チキンカツが即通報レベルの超ド変態野郎であった。各自、最大限の注意を払っていただきたい。

・かつや新商品

本日から販売がスタートした『牛すき焼きとチキンカツの合い盛り』。価格は丼が税込858円、定食が税込968円で、丼はテイクアウトが可能となっている(税込842円)。テイクアウトの場合、付いてくるのは温泉たまごだ。

この日の東京は雪が降るくらい寒く、お店に着く頃には体もヒエヒエに。ある意味、絶好のすき焼き日和と言えるだろう。丼と迷いつつ、今回はより “すき焼き感” を味わえそうな定食でお願いすることにした。ああ、早く温まりたい!

・5年ぶりの登場

さてさて、メインのすき焼きは牛肉、しらたき、青ネギ、卵という非常にシンプルな構成ながら、しっかりバッチリすき焼きらしいルックスである。「かつや」によると、これまで販売した実績と比較して牛肉量を20%増量。割り下も一新したとのことだが……。

「かつや」よ、申し訳ないが言わせてくれ。5年前に期間限定で出た割り下の味は……たぶん誰も覚えてねぇ。いるとしたらそいつは相当コアな “かつや者” か、あるいは商品開発担当者である。みんながみんな山岡士郎だと思うなよ?

というワケで、今回は完全初見の気持ちで食べさせてもらうが(実際に初)、まず牛肉は見た目よりもだいぶたっぷり入っている。すき焼きというよりは牛丼のアタマ(具)といった趣であるが、このボリュームなら早々に肉がなくなるという事態には陥らないだろう。グッジョブだ。

そして割り下が、何というか実に「かつや」である。味付け自体はTHE すき焼きって感じなんだけど、それぞれのパラメーターのつまみを目一杯回しているというか。ここが実家なら、母さんが「ちょっと濃かった?」って言うくらい味が強い。しかし、それがいい。それでこそ俺たちの「かつや」だ。

そんなこんなで存分にすき焼きを堪能する私。おかげで心も体もエヴァ破の綾波並みにポカポカしてきた気がする。ところが……! この時、私は気付いていなかった。我々のすぐ隣に超ド級の変態が潜んでいたことに。そう……


チキンカツである。

・ガチ不審者

それはまったくもって予想外かつ、異様な光景だった。当然だろう。すき焼きの具材が仲良く浸かっている割り下に、何を思ったかチキンカツも一緒に浸かっていたのだ。家族風呂にいつの間にか知らんヤツが入っていたようなものである。志村けんかよ。


「な、何だキミは!」


「あたす? そうです、あたすがチキンカツです」


──今すぐ通報だろこんな鶏。そもそも、どう考えてもカツが浸かっていいような割り下の量ではない。ほとんど半身浴みたいになっとるやないか。揚げ物がデトックスとか気にしてんじゃねぇよ! そんなことしてたら衣がはがれてブヨブヨに……

と思いきや、さすが俺たちの「かつや」。形が崩れるどころか、むしろいい感じに割り下を吸い、めちゃめちゃ魅力的なジャンク味に仕上がってやがるぞ。コ、コイツ……! ただの変態チキンじゃない……!!

なんならすき焼きにも上手く取り入り、夢のコラボまで果たしている始末だ。なんというコミュ力。そうか、これがZ世代の変態か。

おそらく頼んだのが丼の方だったら、チキンカツがいてもただの合い盛りにしか見えなかっただろう。今回の悲劇は(悲劇なのか?)、両者がいかにもすき焼きチックな鉄鍋に入れられたことで起きた……と言えるかもしれない。

・シリーズ上位

やたらとチキンカツを不審者扱いしてしまったが、個人的に『牛すき焼きとチキンカツの合い盛り』は、最近の合い盛りシリーズの中でも味・ボリュームの両面で上位に入る実力派であると感じた。なのでご注文の際は、どうか通報はいったん待った上でお楽しみいただければ幸いだ。

参考リンク:かつや
執筆:かつや者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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