シーズン1を含めると、合計60回を数えるグルメライター格付けチェック。読んで字の如く、グルメライターたちの味覚をテストする正真正銘のガチ企画である。そして今回お届けする『まぐろの握り寿司編』は、ズバリ “過去最大級の大波乱” と申し上げていいだろう。

この段階で申し上げてしまうが、今回は参加者9名のうちほぼ半分が不正解となってしまった。「銀座久兵衛」と「スシロー」のまぐろの違いがわからないヤツなんているのか? 詳細は以下でご確認いただきたい。

・サービス問題すぎ(笑)

正直なところ、第10回のお題が「まぐろの握り」に決まった瞬間、参加者全員が「楽勝!」「サービス問題!!」「さすがにそれはわかるでしょ(笑)」と余裕をぶっこきまくっていた。それもそのハズ、比較するのが「銀座久兵衛」と「スシロー」なのだ。間違えるワケがない。

だがしかし、今回は9名が参加し答えは「5対4」で真っ二つに割れてしまった。しかも確信を持って正解していたのは2人ほど。残りのメンバーは「迷って久兵衛」「迷ってスシロー」「迷わずスシロー」といった内容である。

・高い方を当てる

さて、今さらではあるが『グルメライター格付けチェック』のルールを説明しておこう。参加者は目隠しをしたまま “超高級食材” と “普通の食材” を味見し「どちらが高いか?」を当てる。ウマいマズい、好き嫌いは関係なく「高い方」を当てれば正解だ。

今回用意した高級食材は、銀座久兵衛のまぐろの握りで、価格は1貫550円。言わずと知れたミシュラン常連店で、日本を代表する名店中の名店と申し上げていいだろう。我々のようなド庶民にとっては “一生に一度の久兵衛” となる可能性が高い。

もう一方はスシローのまぐろで、価格は1貫55円。つまり価格差は10倍である。まぐろのウマさには定評のあるスシローだが、さすがに今回ばかりは分が悪いか? なお、スシローのまぐろにはワサビが入っていないため、今回は久兵衛のまぐろをワサビ抜きで握ってもらった。

再三申し上げている通り、このたびの『まぐろの握り寿司編』は大波乱回である。ぜひ参加者の回答から、どちらが高いのかを読者のみなさんも推理していただきたい。


サンジュン:B「これね……思ったより違わないわ。迷ったけどBかな。やっぱりね、Bの方がシャリのほぐれ方がいいんだよね。あとまぐろの旨味というか、渋みが強かったのはBかな。Aも普通にウマいんだけど、口に入れたとき生臭かったんだよね。久兵衛のまぐろが生臭いなんてことある? これはBでしょう」 


羽鳥:A「Aウマかったなぁ……待ってくれ。ちょっと待って! あれ? でも自分を信じてAかな。とにかく美味しかった。もうとんでもなく美味しかった。注目してたのはシャリなんだけど、意外とわからなかったね。

でもBのシャリもゴツゴツしてなかったんだよなぁ……。でも寿司自体がウマかったのはA。でも紙一重だね。思ったより違わなかった。というかAはシュッと入ってきた」


中澤:A「うん、これはAですね。僕はスシローに行きまくってるからわかりますけど、Aのシャリは酸味が強いですね。あと赤身の味が強かったのもAです。ただBは身の厚みがあったし、シャリもまろやかでした。ネタもボリューミーで好きなんですけど、食べた瞬間に “スシローだ” とは思いましたよ。やっぱりAは本物でしょう」


和才:B「あれ……思ったより近い。え、すぐにわかると思ったけど、価格ほどの差はない。どっちもウマかったな……。悩んできた、まじでわからない……どうしよう? Aはやや生臭かった気がするんですけど、赤身はある程度の生臭さがあるからな~。でもやっぱりまぐろ自体がウマかったのはBかな。全然自信は無いけどBで」


あひるねこ:A「正直、Aは美味しくなかった。たぶんテイクアウトのせいで生臭かったんじゃないかな? とはいえ、しっかりとした身を感じましたね。生臭いけど只者じゃない感がありました。Bはいつものスシローかなって感じがした。食べ比べるとやっぱり、ちょっとした雑味を感じましたね」


砂子間:B「Aは回転寿司の味でしたね。Bはシャリのほどけ方とまぐろ自体も良かったです。Bは切り方とかにもこだわりを感じました。Aもウマかったけど、Bを口に入れた瞬間のインパクトがヤバかった。もう1回食べたいのはBです」


原田:A「Aは普通にウマいですね……。うーん、思ったよりも難しいですね。もっと簡単かと思ってた……。シャリでわかると思ってたんですけど、全然わからないです。でも答えはAかな。噛んだ時の身の締まり方がAの方がしっかりしているというか。Bはやや身が柔らかくて泳ぎまくったまぐろって感じがしませんでした」


Yoshio:B「Aも美味しかったけど、ちょっと生臭かったよね。でもシャリも美味しい。ただBを食べちゃうと、まぐろもシャリもレベルが違う。Bはまぐろの繊維が細かくて柔らかい。シャリも空気の入り方が均一だったよね。職人が握ってるのは確実にB。さすが久兵衛さんです」


佐藤:A「うーん、Aかな。違いはシャリかな~? Aのシャリのほぐれ方が良かったし、Bはゴワゴワ崩れていったんだよね。まぐろ自体もAの方がサッパリしてるかな? ただ先入観なのかな~? まあでもまぐろの肉質でAにしょう

ご覧の通り、答えは5対4──。当初はゴリゴリのサービス問題かと思われていたが「10倍の差を感じる」と答えたメンバーは皆無だった。とはいえ「久兵衛」と「スシロー」である。生き恥を晒すのは誰なんだ!


どうなんだ!


どっちが久兵衛なんだーーーー!!!!!


正解は……


A!!!!!! Aが久兵衛のまぐろ!!!!!


し……死にたい。え、マジで? マジでAが久兵衛だったの? あの生臭さは何だったの? Bのまぐろの旨味は何だったの? これまでの不正解で1番ショックや……! もうグルメ記事とか書けねえよ。

1つだけあるとすると、当初は久兵衛の方から「30分以内に召し上がってくださいね」と言われていたものの、距離的な問題で食べるのが1時間半後になってしまったことはお伝えしておく。スシローは近所にあるため、食べたのは30分以内である。

とはいえ「久兵衛」と「スシロー」を間違えてしまったことは紛れもない事実。負け惜しみ & 子供じみていることは百も承知だが「同じ条件でやってみ? マジでわからないから!」としか言いようがない。久兵衛で握りたてを食ってみてえ……!


正解で7勝1敗: 中澤「シャリで完全にわかった」


不正解で7勝2敗: 砂子間「Aは回転寿司のまぐろでした」


正解で6勝2敗: 原田「Bのまぐろは泳ぎまくってる感じがしませんでしたね」


正解で5勝3敗: あひるねこ「Aは只者じゃない感じがしましたね」


正解で5勝3敗: GO羽鳥「そこまで違わないけどAの方がウマかった」


不正解で6勝4敗: サンジュン「久兵衛のまぐろがあんなに生臭いハズが無い」


不正解で5勝4敗: Yoshio「Bは職人さんが握ってました。さすが久兵衛さんです」


正解で4勝3敗: 佐藤「シャリのほぐれ方でAかな」


不正解で4勝5敗: 和才「Bはまぐろ自体がウマかった」


何度でも言うが、今回は本当に難しかった。都合よく考えるならば、それだけ寿司は鮮度が大切なのかもしれない。いずれ、他のネタでもグルメライター格付けチェックを開催する予定だ。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

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