世の中にあふれるグルメ記事は信用に値するのか? その記事を書いているグルメライターの味覚はどうなっているのか? 大人気テレビ番組「芸能人格付けチェック」のオマージュ企画、それが『グルメライター格付けチェック』である。パクリじゃないよ、オマージュだよ。

それはさておき、2022年2月、その『グルメライター格付けチェック』がおよそ4年ぶりに復活! この記事では今年開催された『グルメライター格付けチェック』について参加者たちに振り返ってもらうことにした。本邦初公開の裏話もたっぷりどうぞ。

・シーズン1より成績が悪い理由

「ウマい」「まずい」ではなく「高い食材」を当てるだけのシンプルな企画、それが『グルメライター格付けチェック』である。問題は全て2択なので適当に選んでも5割はキープできそうなものの、2月から始まった「シーズン2」は全体的に成績がよろしくない。

その理由を明かしてしまうと、シーズン2は「出題者」に変更があった。お題を決めるのは私(P.K.サンジュン)と「御花畑マリコ」の2名になり、実際に食材を調達するのが御花畑の担当になったためである。

・御花畑マジック

シーズン1は裏方のスタッフに「今回はカレーなので、伊勢丹と100均で買って来てもらっていいですか?」などとお願いしていたのだが、御花畑は「伊勢丹と業務用カレー」といった感じで、やや難しめの問題を用意。これがシーズン2で苦戦を強いられている最大の理由だ。

要するに「安い方が底値ではなくなったため、安い方からヒントを得にくくなった」というワケ。誤解を恐れずに申し上げるならば「ややSっ気のある御花畑に全員がボコられている」となるだろう。でも毎回食材の購入や管理、大変感謝しております。

・動画の声は……

話はガラリと変わり『グルメライター格付けチェック シーズン2』では、毎回しっかりとした動画を作成することにした。動画を作成しているのは “ディズニーマニア” こと田代大一朗で、ナレーションも全て田代が担当してくれている。

1度知り合いから「サンジュンさんのナレーション、いい声してますよね」と言われたことがあるが、あれも全て田代の声。毎回動画のクオリティはめちゃめちゃ高いので、ぜひ記事と合わせて動画もご覧になっていただけると幸いだ。

・正真正銘のガチ企画

もう1点、改めて言うまでもなく、参加者は毎回1000%全力で問題と向き合っていることをお伝えしておきたい。全員が全員、毎回フルパワーで当てに行っている理由はズバリ「不正解だと絶望的な気持ちになるから」である。

味覚はなかなか人と比較のしようがなく、人間は誰しも「自分の味覚は正常」だと思っているハズ。正解だった場合は「嬉しい」や「あたり前」くらいの感情だったとしても、外すと「信じられないほど悔しい企画」それがグルメライター格付けチェックなのだ。

さあ、ここからはいよいよグルメライターたちによる今年の振り返り! 26回(ショートケーキ編)を終了した時点での上位から順番に「自己採点と印象的だった回」を挙げてもらったぞ。


第1位: 16勝4敗(正解率80%): 中澤「気負わなかったのが良かったのかも」

「まあ、みんなそんなに順位を気にすることもないんじゃない。自分がウマイと思えればそれでハッピーじゃないか。え? 私の順位? 1位ですけど?

自分の舌に特に自信を持ったこともないのだが、気楽にやってたら気づいたら1位になっていた。気負わなかったのが良かったのかもしれない。逆に、みんななぜそんなに間違うのか不思議なレベルである。

難しかったものは特になかったんだけど、印象的だったのはハンバーグかな。まさかアレを間違う人がいるとは。でも、何がウマイかってホント人それぞれで良いと思うの。ハンバーグは明らかに間違う隙間もなくウマかったけど、そんなのは地球規模で見ると誤差でしかない」


第2位: 20勝6敗(正解率76.9%): サンジュン「間違えたヤツはもう1回やってもたぶん外す」

「10回くらいまでは安定してなかったけど、中盤からは自分なりに冴えてきたね。格付けで1番やっちゃいけないのは連敗なんだけど、今のところ連敗していないのが比較的成績が安定している理由かな?

印象的だったのは「まぐろ編」で、純粋の久兵衛よりスシローの方がウマかった。他にも間違えた問題はよく覚えていて「牛乳編」ももう1回やったとしても正解する自信が無い。違いがわかる人はすごいよ。

逆に正解して印象的だったのは「梨編」だね。千葉県市川市で育ったプライドを見せられたんじゃないかな? シーズン2では3回も1人勝ちしてるけど、正解発表の瞬間は本当にドキドキしてるんだよ。後半戦は何とかセイジくんをまくりたいね」


第3位: 16勝9敗(正解率64%): 砂子間「最終的には私が優勝する」

「驚異的な開幕ダッシュに成功(7勝1敗)したものの、その後、笑えないレベルの連敗(10勝9敗)も経験した。長いシーズンだから、流れやドラマがあった方が面白いだろう。後半戦も様々なドラマが生まれると思うが……最終的には私が優勝する。

1番印象に残っているのは森永乳業「MOW(モウ)」のバニラアイスだ。あれはヤバい。それとシャインマスカットは、大分の安心院(あじむ)の直売所で1500円で買えるやつの方が、伊勢丹の1万円より美味しいと思う。やはり将来は田舎で暮らしたい」


第4位: 14勝9敗(正解率60.8%): GO羽鳥「本当はもっと正解すると思ってた!」

「結果発表の写真が、ギリギリまだカラーなのが救いだけども、本当はもっと正解すると思ってた! なんなら1位を狙ってた!! 序盤の成績が悪かったのが最後まで響いてしまった。くそーっ!

ちなみに最も印象に残った回は、バニラアイス! 「ピエール マルコリーニ」が何者なのかは知らなかったが、まさか森永乳業の「MOW(モウ)」がこれほどまでに美味かったとは……。衝撃だった」


第5位: 13勝9敗(正解率59%): あひるねこ「フルーツさえ無ければ……」

「もし格付けにフルーツの回がなかったら、私はかなり上位にいると思われる。それくらいフルーツをバチバチに外しまくっている。というか、フルーツに関しては答えが分かった状態で食べてもまったくピンとこない。シンプルにもっと甘くあれや。

印象に残っているのは、まぐろの握り寿司回の「銀座久兵衛」。私は寿司ならスシローでもスーパーの半額でも何でも嬉しい人間だが、あれはやはり酢飯に魚の切り身がのっているだけであって、職人が仕事を施した寿司と比べたら寿司ではないんだということがよく分かる回だった」


第6位: 12勝10敗(正解率54.5%): Yoshio「旅に出ます」

「なんとか勝ち越してはいるものの、安いモノと高いモノの味の差が縮まっているような気がして判断が難しい! それだけ企業側も努力をしまくってるのだろう。てなわけで、来年は自分の舌レベル向上のため旅に出ようと思う。

ちなみに一番印象に残ったのは、アイスクリーム編。森永乳業MOW(モウ)が激ウマすぎて、あれからというものスーパーで安くなったバニラのMOWを大量ストックしている。

そんで、赤城乳業の“生チョコ入り”アイス「フォンディチョコレート」とバニラのMOWを混ぜ混ぜして、チョコバニラアイスにしてる。これがマジで激ウマ。MOWでもチョコレート味が発売されてるけど、混ぜたヤツのほうが高級感があってウマイので騙されたと思ってやってみてくれ」


第7位: 10勝9敗(正解率52.6%): 和才「推理戦で挑んだが」

「グルメライター格付けチェックのシーズン1を通して私が学んだのは、「単純に美味い方を選んだら外しがち」ってことだ。だからシーズン2は「高い店はこういう味にしてくるはずだから……」と推理戦で挑んだものの、結果は10勝9敗。

選択肢が2つしかないクイズで正解率がほぼ50%って試食する意味があったのかと思わなくもないが、美味いものを食えたから良しとしたい。そのように考えないと、気持ちの整理がつかない。なお、個人的に記憶に残っているのは第22回のモンブラン回。どちらもめっちゃ美味かったから」


第8位: 12勝11敗(正解率52.1%): 原田「疑心暗鬼になると……」

「最初はもっと正解すると思っていた。何なら全部当てる気でいたのだが、早くも2回目で1人だけ間違えてしまう大失態。そこから徐々に疑心暗鬼になって今の有様だ。

印象に残っているのは、その運命の分かれ道となった第2回のカレー。好きな味を選んだら不正解だし、貧乏舌であることがバレてしまうしでいいところなしの悪魔の回だった」


最下位11勝11敗(正解率50%): 佐藤「味覚なんて信じねえ」

「多分、うちのメンバーは全員勘違いしてると思うけど、格付けチェックはクイズだからね。2択クイズ。味で判断してると思ったら大間違いなんだよ。だって、ほんとに味がわかってるなら、全問正解するヤツが1人くらいいないとダメでしょ? つまり全員わからないってことなんですよ。味覚なんてそんなもの。

そう考えると、クイズと思った方が全然しっくりくる。だから当たりハズレがあって当たり前だし、面白いんですよ。ということで、2023年も勘で当てに行きます。味覚なんて信じちゃいねえ!

ちなみに印象に残っているのは、第10回のまぐろ編。スシローをよく食ってるはずのサンジュンとYoshioが外した時、ほら見ろ、全然わかってないって思いました。味覚なんてそんなもんですよ、ええ


佐藤だけちょっと何を言っているのかわからないが、それでも『グルメライター格付けチェック シーズン2』は折り返したばかり。最終回を迎えたとき順位はどうなっているのか? まだ全員に優勝のチャンスは残されているハズだ。

・勝負はこれから

逆にここから連敗を繰り返すと順位は相当厳しくなってくるハズ。己の意地とプライドの全てを賭けて、2023年も参加者たちは全身全霊で『グルメライター格付けチェック』と向き合うことをここに誓います。というか、負けると本当に悔しいし恥ずかしいんだよ。

なお、今回は特別に出題者の御花畑のコメントもご覧にいれよう。


出題者: 御花畑「格付けを1番楽しんでいるのは私です」

「格付け、商品を選ぶ側として参加してますが、見た目や中身に明らかな差がないものを選んだり、食べさせるときに大きさをそろえたりしてます。出題側としては意見が割れれば割れるほどガッツポーズですね。

多分、格付けを一番楽しんでるのは正解を知りながら回答を聞いてる私です。自信満々で不正解の方を選んで饒舌になってるのとかめっちゃ面白いですもん。

印象的だったのは全員がはずした さくらんぼの回ですかね。あのとき、編集部がマジでお通夜みたいな空気になってかわいそうになったので、そこからちょっと難易度を下げました。あと、プライベートで高い果物買わなくなりました」


というわけで、来年も『グルメライター格付けチェック シーズン2』をどうぞお楽しみに! しつこいようだけど毎回本当に力作だから、動画も合わせてチェックしてくれよな!! ちなみにうちの娘は、私が不正解だった動画を見せると悔しくて泣きます。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼シーズン2開幕前の動画はこちら! 改めて見ても超ウケる!!