関東を中心に展開するスーパー銭湯「湯楽(ゆら)の里」。当サイトでも何度か取り上げているが、意外なことに東京都内にはたった2店舗しかない(2026年4月13日時点)。

以前の記事で「昭島温泉」は紹介済みのため、今回はもう一つの店舗である「国立(くにたち)温泉」へと足を運んでみることにした。

私(あひるねこ)が「湯楽の里」を利用するのは実は今回が初めて。どんな施設なのかと胸を躍らせていたのだが……まさか都内であんな開放的な “ほぼインフィニティ露天風呂” に入れるとは!

・国立のスーパー銭湯

この日は有給だったので、久しぶりに “ソロスパ銭” としゃれ込むことにした。多摩モノレール・万願寺駅から「国立温泉 湯楽の里」までは歩いて15分ほどだ。

行こうと思えば自転車でも行けたのだが、今回はあえて公共交通機関を利用。その理由は後ほど明らかになる。


のんびりと橋を渡っていると、多摩川沿いに大きな建物を発見した。どうやらあれが本日の目的地「湯楽の里」らしい。


さっそく2階にある受付へ。入館料は平日だと大人1名1000円(税込)。土・休日は1200円(税込)となっている。


ただし、タオルと館内着は別料金だ。今回は600円(税込)の3点セットをお願いしたが、タオルを持参して館内着が不要なら1000円で済む。

館内バッグを受け取ったら、建物の一番奥にある浴室へ。


・ちょっと狭い? と思いきや……

まずは内湯から。「国立温泉」の内湯は高濃度炭酸泉、白湯、水風呂の3種類。加えて高温サウナと塩サウナが完備されている。

ただ正直なところ、郊外のスーパー銭湯にしては若干狭いと感じてしまった。サウナはまずまずの広さだが、高濃度炭酸泉は先日行った「新宿テルマー湯」の4分の1くらいだろうか。休日はかなり混みあいそうな気配である。


「まあ、都内だしこんなもんか……」と、少々テンション低めで展望露天風呂へ出た瞬間、本命はこっちであると即座に確信した。

露天風呂は、天然温泉の源泉かけ流し「上の湯」と、加水ろ過循環の「下の湯」に分かれている。また、「上の湯」には屋根があり、「下の湯」には屋根がない。


とりあえず「下の湯」に浸かって、ふと景色を見上げたら驚いた。視界に入って来るのは、遮るものが何もないどこまでも広がる一面の空。

先述した通り「国立温泉」は多摩川に面しているため、風呂に浸かると周囲に建物らしきものは何も見えなくなる。遠くの方に小さく鉄塔が見えるくらいだ。待ってくれ、ここは本当に東京都内なのか?

・空が主役

よく見ると、さらに向こうに富士山が確認できる。しかし私は、富士山よりもこの大空に完全に目を奪われていた。


なにせ本当に空しかないのだ。あまりにも他に情報がなさすぎて、なんだか自分の身体がそのまま空へ吸い込まれてしまいそうになる。

こちらは別にインフィニティ風呂を謳っているわけではない。しかし、風呂から空への境目が限りなく曖昧という意味では、“ほぼインフィニティ” と言っても過言ではないだろう。ちょっと怖いくらいの解放感だ。


露天風呂の隣には横になれるサウナチェアが置いてあり、ここで多摩川の風を浴びながら外気浴をしていると、いよいよ自分が空と一体化したかのような気分になってくる。

自分でもハッキリ分かる。ととのうどころか、完全に仕上がっていると。



もしかしたら景色が単調で退屈だと感じる人もいるかもしれないが、郊外とはいえ、都内でこんなに空がスコーンと抜けている温泉施設は珍しいんじゃないか。最高の一言だった。


・本番はこれから

さて、風呂から上がったら館内着に着替えて食事処「季膳房」へ。


実は私、1980円で入館料と食事がセットになった『得々プラン』(平日限定)で入場していたのだ。


食事はハンバーグ定食やカツ丼など6品の中から選べるという。どれもウマそうだが、当然ここはアルコール付きの『湯上りセット』をチョイス。


そう、私が自転車で来なかったのは、すべてこの一杯のためである。


では、いざ……!


完璧だ。


そこへタイミング良く食事も運ばれて来た。枝豆、キュウリの漬物、そしてから揚げの三点盛り。サウナ後のツマミとしてこれ以上ない布陣である。


当然グラスビール程度の少量ではまったく話にならないため、中瓶を追加。空っぽの身体に染み渡るビールは、もはや水よりも水に近い液体と言っていい。



・日帰りの宿命

食後は「お休み処」へ移動した。あまり広くはないものの、リラクゼーションチェア(TV付きの席もあり)の居心地は抜群。USB電源があるのも地味に嬉しいポイントだ。


しかし、泥のようにくつろぎながら私はこう思ってしまった。


帰りたくねぇ……。


空との一体化からのサウナ3セット。カラカラの状態でビールを流しこんで横になっていると、今から電車に乗って家に帰るのが本当に面倒になってくる。

できることならもうひとっ風呂浴びて、空の変化をずっと見ていたいが……これも日帰りスパ銭の宿命か。


「国立温泉 湯楽の里」は、東京なのに東京じゃないような、圧倒的な解放感に満ちたスーパー銭湯だった。私のように全裸で空に吸い込まれたい人は、ぜひ一度訪れてみてほしい。



・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 国立温泉 湯楽の里
住所 東京都国立市泉3丁目29-11「フレスポ国立南」内
時間 9:00~1:00

参考リンク:国立温泉 湯楽の里
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼「お休み処」

▼奥には女性専用席もあった。

▼趣深い昔ながらのゲームコーナー。

▼露天風呂にジェットバスがあるのも良い。