郊外に行くと無人の野菜直売所を見かけることがある。説明するまでもないけど、無人直売所は農家で収穫した野菜を販売しているのが普通なのだが……。

千葉県佐倉市のある無人販売は、その固定概念をくつがえす直売所だ。なんと、自分で畑から野菜を収穫できる! しかも安い!! ってことで、実際に収穫にチャレンジしてみた!

・自分で野菜を収穫

訪ねたのは同市のオートキャンプ場「印旛沼サンセットヒルズ」近くの販売所だ。実はここのほかにも同じ経営者の畑はあるのだが、他の畑を訪ねたところすでに収穫を終えてて野菜がなかった……。

そこで管理している「農地保全産業」の小久保さんにお電話したところ、こちらの畑を教えて頂いたのである。


完全セルフなので、野菜を買うには自分で収穫しなければならない。欲しい野菜を畑から直に獲って、値札にしたがってお金を料金箱に入れる。ただしお釣りは出ないので要注意。なお、収穫用のハサミと持ち帰り用の袋が用意されている。


・この日のラインナップ
畑に立っている値札を見ると……。サラダかぶ10個100円


ねぎ1本は30円


ズッキーニ1本は50円


夏大根1本30円


なす1個20円


じゃがいもはサイズによって値段が異なり、特大50円・大40円・中30円・小20円。極小は無料となっている。


そしてスナップエンドウは1個が5円だ。


え? ワラビって山菜でしょ? 畑に植えているんだな、1本5円です。


・本当はシートの販売が目的だった

さて、いざ収穫! と思ったけど、まだしっかり育ってないものを獲るのは気が引けるなあ。野菜の知識がないから、何をどう獲ったら良いのか。どうしよう……。

……と、そこへ畑を管理している方がいらっしゃった! どれなら獲っても大丈夫か聞いてみよう!!


やってきたのは小久保さんのご家族で、ここの畑の手入れをしている方。どうして収穫型の無人販売を始めたのか尋ねると、そもそもここは地権者が使っていない土地で、畑に敷いてある「高性能雑草予防シート」の販売を目的に畑を始めたそうだ。

野菜の購入を希望する人がいたけど、畑に常駐することはできないので、自分で収穫するスタイルでの販売になったのだとか。


畑に敷かれた「高性能雑草予防シート」は雑草の発育を抑える効果があり、野菜の栽培に必要な労力を10分の1に削減できるそうだ。そのおかげで、売っている野菜の価格も安くできているという。ちなみに小久保さんはこのシートの特許を取得しているのだとか。


・いざ収穫!

では、手ほどきを受けながら収穫開始! まずはじゃがいも。「テレビの取材で大きいのは獲っちゃったから」ってことだったけど……。


出てくる出てくる、ゴロゴロ出てくるぞ!


じゃがいもゲット! 20個はあるんじゃないの?


お次は夏大根。根元から引っこ抜くらしいので、良さそうなヤツを選んで……。


ヨイショ! 抜けた!! 抜き立ての大根ゲット!


ビニールハウスの中にはズッキーニがあるはずだったんだけど、ほとんど収穫されてしまって未成熟のものしか残ってなかった。すると、「これ持っていきな」ってサンチュを1束頂いた。ありがとうございます! もぎたてのサンチュ、美味そう!


さらに収穫、スナップエンドウ20個ゲット! これで100円だよ


こちらが本日の収穫品。じゃがいも中サイズ16個(極小5~6個)、大根2本、スナップエンドウ20個。それから非売品のサンチュ・春菊を頂いちゃいました。合計金額は640円


10円玉がなかったので、料金箱に700円を入れさせて頂きました


持ち帰って大根はお浸しに、じゃがいもはポトフ風のスープにして食べてみたら、とても美味しかった。自分の手で獲った実感が、より美味しく感じさせていたのかもしれない。野菜が苦手な子どもも、収穫の楽しみを知れば苦手を克服できるかも? こんな直売所がもっと増えるといいな。


・今回訪問した店舗

名称 野菜直売所
住所 GoogleMap(35°45’06.7″N 140°12’24.5″E)この辺りに看板があります

執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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▼近くには有人の収穫型直売所もあったぞ!


▼こちらでもじゃがいも収穫


▼カゴ半分で300円でした

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