皆さんは、秋と言えば何を思い浮かべるだろうか?

芸術の秋、食欲の秋、スポーツの秋……いろんな秋があるけれど、本の通販サイト「honto」では読書の秋にぴったりな面白い企画が開催されている。

その名も「本のガチャ」。名前のとおり、開封してみるまでどんな本が届くか分からないユニークな販売方法だ。

実際にチャレンジしてみた結果……大当たりすぎた。


・ユニークな販売法

実は筆者、この「本のガチャ」を8月上旬頃に購入していた。

当時は第1弾である「本のガチャ 文庫版」が販売されていたのだが、大好評だったようで現在は文庫版の本のガチャは終了してしまっている。

2022年9月21日現在は、第2弾である「本のガチャ 料理レシピ本」が開催中だ。2022年9月25日まで書店員の方が選んだ料理に関する本が購入できるので、本記事を読んで気になった方は是非hontoのサイトに足を運んでみてほしい。

何が出てくるか分からないと不安……という人もいるだろうが、ガチャといっても完全にランダムなわけではなく、ある程度本を絞ることができる。また価格はそれぞれ異なり、ガチャを引く前から表示されている。

参考までに、筆者が以前に利用した「文庫本版」を例に説明しよう。サイト上には「短編のガチャ」「長編のガチャ」「小学生から読めるガチャ」のラインナップがあり、さらに「ヒューマンドラマ」「SF」「ミステリー」など12のジャンルから好きなものを選ぶことができた。

なるほど、これなら「ちょっと好みじゃなかったかも……」と残念な思いをすることはなさそうだ。ただ、筆者が購入サイトに飛んだ際には、すでに「短編のガチャ」「長編のガチャ」は完売していたため、「小学生から読めるガチャ」の「動物」「ファンタジー」「料理」を購入した。


・結果は……

注文から数日後、hontoさんから荷物が到着。ドキドキしながら開封してみる。


今回筆者が引き当てたのはこちらの3冊! おおお、どれも今までに1回も読んだことのない作品だ!


まずは1冊目、『シートン動物記』の『ぎざ耳ウサギの冒険』。

シートン動物記の存在自体は知っていたけれど、ちゃんと読むのは初めてだ。本作にはタイトルになっている『ぎざ耳うさぎの冒険』をはじめとした4作の物語が収録されていた。

表紙のイラストが大変可愛らしかったため軽い気持ちで本を開いてしまったのだが、いざ本文を読んでみると厳しい野生の世界を生き抜く動物たちの姿が大変リアルに描かれていた。

もちろん動物どうしの戦いや死についても触れられており、結構生々しいシーンもあって「もうやめてぇ!!」と思いながら読み進めた部分も結構あった。

読み終わったあと、「いいものを読んだ」という感想と共にどこか暗い感情も抱いてしまったのが正直なところだ。うっ、でもこれが野生の世界なんだろうなぁ……。


続いて2冊目、『妖怪の子預かります』

内気な主人公「弥助(やすけ)」が、ひょんなことから妖怪の子供を預かる仕事を始めることに。梅の妖怪や鋏の妖怪など、個性豊かな妖怪の子供たちに振り回されることになる。

タイトルに「妖怪」とあるため「もしかして怖いのか……?」と身構えていたのだが、全くそんなことはなかった。江戸を舞台にした人外の存在と人間の心温まるやり取りが描かれており、『夏目友人帳』に似た雰囲気を感じる。

実は筆者、こういう和物の物語が大好き。この本を選んでくださった人はもしかして筆者の知り合いなんじゃないかと思うくらいドンピシャのセレクトだった。

どうやらこの『妖怪の子預かります』はシリーズ化しているようなので、もし書店で出会えたら是非続きを読んでみたい。


そして3冊目、『給食のおにいさん』。

いくつもの賞を受賞するほど高い料理の腕を持ちながらも、小学校の給食調理員として働くことになった料理人の「佐々目 宗(ささめ そう)」。

給食調理員は本来自分がやりたかった仕事ではなく「1年だけ我慢すればいい」と渋々働き始めた佐々目だったが、親から食事を与えてもらえない子供や太ってしまった人気子役など、様々な子供たちと触れ合っていくことでどんどん給食調理員として成長していく物語だ。

大量のメニューを時間内に作り上げなければならない、大人は喜ぶものでも子供たちが喜ぶとは限らない……など、給食だからこその大変さが描かれている。

これらの苦労はちょっと想像すればすぐに思いつきそうなことではあるのだが、お恥ずかしいことに給食があまりに身近な存在すぎてこの本を読むまで深く考えたことがなかった。

この作品を義務教育中に読んでいたら間違いなくもっと給食に感謝しながら食べられたな~。調理員さん、改めて毎日おいしい給食を作ってくださって本当にありがとうございました……!


・新しい出会いを楽しめる

今回購入したのは全て「小学生から読めるガチャ」だったが、大人が読んでも十分に楽しむことができる作品ばかりだった。ページ数もどれも200ページ以上あり、読みごたえも抜群だ。

今回手に入れた3冊の本はどれも良作だったけれど、普通に書店で見かけていたらまず手に取ることはなかっただろうなと思う。自分で選べないからこその新しい出会いを楽しめた。

9月も後半に入り、これからますます秋が深まっていくだろう。皆さんも是非本のガチャで、読書の秋を楽しんでみてはいかがだろうか。

参考リンク:hontoPRTIMES
執筆:うどん粉
Photo:PRTIMES、RocketNews24.